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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C1
管理番号 1334437 
審判番号 不服2017-10509
総通号数 216 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-07-14 
確定日 2017-11-13 
意匠に係る物品 ブラインド 
事件の表示 意願2016- 7786「ブラインド」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成28年(2016年)4月7日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「ブラインド」とし,その形態は,願書の記載及び願書添付の図面に記載されたとおりのもので,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを示すものである。」(以下,本願において,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとし,その拒絶の理由として引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,特許庁が平成28年(2016年)3月14日に発行した意匠公報掲載の意匠登録第1545651号「ブラインド」の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(以下,本願部分に相当する部分の意匠を「引用部分」という。)(別紙第2参照)

3.両意匠の対比
本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,引用意匠に類似するものであるか否かについて,以下,検討する。
(1)両意匠の意匠に係る物品
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品については,いずれも窓の日差しを遮るために用いられる「ブラインド」であるから,両意匠の意匠に係る物品は一致する。
(2)本願部分と引用部分(以下,本願部分と引用部分を合わせて「両部分」という。)の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願部分は,上端部に角柱状部を有し,昇降コードやラダーコードを利用して昇降する,全体を横長長方形状とするブラインドの中間部にある横長帯状のスラットの約2/5の長さの部分を,意匠登録を受けようとする部分としたものであり,スラットの長手方向に直交する向きに昇降コードを挿通する略長円形状の孔(以下,「挿通孔」という。)を設けたもので,引用部分は本願部分に相当する同様の部分であるから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。
(3)両部分の形態
両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
なお,両部分を同じ方向から対比するため,引用意匠を本願意匠の向きに揃えたものとして,以下,それぞれ両部分の形態を認定し,対比する。
(3-1)共通点
(A)部分全体を,ブラインドの横長帯状の1枚のスラットの約2/5の長さ部分とし,断面視凸円弧状に湾曲したものとした点,
(B)スラットのラダーコードのある正面側寄りに平面視縦方向に略長円形状の挿通孔を設けている点,
において主に共通する。
(3-2)差異点
(ア)挿通孔の長手方向の最大長さと左右の最大幅の縦横比について,本願部分は,約8:5で縦幅が短いのに対して,引用部分においては約11:3で縦幅が長い点,
(イ)挿通孔の形状について,本願部分は,左右の直線部分が短く,スラットの一方のラダーコード側の曲線部分は半円形状で,その反対側の曲線部分は略隅丸V字形状であるのに対して,引用部分は,左右の直線部分が長く,曲線部分はいずれも半円形状である点,
(ウ)挿通孔がスラットの短手方向の長さに占める割合について,本願部分は,約16%であるのに対して,引用部分においては約22%である点,
(エ)断面視したスラットの湾曲の度合いについて,本願部分は,湾曲がやや大きいのに対して,引用部分は,湾曲がやや小さい点,
において主な差異が認められる。

4.類否判断
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,一致している。
(2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通している。
(3)両部分の形態
以下,両部分の形態について検討する。
(3-1)共通点
まず,共通点(A)については,部分全体を,ブラインドの横長帯状の1枚のスラットの約2/5の長さ部分とし,断面視凸円弧状に湾曲したものとした態様については,この種の物品分野において,本願の出願前から他にも見られる態様といえるもので,特徴のないものといえ,両部分全体を共通とするほどの格別目立つ態様とはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
次に,共通点(B)についても,スラットのラダーコードのある正面側寄りに平面視縦方向に略長円形状の挿通孔を設けている態様が共通するものではあるが,この種のブラインドの物品分野においては,略長円形状の挿通孔をスラットに設けた態様は,ありふれた態様といえるものであるから,目立つものとはいえず,両部分のみに見られる格別新規な特徴とはいえないものであるから,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものにすぎない。
共通点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるものである。
(3-2)差異点
差異点(ア)の挿通孔の縦横比の差異については,挿通孔を設けたスラット全体の印象に影響を与えるものといえ,本願部分のように縦幅が短いものは,あまり見られず,縦幅が長いありふれた態様である引用部分とは,明らかに需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)の挿通孔の形状についても,左右の直線部分が短く,スラットの一方のラダーコード側の曲線部分が半円形状で,その反対側の曲線部分が略隅丸V字形状である本願部分は,他には見られない特徴的な態様といえるもので,左右の直線部分が長く,曲線部分がいずれも半円形状である引用部分とは明確に異なる印象を需要者に与えるものであり,その差異は無視することができず,両部分の類否判断に大きな影響を与えるものといえる。
そして,差異点(ウ)の挿通孔がスラットの短手方向の長さに占める割合については,挿通孔が小さめで,閉じた場合昇降コードによって挿通孔が隠れる本願部分は,光が漏れにくい印象を与えるもので,挿通孔がやや大きめである引用部分とは,明らかに需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断にある程度の影響を与えるものといえる。
また,差異点(エ)のスラットの湾曲の度合いについては,部分的な細部の形状に係るものであり,共通する態様の中での部分的な差異であるが,前記した差異点(ア)ないし(ウ)の差異点と相俟って,両部分の印象を異ならせるものといえ,その差異が両部分の類否判断に僅かではあるが影響を与えるものといえる。
(4)小括
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通するものであるが,両部分の形態における差異点が看者に与える意匠的効果が共通点のそれを凌駕し,両部分全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-10-26 
出願番号 意願2016-7786(D2016-7786) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 竹下 寛 
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 正田 毅
斉藤 孝恵
登録日 2017-11-24 
登録番号 意匠登録第1593289号(D1593289) 
代理人 大森 純一 
代理人 金山 慎太郎 
代理人 中村 哲平 
代理人 折居 章 
代理人 金子 彩子 
代理人 関根 正好 
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