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審決分類 審判 査定不服  工業上利用 取り消して登録 M2
管理番号 1338209 
審判番号 不服2017-15640
総通号数 220 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2018-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-20 
確定日 2018-03-13 
意匠に係る物品 排水口用ゴミ受け 
事件の表示 意願2016- 15002「排水口用ゴミ受け」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成28年7月14日の意匠登録出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年2月28日付け :拒絶理由の通知
平成29年4月14日 :意見書及び手続補正書の提出
平成29年7月21日付け :拒絶査定
平成29年10月20日 :審判請求書の提出
平成30年1月30日 :手続補正書の提出

第2 本願意匠

本願意匠は,意匠に係る物品を「排水口用ゴミ受け」とし,その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由

1 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,本願意匠は,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないというもので,具体的には,願書の記載及び願書に添付した図面によっては,この意匠登録出願の意匠に排水機能がなく,排水口用ゴミ受けとしての用を成さないので,意匠が具体的ではないというものである。

2 意見書及び手続補正書
請求人は,意見書と供に手続補正書を提出してパンチング孔を表すための部分拡大図の追加,及び当該部分拡大図の指示線を参考底面図に示す補正を行い,意見書において,出願当初の願書および図面の意匠の説明において,「パンチング孔が参考底面図および参考斜視図に示す赤色部分に設けられる」旨,説明しており,パンチング孔を施した参考平面図等を示してパンチング孔の態様等についても具体的に示されている旨を主張した。

3 拒絶査定
原審の拒絶査定では,パンチング孔の態様が具体的に記載されているのは,パンチング孔を施した参考平面図及びパンチング孔を施した参考斜視図であって,意匠審査基準に,「願書に添付した図面等に参考図として表された図については,一組の図面及びその他必要な図に表されたものと異なる形状,模様又は色彩が表されている場合には,出願の意匠の形態に係る認定において,それら異なる要素そのものは考慮しない。」と記載されているように,参考図にのみ記載されたパンチング孔の具体的態様はこの意匠を構成する要素として認められず,部分拡大図についても参考図を拡大したものであるため、実質的には一組の図面及びその他必要な図と認められないとして,拒絶理由は未だ解消しておらず,この意匠登録出願の意匠は具体的ではないとした。

第4 請求人が主張する本願意匠が登録されるべき理由

請求人は,本願意匠について,出願当初の「意匠の説明」において,「パンチング孔が参考底面図および参考斜視図に示す赤色部分に設けられる」旨記載しており,パンチング孔の態様についても「意匠の説明」において「パンチング孔を施した参考平面図」及び「パンチング孔を施した参考斜視図」示すように「水切りのための細かなパンチング孔が設けられる」旨説明があり,本願におけるパンチング孔に関しては,「意匠の説明」において十分な説明がなされており,「意匠の説明」の記載を一切無視するかのような認定は妥当ではないことを主張した。

第5 手続補正書による願書の記載及び願書に添付した図面の補正

また,請求人は,平成30年1月30日に手続補正書を提出して,願書の【意匠の説明】の記載を「各図の意匠の表面に表された濃淡及び陰影は,いずれも立体表面の形状を表すためのものである。背面図は正面図と対称に表れるため,省略する。『参考底面図』および『参考斜視図』における赤色着色部分は,『参考平面図1』および『参考斜視図1』に示すように,水切りのための細かなパンチング孔が設けられている。『A-A断面図』および『B-B断面図』における黒色着色部分は,断面部分を示す。」に変更し,パンチング孔の記載について,「設けられる」を「設けられている」と訂正し,図面については「パンチング孔を施した参考平面図」及び「パンチング孔を施した参考斜視図」を削除して,図の表記を変更した「参考平面図1」及び「参考斜視図1」として追加する補正を行ったが,いずれも記載の訂正であって,出願当初の意匠の要旨を変更するものではない。

第6 当審の判断

願書の記載及び添付図面の記載から本願意匠について認定した上で,請求人の主張を踏まえ,本願意匠は意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当するか否かについて検討する。

