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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B1
管理番号 1338203 
審判番号 不服2017-14684
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-03 
確定日 2018-02-19 
意匠に係る物品 ブラジャー 
事件の表示 意願2016- 24113「ブラジャー」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,部分意匠として意匠登録を受けようとする,平成28年(2016年)11月4日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「ブラジャー」とし,その形態は,願書の記載及び願書添付の図面に記載されたとおりのもので,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下,本願において,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は,特許庁普及支援課が2007年12月20日に受け入れ,2007年9月21日発行の「大韓民国意匠商標公報07-27号」に掲載された「スポーツブラジャー」(登録番号30-0462087類似1)の前身頃中央の模様を除く本願部分に相当する部分(特許庁意匠課公知資料番号第HH19431121号)(以下,本願部分に相当する部分を「引用部分」という。)であって,その形態は,同公報に掲載された写真に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の対比
(1)意匠に係る物品
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品については,本願意匠は,「ブラジャー」であり,引用意匠は,「スポーツブラジャー」であるが,いずれも肩紐であるストラップ(以下「ストラップ」という。)付きの胸パッドを設けたブラジャーであるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。
(2)本願部分と引用部分(以下,「両部分」という。)の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
まず,本願部分は,ブラジャーのストラップを除いた本体部であって,引用部分は,本願部分に相当する同様の部分であるから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。
(3)両部分の形態
また,両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
(3-1)共通点
(A)部分全体を,高さのある前身頃と,それより低い太幅の帯状の後身頃で構成し,前身頃中央に緩やかな凹円弧状の大きなカーブを設け,ストラップとの傾斜部を山状として左右に緩やかな凹円弧状の傾斜部を設けている点,
(B)下端部を緩やかな円弧状の波状に形成した切り放し状としている点,
(C)前身頃と後身頃の切替え線を背面側左右寄りに設けた点,
において主に共通する。
(3-2)差異点
(ア)正面視の横と縦の比について,本願部分は,約1:0.66で縦長であるのに対して,引用部分は,約1:0.54で,本願部分より横長である点,
(イ)下端部の態様について,本願部分は,下端部が凹円弧状に抉られ,背面視すると後身頃側の中央が前身頃側の中央より深く抉られているのに対して,引用部分は,前身頃も後身頃も略水平状である点,
(ウ)ストラップとの接続部分の態様について,本願部分は,前身頃の裏側に取り付けてストラップと同幅で自然に中央のカーブや左右の傾斜部に連続する態様であるのに対して,引用部分は,取り外し可能な留め具によってストラップが接続される態様で,ストラップの横幅より幅があり,ストラップとは独立した態様である点,
(エ)縫合線の有無について,本願部分は,縫合線を有さず,背面の切替え線も重ねて接着したものであるのに対して,引用部分は,正面視した前身頃の上下に余地部を残して輪郭に沿って縫合線を設け,背面の切替え線も縫合によるものである点,
において主な差異が認められる。

4.類否判断
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,共通している。
(2)両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲は共通している。
(3)両部分の形態
以下,両部分の形態について検討する。
(3-1)共通点
まず,共通点(A)については,部分全体を,高さのある前身頃と,それより低い太幅の帯状の後身頃で構成し,前身頃中央に緩やかな凹円弧状の大きなカーブを設け,ストラップとの傾斜部を山状として左右に緩やかな凹円弧状の傾斜部を設けた態様が共通するものではあるが,この種の物品分野においては両意匠以外にも既に見られるもので,両部分のみに認められる格別の特徴とはいえず,部分全体の基本構成が共通している点のみでは両部分を類似と判断するまでには至らないものであるから,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
次に,共通点(B)についての,下端部を緩やかな円弧状の波状に形成した切り放し状としている態様は,この種の物品分野においては,ありふれた態様といえるものであり,格別目立つ態様とはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものにすぎない。
また,共通点(C)についての,前身頃と後身頃の切替え線を背面側左右寄りに設けた態様も,他にも見られる格別の特徴とはいえないものであって,いずれも目立つものとはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものにすぎない。
そうして,共通点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
(3-2)差異点
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるものである。
差異点(ア)の正面視の縦横比については,この種のブラジャーの物品分野においては,その縦横比に需要者が注意を払う点であり,着用した場合の使用感も異なるもので,縦長である本願部分の態様は,ゆったりした印象を与えるもので,本願部分より横長である引用部分とは,明らかに需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)の下端部が凹円弧状であるか否かの差異については,下端部が凹円弧状に抉られ,背面視すると後身頃側の中央が前身頃側の中央より深く抉られている本願部分の態様は,変化のある印象を与えるもので,それは他には見られない特徴的な態様であり,前身頃も後身頃も略水平状である引用部分は,変化のない印象を与えるもので,その視覚的印象が明らかに異なるもので,その差異は無視することができず,両部分の類否判断にある程度の影響を与えるものといえる。
また,差異点(ウ)のストラップとの接続部分の態様について,ストラップと同幅で自然に中央のカーブや左右の傾斜部に連続する本願部分の態様は,ストラップと一体である印象を醸し出すもので,ストラップの横幅より幅があり,ストラップとは独立した態様である引用部分の接続部分は,ストラップと切り離された印象を与えるもので,その視覚的印象が異なるもので,その差異は無視することができず,両部分の類否判断にある程度の影響を与えるものといえる。
さらに,差異点(エ)の縫合線の有無について,縫合線のない本願部分の態様は,すっきりした印象を需要者に与えるもので,上下や切替え線が縫合線である引用部分は,複雑な印象を与えるもので,また,その差異は,着用時に需要者が注意を払う部分といえるものであるから,その差異は無視することができず,両部分の類否判断に僅かではあるが影響を与えるものといえる。

(4)小括
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通するものであるが,両部分の形態における差異点が看者に与える意匠的効果が共通点のそれを凌駕し,両部分全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2018-02-05 
出願番号 意願2016-24113(D2016-24113) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 上島 靖範 
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 斉藤 孝恵
正田 毅
登録日 2018-03-02 
登録番号 意匠登録第1600403号(D1600403) 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 野間 悠 
代理人 布施 哲也 
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