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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C4
管理番号 1331293 
審判番号 不服2017-3985
総通号数 213 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-03-17 
確定日 2017-08-08 
意匠に係る物品 スキンケア用美容器具 
事件の表示 意願2015-27606「スキンケア用美容器具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成27年(2015年)12月11日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「スキンケア用美容器具」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁から発行された意匠公報に記載の意匠登録第1486046号(意匠に係る物品,スキンケア用美容器具)の意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものある(別紙第2参照)。

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品については,両意匠ともに「スキンケア用美容器具」であるから,一致している。

(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

(2-1)共通点
(A)長さ対横幅を約3:1とした略棒状の本体であって,その正面上部に扁平な略円盤状の電極部を設けたものであって,本体は正面側ケース(以下「前ケース」という。)と背面側ケース(以下「後ケース」という。)から成り,両ケースの接合部にはパートラインが表れている。
(B)本体の正面視形状は,上端を円弧状とし,上から約3分の1の所で左右対称の湾曲状のくびれ部を設け,その箇所から下を,紡錘状としている。
(C)本体は,背面側に少し反った形態で,電極部は,反った本体の上部表面に対して,垂直に設けたものである。
(D)電極部に対応する背面側位置に,截頭半球状に膨出した箇所に,背面視で正円形の冷却部を設けている。
(E)冷却部の下からは凹曲面となり,水平断面形状が略扁平D字状の本体グリップ部につながっている。
(F)前ケースの周面の形態につき,全周において,テーパー(抜き勾配)状としている。
(G)正面中央やや下に凹陥状にした操作部を設けたものであり,操作部には,3つの円形の操作ボタンを逆三角形に配置している。
(H)操作ボタンの上側に複数の表示ランプを設けている。
以上の点で共通している。

(2-2)相違点
(ア)前ケースの側面視形態につき,本願意匠は,電極部の下端付近のみで曲がり,全体が「へ」の字状であるのに対して,引用意匠は,全体が緩やかな円弧状である点,
(イ)前ケースの曲がり具合(本体の反り具合)につき,本願意匠は,相対的に反りが大きいのに対して,引用意匠は,相対的に反りが小さい点,
(ウ)前ケースの前面部と周面との間の形態につき,本願意匠は,前面部と周面との間に面取り部を形成している(請求書でいう「2本の稜線を有している」)のに対して,引用意匠は,面取り部が無い点,
(エ)操作部の正面視形状につき,本願意匠は,倒立卵形であるのに対して,引用意匠は,ハート形である点,
(オ)表示ランプにつき,本願意匠は,操作部の中に,操作ボタンの直上に3つ横並びであるのに対して,引用意匠は,本体前面の操作部と電極部の間に,横一列に3つ,その左端から下に向かって縦に4つ並べている点,
(カ)電極の厚みにつき,本願意匠は,支持台の3倍であるのに対して,引用意匠は,1.5倍弱である点,
で相違する。

(3)類否判断
共通点(A)ないし(C)は,全体に関わる共通点であり,一定程度の共通感を生じさせているが,この物品分野においては,本願出願前からよく見られる形態であり,両意匠のみの共通点といえないから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
共通点(D)及び(E)は,両意匠のみの共通点といえるが,背面側の形態であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的である。
共通点(F)及び(G)は,目に付き易い前面部の形態であるが,表層的な形態であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的である。

これに対し,相違点(ア)については,よく目に付く前面全体の形態に関する相違であり,本願意匠の,平坦面・曲面・平坦面としたものと,引用意匠の一定曲率の大きな曲面としたものとは,その印象は大きく異なり,両意匠の類否判断を決定付ける程のものである。
相違点(イ)については,僅かな反り具合の差ではあるが,グリップ部を持ったときの,電極部の角度の相違であるから,美容器具を手で持って,電極部を顔等に当てる際の使用感に関わる要素であり,需要者が関心を持って観察するといえ,両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
相違点(ウ)ないし(オ)については,目に付き易い前面部の形態であるが,表層的な形態であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的と認められる。
相違点(カ)については,極僅かな寸法差であって,両意匠を並べて,側面視でその部分を注視して初めて気付く程度の相違といえるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
よって,本願意匠と引用意匠を対比した場合,意匠に係る物品は一致しているが,形態については,相違点の類否判断に及ぼす影響が,共通点のそれをしのぐものであり,需要者に別異の美感を起こさせるものであるから,本願意匠が,引用意匠に類似しているとは認められない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-07-25 
出願番号 意願2015-27606(D2015-27606) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 桐野 あい伊藤 宏幸 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2017-08-18 
登録番号 意匠登録第1585751号(D1585751) 
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