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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C6
管理番号 1332301 
審判番号 不服2016-19727
総通号数 214 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-10-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-12-21 
確定日 2017-08-16 
意匠に係る物品 巻き寿司成形器 
事件の表示 意願2016- 5692「巻き寿司成形器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成28年(2016年)2月29日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「巻き寿司成形器」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は,以下のとおりのものである。

著者の氏名:old78s
表題:買ってよかった 100均”便利グッズ”!!【ダイソー】【セリア・キャンドゥ】
掲載箇所:海苔巻きをキレイに作れる100円グッズ
媒体のタイプ:[online]
掲載年月日:2015年12月27日
検索日:[2016年8月4日検索]
情報の情報源:インターネット
情報のアドレス URL:
http://matome.naver.jp/odai/2143480847056198901/2145118225992406103
に掲載された巻き寿司用型の意匠(別紙第2参照)

第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否かについて,本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本願意匠が引用意匠に類似するか否かを検討し,判断する。

1.共通点及び相違点の認定
(1)共通点の認定
まず,意匠に係る物品については,本願意匠は,容器及び押し蓋の2つの部材から構成された「巻き寿司成形器」であり,引用意匠は,外容器,中容器及び押し蓋の3つの部材から構成された「巻き寿司用型」であるが,どちらも,容器に御飯と寿司ネタを入れ,押し蓋で上から圧力を加えることにより,巻き寿司を成形できるものであるから,共通する。
次に,形態については,主に,以下の(A)及び(C)の点が共通する。
(A)各部材を組み合わせた状態において,正面,背面,左側面及び右側面を略逆台形状に下方へ向けて少しすぼめた,全体を横長の略逆四角錐台形状としたものである。
(B)容器側の略半円柱状凹部と押し蓋側の略半円柱状凹部とを向かい合わせにして,略円柱形状の寿司成形部が形成されるものである。
(C)押し蓋について,正面及び背面の下端から上方へ向けて側面視略半円状に形成した凹部(前述の略半円柱状凹部)を形成し,その内側の表面に,御飯の粘りつきを防止するためのエンボス加工として,多数の小さな略長円形状の凸部を平面視略レンガ積み状に配し,また,当該凹部の外側の長手方向に,側面視略三角形状の補強片を等間隔に複数設けたものである。

(2)相違点の認定
形態について,主に,以下の(イ)ないし(ホ)の点が相違する。
(イ)全体の構成態様について,本願意匠は,容器及び押し蓋の2つの部材からなるものであるのに対して,引用意匠は,外容器,中容器及び押し蓋の3つの部材からなるものである。
(ロ)容器(引用意匠においては外容器)の高さ,長さ,幅の構成比率について,本願意匠は,略1対4対1としたものであるのに対して,引用意匠は,斜め上方から表した図しかなく,構成比率を明確に示すことができない。
(ハ)容器について,本願意匠は,1つの部材からなるものであり,周側面の中段付近に,内方へ凹む段差部を設け,短辺側の上端に略弓形状の縁部を設け,容器の内側は,底面を,正面及び背面の内側の中間付近の高さから下端にかけて,下方へ側面視略半円弧状に形成した凹部(前述の略半円柱状凹部)とし,その凹部に,一対の平面視略コ字状のスリットを向かい合わせに配するとともに,内側の表面に,御飯の粘りつきを防止するためのエンボス加工として,多数の小さな略長円形状の凸部を平面視略レンガ積み状に配したものであるのに対して,引用意匠は,上部開口した箱態様の外容器と,その内側の略下半部の高さに収まる大きさの中容器の2つの部材からなるものであり,外容器については,周側面に本願意匠に見られるような段差部は設けず,周側面の上端に一定幅の縁部を設けたものであり,底面を,水平面とし,その左右に大きめの略四角形状の孔を設けたものであり,中容器については,内側を下方へ側面視略半円形状に形成した凹部(前述の略半円柱状凹部)とし,その平面視左右に一対の平面視略コ字状のスリットを向かい合わせに配するとともに,内側の表面に,御飯の粘りつきを防止するためのエンボス加工として,多数の小さな略長円形状の凸部を平面視略レンガ積み状に配し,上端の短辺側の一方に,略弓形状の突出片を設けたものである。
(ニ)押し蓋の上端について,本願意匠は,全周に設けた縁部のうち,短辺側の縁部を,角部寄りがやや大きめに張り出し,中央を凹状に切り欠いた平面視略凹形状としたものであるのに対して,引用意匠は,全周に設けた縁部が一定の幅で張り出したものである。
(ホ)押し蓋の下端について,本願意匠は,縁部を設けていないものであるのに対して,引用意匠は,短辺側の一方に,略弓形状の縁部を設けたものである。

2.共通点及び相違点の評価
以下,共通点及び相違点が存在する,形態について,その共通点及び相違点の評価を行う。
(1)共通点についての評価
共通点(A)及び(B)は,全体を大まかに捉えた態様の共通点にすぎず,共通点(A)及び(B)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
共通点(C)は,押し蓋の態様に係るものであり,その態様は,押し蓋の全体に及ぶものであり,押し蓋の全体を特徴付けるものといえるが,容器と組にして一の意匠を構成する両意匠においては,部分的な共通点にすぎず,共通点(C)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度に止まる。
そうすると,これらの共通点は,両意匠の類否判断を決するものとはいえない。

(2)相違点についての評価
相違点(イ)の構成部材の相違は,基本的な構成態様に係るものであり,容器側を2つに分解できるか否かは,需要者が当該物品の扱いやすさや洗いやすさ等の面から関心を持つといえるから,相違点(イ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(ロ)の容器の構成比率の相違は,引用意匠の構成比率を特定することができないとしても,どちらも横長としたものであって,一見して、大きく異なるというものではないから,相違点(ロ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
相違点(ハ)について,構成部材の相違は,対比する前提として大きな相違といえるものであり,また,本願意匠の容器と,引用意匠の外容器と中容器を組み合わせた状態のものとを対比した場合,内部の略半円柱状凹部の態様に共通点が存在するとしても,周側面の段差の有無や底面の態様の相違は需要者に異なる印象を与えるものといえるから,相違点(ハ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(ニ)及び(ホ)について,縁部の態様の相違は,部分的であるとしても,目に付きやすい部分に係るものであり,需要者が扱いやすさの面から関心を持つ部分といえるから,相違点(ニ)及び(ホ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。

以上の相違点を総合すると,特に相違点(イ)及び相違点(ハ)は,両意匠について需要者に異なる印象を与えるものであり,そして,相違点(ニ)及び相違点(ホ),その余の相違点(ロ)も加わって,これらの相違点は,両意匠の類否判断を決定付けるものといえる

3.類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品は共通するものの,両意匠の相違点が相俟って生じる視覚的効果は,両意匠の共通点のそれを凌駕するものであって,看者に異なる美感を起こさせるものである。
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。

第4 むすび
以上のとおりであり,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条同項の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-07-25 
出願番号 意願2016-5692(D2016-5692) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 竹下 寛 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 江塚 尚弘
正田 毅
登録日 2017-09-15 
登録番号 意匠登録第1587536号(D1587536) 
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