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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1336211 
審判番号 不服2017-9688
総通号数 218 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2018-02-23 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-06-30 
確定日 2017-12-01 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2016- 11730「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成28年(2016年)6月1日付けで意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は,以下のとおりのものである(別紙第2参照)。
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2009年3月16日
受入日 特許庁意匠課受入2009年3月23日
掲載者 株式会社資生堂
表題 資生堂 商品ディクショナリー
掲載ページのアドレス
http://www.shiseido.co.jp/products/s0104pdt/view/pdt00002.asp?TOP=1&SHOHIN_C=33349&P=pdt05000.asp&S=1
に掲載された「包装用容器」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20070829号)

第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否かについて,本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本願意匠が引用意匠に類似するか否かを検討し,判断する。

1.両意匠の共通点及び相違点
(1)共通点
意匠に係る物品については,両意匠ともに「包装用容器」であるから,一致し,形態については,以下の(A)ないし(D)の点が主に共通する。
(A)全体を,容器本体,ポンプの押しボタンとその基台(以下「押しボタン付き蓋」という。)及びオーバーキャップからなる,略縦長円柱形状としたものであり,(B)押しボタン付き蓋は,三段からなり,上方に向けて段階的に径を細くし,上段の押しボタンは,上端の角部に面取りが施され,そこから注出口が前方へ少し突出したものとし,(C)容器本体の正面には,横書きの文字列を縦方向に,その下には文字列を横方向に配し,(D)オーバーキャップを透明としたものである。
(2)相違点
形態について,以下の(ア)ないし(キ)の点が主に相違する。
(ア)全体の外形状について,本願意匠は,上方へ向けて徐々に径が細くなる先窄まりの略円柱形状としたものであるのに対して,引用意匠は,全長にわたり径をほぼ同一とする円柱形状としたものである。
(イ)全長と直径(上端の直径)の比率について,本願意匠は,約4対1としたものであるのに対して,引用意匠は,約5対1としたものであり,本願意匠は,引用意匠よりも相対的に太い(あるいは短い)ものである。
(ウ)容器本体の長さと押しボタン付き蓋の長さの比率について,本願意匠は,約11対7としたものであるのに対して,引用意匠は,約12対5としたものであり,本願意匠は,容器本体が押しボタン付き蓋の2倍以上ある引用意匠と比べると,容器本体の割合が小さいものである。
(エ)押しボタン付き蓋について,まず上段部については,本願意匠は,上面を略しずく形状としたものであるのに対して,引用意匠は,側方から見た態様しか分からず,上面の平面視形状は認定できないものである。次に中段部については,本願意匠は,上段部との段差面の幅が広く,角部は大きく傾斜状に面取りしたものであるのに対して,引用意匠は,その面の幅が狭く,面取りしていないものである。そして下段部については,本願意匠は,中段部との段差面を水平状としたものであるのに対して,引用意匠は,その面を傾斜状としたものである。
(オ)オーバーキャップについて,本願意匠は,押しボタン付き蓋の上段部及び中段部を覆うものであって,高さと直径(上端の直径)の比率を約1対1とし,模様を施していないものであるのに対して,引用意匠は,押しボタン付き蓋の全体を覆うものであって,高さと直径の比率を約5対3とし,縁部に金属色による細幅帯状の模様を施したものである。
(カ)容器本体について,本願意匠は,透明としたものであるのに対して,引用意匠は,不透明としたものである。
(キ)色彩について,本願意匠は,全体的に薄い水色としたものであるのに対して,引用意匠は,全体的に濃い青色としたものである。

2.共通点及び相違点の評価
以下,形態について,その共通点及び相違点の評価を行う。
(1)共通点について
この物品分野の意匠として,全体を略円柱形状とし,押しボタン付き蓋を上方へ向けて段階的に径を細くした3段構成とする態様は,数多く見られる形態であり両意匠のみの特徴とはいえず,共通点(A)及び(B)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。また,容器本体の正面の,横書きの文字列を縦方向に,その下には文字列を横方向に配した態様や,オーバーキャップを透明としたものも,ごく普通に見られるものであるから,共通点(C)及び(D)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
そうすると,共通点(A)ないし(D)が,両意匠の類否判断を決するということはできない。
(2)相違点について
相違点(ア)の全体を先窄まりの略円柱形状としたか否かの相違は,本願意匠の窄まり方が大きいものではないとしても,基本的な構成態様に係る相違であるから,相違点(ア)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(イ)の全長と直径の比率の相違と,相違点(ウ)の容器本体の長さと押しボタン付き蓋の長さの比率の相違とは,両相違が相俟って両意匠に異なる印象,つまり,本願意匠は,相対的に全体が太く(あるいは短く),容器本体の割合が小さいから,ずんぐりした印象を与えるのに対して,引用意匠は,相対的に細く(あるいは長く),容器本体の割合が大きいから,すらりとした印象を与えるものである。したがって,相違点(イ)及び(ウ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(エ)の押しボタン付き蓋の相違については,上段部の側面視形状を除くほぼ全体の具体的な態様に及ぶものであり,特に中段部は,本願意匠のものが斜め上方から見た場合に,ドーナツ状の環体との印象を与えるものであり,引用意匠のものとは大きく異なっており,オーバーキャップを外して使用する際には,目立つ相違といえ,また,上段部の上面は内容物を抽出する際に指を当てる部分であり,需要者が関心を持つ部分であるから,この部分の相違を,軽視することはできない。したがって,相違点(エ)の相違が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(オ)のオーバーキャップの相違については,下端の帯状ラインの模様の有無は,その幅が細いからさほど目立つものではないものの,押しボタン付き蓋を覆う範囲の相違は,オーバーキャップの構成比率の相違と相俟って,特に,オーバーキャップの開閉時に明らかに分かる相違であるから,相違点(オ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(カ)の容器本体を透明としたか否かの相違と,相違点(キ)の色彩の相違は,この物品分野においては,選択ないしありふれた改変といえる程度の相違であるから,相違点(カ)及び(キ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
そうすると,相違点(ア)の全体形状の相違に,相違点(イ)と相違点(ウ)の構成比率の相違が相俟って需要者に与える印象の相違,相違点(エ)の押しボタン付き蓋の相違,相違点(オ)のオーバーキャップの相違も加わって,これらの相違点は,両意匠の類否判断を決するものといえる。

3.類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品は一致するものの,両意匠の形態における相違点が相俟って生じる視覚的効果は,両意匠の共通点のそれを凌駕するものであって,需要者に異なる美感を起こさせるものである。
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-11-21 
出願番号 意願2016-11730(D2016-11730) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 上島 靖範 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 橘 崇生
正田 毅
登録日 2018-01-05 
登録番号 意匠登録第1596041号(D1596041) 
代理人 五味 飛鳥 
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