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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 A1
管理番号 1334418 
審判番号 不服2017-8162
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-06 
確定日 2017-10-23 
意匠に係る物品 菓子 
事件の表示 意願2016- 18161「菓子」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,平成28年(2016年)8月26日の意匠登録出願であり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「菓子」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)を,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定おける拒絶の理由及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠は、意匠に係る物品を『菓子』とするものですが、本願意匠の属する分野においては、本願の出願前より、略ボート形状のタルトの内方に、ペースト状の内容物をスパイラルライン状に絞り出した態様のものが、ごく一般的に見受けられるところです(例えば下記の意匠1)。
また、本願意匠の属する分野においては、本願の出願前より、ペースト状の食品を絞り出す際に、2色のペーストを同時に絞り出し、その結果、絞り出されたペーストの半々がそれぞれ異なる色彩となって表れるようにする手法も、本願出願前より、ごく一般的に見受けられるところです(例えば下記の参考資料1ないし4)。
そうすると、本願出願前よりごく一般的に見受けられる態様の意匠1を基本とし、本願出願前よりごく一般的に見受けられる手法により、そのペースト状部分の半々をそれぞれ異なる色彩としたにすぎない本願の意匠は、当業者であれば、容易に創作することができたものといわざるを得ません。
よって、本願意匠は、意匠登録を受けることができません。

意匠1: (別紙第2参照)
表題 紅芋タルト
掲載箇所 下記URLページ内写真中
媒体タイプ online
掲載年月日 掲載年月日の記載は無いものの,同ページ中の受賞歴の記載によれば,意匠1は本願出願前の2008年当時から既に知られるものであったことが認められる。(なお,米国NPOインターネットアーカイブWaybackMachineによれば,意匠1は,2011年10月21日当時には,既に下記URL「御菓子御殿」の販売サイトに掲載されていたことが認められる(http://web.archive.org/web/20111021045625/http://shop.okashigoten.com/fs/okashigoten/okashi/1-3)。)
検索日 2016年11月9日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://shop.okashigoten.com/fs/okashigoten/okashi/1-3
引用意匠 上記ページの写真中の焼き菓子(商品名:紅いもタルト)の意匠

参考資料1:(別紙第3参照)
表題 How it works:Cupcake Creations Icing Duets Decorating Kit
掲載箇所 下記ページ内写真中
媒体タイプ online
掲載年月日 2013年10月30日
検索日 2016年 11月9日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:https://www.yuppiechef.com/spatula/how-it-works-cupcake-creations-icing-duets-decorating-kit/

参考資料2:(別紙第4参照)
表題 クリームの絞り
掲載箇所 下記ページ内写真中
媒体のタイプ online
掲載年月日 2006年5月30日
検索日 2016年11月9日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://blog.livedoor.jp/junkoinny05/archives/cat_50035342.html

参考資料3:(別紙第5参照)
表題 川越いもソフト
掲載箇所 下記ページ内写真中
媒体タイプ online
掲載年月日 2012年12月30日
検索日 2016年11月9日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://tabehachi.blog24.fc2.com/blog-entry-863.html

参考資料4:(別紙第6参照)
表題 Spring Cupcakes with Two-color-swirl Icing Tutorial
掲載箇所 下記ページ内写真中
媒体タイプ online
掲載年月日 2012年3月6日
検索日 2016年11月9日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://debbiesweets.blogspot.jp/2012/03/spring-cupcakes-with-two-color-swirl.html」