1 本願意匠
本願意匠は,鍔状に張り出した隅丸横長長方形の枠部の内側に凹陥したボール部を形成した「排水口用ゴミ受け」であって,枠部は,平面視して,全幅の約25分の1の細幅平板状の枠が,縦横比を約1対1.5として隅丸横長長方形をなし,右側の短辺中央に斜め上方に内側に突き出した隅丸台形状の摘み部が設けられ,枠部周縁は鍔状に張り出しており,ボール部は,正面視が,スプーンのボール部のような曲線状,側面視が,ドーム状に形成されており,正面図,平面図,底面図,右側面図,左側面図,斜視図,A-A断面図,及びB-B断面図にはパンチ孔が表されておらず,参考底面図及び参考斜視図に赤色に着色を施し,願書の【意匠の説明】において,「『参考底面図』および『参考斜視図』における赤色着色部分は,『参考平面図1』および『参考斜視図1』に示すように,水切りのための細かなパンチング孔が設けられている。」として,ボール部にパンチング孔が設けられている範囲を「参考平面図1」及び「参考斜視図1」に示し,また,参考底面図に付した指示線に基づくC-C’部分拡大図によれば多数のパンチング孔が千鳥格子状に配されており,パンチング孔は全て同形同大の円形である。

2 本願意匠が工業上利用することができる意匠に該当するか否か
本願意匠は,意匠に係る物品を「排水口用ゴミ受け」とし,願書の【意匠の説明】によれば,「『参考底面図』および『参考斜視図』における赤色着色部分は,『参考平面図1』および『参考斜視図1』に示すように,水切りのための細かなパンチング孔が設けられている。」との記載があり,添付図面と併せて総合的に判断すれば,ボール部にパンチング孔を有するものと認められ,パンチング孔の態様については,平成29年4月14日に意見書と供に提出された手続補正書によるC-C’部分拡大図に表されており,本願意匠が具体的でないということはできない。また,この補正は,拒絶理由通知を受けて,出願当初に不明瞭であった点について釈明したものであって本願意匠の要旨を変更するものではない。
また,平成30年1月30日に提出された手続補正書による願書の【意匠の説明】の記載及び図面の補正についても,前述のとおりであって,意匠の要旨を変更するものではなく,記載の訂正と認められるものである。

なお,原審の拒絶査定では,パンチング孔の態様が具体的に記載されているのは,参考図であって,参考図にのみ記載されたパンチング孔の具体的態様はこの意匠を構成する要素として認められず,部分拡大図についても参考図を拡大したものであるため,必要な図と認められないとしたが,本願意匠について,願書の【意匠の説明】の記載を含めて判断した場合,参考図によって意匠が多義的に解釈されるとまでいうことはできず,また,部分拡大図については,意匠を十分表現できないときに加える図面であることから,指示線が参考図に基づくものであることのみをもって,直ちにこれを退ける根拠とすることはできず,特許庁発行の「意匠登録出願の願書及び願書の記載の手引き」に,組合せ断面図の記載例として,参考図に指示線を記入したものが見られることからも,適当ということはできない。そうすると,本願意匠は,C-C’部分拡大図を含めて判断されるべきものであるから,前記のとおり願書の記載及び願書に添付した図面から一の意匠を特定できるものである。

3 小括
よって,本願意匠は,願書の記載及び願書に添付された図面の記載によって,意匠が具体的に表されているものである。

第7 むすび

以上のとおりであるから,本願意匠は,意匠法第3条第1項柱書に規定された工業上利用することができる意匠に該当し,意匠登録を受けることができる意匠に該当し,意匠登録を受けることができるものであるので,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2018-02-28 
出願番号 意願2016-15002(D2016-15002) 
審決分類 D 1 8・ 14- WY (M2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 外山 雅暁 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 温品 博康
渡邉 久美
登録日 2018-03-23 
登録番号 意匠登録第1601958号(D1601958) 
代理人 秋元 正哉 
代理人 秋元 輝雄 
代理人 吉澤 大輔 
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