第3 当審の判断

以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。
(1)本願意匠の認定
本願意匠の意匠に係る物品は,「菓子」であって,その形態は,上方が開口した有底の舟形状の焼き菓子(以下「タルト台部」という。)に,2色のペースト状の内容物からなる波状の畝を開口部から上方に山なりに膨出するように載置したもの(以下「ペースト部」という。)である。
そして,詳細には,下部は,平面視して2つの円弧からなる木の葉形で,長手方向に対して幅が約5分の2で,正面視,側面視ともに逆等脚台形状に現れ,正面視では底辺が上辺の約4分の3,側面視では約3分の2である。また,上部は,紫色と橙色からなる2色の畝が,緩やかな略§字状を形成して交互に入り組み,前端から後端にかけて,略中央にジグザク模様の境界を形成し,それぞれの畝が,明確な稜線を有する鋭角状の縁部によって陰影のはっきりした凹凸模様を形成している。
(2)意匠1及び参考資料の認定
(ア)意匠1
意匠に係る物品は,「菓子」であって,その形態は,上方が開口した有底の舟形状のタルト台部に,波状の畝からなるペースト部を開口部から上方に山なりに膨出するように載置したものである。
そして,詳細には,タルト台部は,平面視して2つの円弧からなる縦長の木の葉形で,正面視,側面視ともに逆等脚台形状に現れるが,具体的な構成比率は不明である。また,ペースト部は,単色の紫色であって,波状を形成する複数の畝からなり,それぞれの畝が,明確な稜線を有する鋭角状の縁部によって陰影のはっきりした凹凸模様を形成している。
(イ)参考資料
(イ-1)参考資料1は,2色のペーストを同時に絞り出せる調理用具の紹介記事であって,淡黄色と薔薇色からなる2色のペーストを様々な態様に絞り出した事例が認められ,事例はいずれも,複数の細幅の畝からなる2色のペーストからなるが,具体的な態様は不明確である。
(イ-2)参考資料2は,それぞれが複数の細幅の畝からなる白色と黒茶色の2色のペーストが渦巻き状に配された事例であるが,写真からは具体的な態様は不明確である。
(イ-3)参考資料3は,ソフトクリームの事例であって,浅紫色と菜の花色の2色のペーストが渦巻き状に略円錐形に絞り出されたものである。
(イ-4)参考資料4は,カップケーキの事例であって,2色(青紫色と薔薇色,青紫色と黄支子色(きくちなしいろ)等)のペーストが渦巻き状に略円錐形に絞り出されたものである。
(3)本願意匠の創作容易性について
この種物品分野において,上方が開口した有底の舟形状の焼き菓子に,ペースト状の内容物からなる波状の畝を開口部から上方に山なりに膨出するように載置した態様は,意匠1に示すように本願の出願前に公然知られており,掲載写真からは各部の正確な構成比率が判断できないものの,タルト台部及びペースト部の構成比率についても,本願意匠と近似するものと認められる。また,色彩の異なる2色のペーストを絞り出す手法については,参考資料1ないし4に示すように本願の出願前に公然知られている。
しかしながら,参考資料1ないし4については,参考資料1は,2色のペーストを同時に絞り出せる調理用具の紹介記事であって,2色で構成されたペーストを様々な態様に絞り出した事例が認められるが,本願意匠と同様に2色のペーストが略§字状を形成して交互に入り組んだ態様のものは見られず,参考資料2についても,2色で構成されたペーストの事例が認められるが,本願意匠とは態様が明らかに相違している。また,参考資料3及び参考資料4についても,2色で構成されたペーストの事例が認められるが,円錐形に絞り出されたものであって,本願意匠とは態様が相違している。
してみると,本願意匠は,上方が開口した有底の舟形状の焼き菓子に,ペースト状の内容物からなる波状の畝を開口部から上方に山なりに膨出するように載置した態様については,意匠1に基づいて創作が容易であると認められるものの,ペースト部の具体的な構成については,2色のペーストを同時に絞り出す手法が公知であって,この種物品分野で用いられる一般的な手法であるとしても,様々な態様を選択する余地があることは,参考資料1ないし4に示された事例からも明らかであり,本願意匠と同様の,2色の畝が,緩やかな略§字状を形成して交互に入り組んでジグザク模様の境界を形成し,それぞれの畝が明確な稜線を有する鋭角状の縁部によって陰影のはっきりした凹凸模様を形成している態様は,本願意匠に特有のものであって,当業者であれば容易に想到することができたとする根拠を参考資料1ないし4からは見いだすことができない。
したがって,原査定における拒絶の理由での意匠1及び参考資料1ないし4に基づいて,当業者が容易に本願意匠を創作することができたということはできない。

第4 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規程に該当しないものであり,原査定の理由によっては,本願を拒絶するべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-10-11 
出願番号 意願2016-18161(D2016-18161) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (A1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 下村 圭子 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
温品 博康
登録日 2017-11-02 
登録番号 意匠登録第1591678号(D1591678) 
代理人 福島 康文 
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