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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C1
管理番号 1340198 
審判番号 不服2017-16061
総通号数 222 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2018-06-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-10-30 
確定日 2018-04-17 
意匠に係る物品 自動車用フロアマット 
事件の表示 意願2017- 1611「自動車用フロアマット」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,意匠法第4条第2項(意匠の新規性の喪失の例外)の規定の適用を受けようとし,物品の部分について意匠登録を受けようとする,本意匠の出願番号を意願2017-1607号とした,平成29年(2017年)1月31日の関連意匠の意匠登録出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年2月27日付け:新規性の喪失の例外証明書提出書の提出
平成29年5月18日付け:拒絶理由の通知
平成29年8月17日付け:拒絶査定
平成29年10月30日 :審判請求書の提出
平成30年2月27日 :手続補正書(部分意匠の表示の欄の追加)の提出

第2 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり,その意匠は,意匠に係る物品を「自動車用フロアマット」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した写真に現されたとおりとしたものであり,本願意匠において部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を,「各図中,ピンク色で示された部分以外の部分が意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する,というものである。
引用意匠は, 以下のとおりである。
表題 Amazon|D.Iプランニング カー フロアマット 日本製【ノート e-POWER HE12】滑りにくいスパイク形状【DXグレー】|フロアマット|車&バイク
掲載年月日 2016年12月28日
検索日 2017年 5月18日
媒体のタイプ online
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://www.amazon.co.jp/dp/B01MR0BUOD
に掲載された「自動車用フロアマット(左上の5枚一組のマットのうちの右上のマット)」の意匠における本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」という。)
なお,上記掲載年月日は,上記ウェブサイトに記載の「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日」に基づいて認定している。

第4 対比
1 意匠に係る物品
意匠に係る物品は,両意匠共に「自動車用フロアマット」であって,一致する。

2 両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
両部分は,いずれも自動車の運転席の足元に敷設されるマットの部分であるから,用途及び機能が一致し,そして,いずれも当該マット正面の右上にあるヒールパッド部とネームパッド部,下辺角部近傍に2つ設けられた円形取付部,及び下辺の中央の縁に取り付けられたタグ部,を除いた部分であるから,位置,大きさ及び範囲が共通する。

3 両部分の形態
両部分の形態を対比すると,その形態には,以下に示す共通点と相違点が認められる。
(1)両部分の形態の共通点
基本的構成態様において,
(共通点1) 両部分は,部分全体が平板状であり,正面視によると,その全体は,台形状の本体部と,本体部上方の中央部やや左寄りから延設した凸部分から成る点で共通する。
具体的態様において,
(共通点2) 両部分は,凸部分の上辺及び本体部の上下辺につき,いずれも水平な直線状とし,そのうち本体部の上辺は,正面視して,左側を右側よりも位置がやや高く,長さを短くしている点で共通する。
(共通点3) 両部分は,本体部の右辺につき,右辺の全体の輪郭を逆くの字状としている点で共通する。
(共通点4) 両部分は,本体部の左辺につき,やや膨出した上端と台形状に突出した下端を曲線でつないだ3つの膨出部からなり,下方側が左方に張り出している点で共通する。
(共通点5) 両部分は,正面の表面全体の色彩の態様につき,濃い灰色としている点で共通する。
(2)両部分の形態の相違点
基本的構成態様において,
(相違点1) 正面視によると,凸部分を含む全体の縦横比を,本願部分は約1.07倍としているのに対し,引用部分は約1.24倍としている点で,両部分は相違する。
具体的態様において,
(相違点2) 本体部の下辺につき,本願部分は下辺の中央より左の位置を,下辺の約5分の1の長さで幅広逆Uの字状に切り欠いているのに対し,引用部分はそのような切り欠きはない点で,両部分は相違する。
(相違点3) 本体部の右辺につき,本願部分は下側を鉛直としているのに対し,引用部分は左側に傾倒し,右辺の全体が左側に傾倒している点で,両部分は相違する。
(相違点4) 凸部分の態様につき,右辺について,本願部分は鉛直としているのに対し,引用部分は僅かに左側に傾倒しており,また,左辺が両部分共に左側に傾倒した斜線状としているから,凸部分を,本願部分は片側台形状としているのに対し,引用部分は平行四辺形状としている点で,両部分は相違する。
(相違点5) 正面視及び斜視における正面の表面の態様につき,本願部分は縁部を除く表面の全体に起毛が施され,加えて,短い長さの多数の縫い取り縦線からなる五月雨状の模様が正面の表面の全体に現れているのに対し,引用部分にはそのような起毛と模様はみられない点で,両部分は相違する。
(相違点6) 側面視による縁部の態様につき,本願部分は本体部及び凸部分の上面と縁部の間に段差があるのに対し,引用部分は不明である点で,両部分は相違する。

第5 判断
1 意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は一致する。

2 両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能は一致し,位置,大きさ及び範囲は共通する。

3 両部分の形態の共通点及び相違点の評価
(1)両部分の形態の共通点
(共通点1)の部分全体を平板状とし,本体部の上方に凸部分を延設した上で,(共通点2)の本体部及び凸部分の上下の辺を水平な直線状とし,そのうち本体部の左側の上辺の長さを右側より短くし,左側を右側よりも高い所に配置している点は,この物品分野において,運転席の足元に通常ある左側のフットレスト及び右側のアクセルペダル下のヒールストッパーを避けて全体の構成態様としたものであって,この物品分野において両部分のみに見られる格別の特徴といえるものではなく,また,(共通点3)の本体部の右辺の全体の輪郭を逆くの字状としている点は,この物品分野において本願出願前にすでに見受けられる態様であって,そして,(共通点4)の本体部の左辺をやや膨出した上端と台形状に突出した下端を曲線でつないだ3つの膨出部として下方側を左方に張り出させている点は,センターコンソールに合わせた付加的なものであって,その突出の度合いがそれほど大きくなく,両部分の全体の印象を異にするほどのものではなく,(共通点5)の正面の表面全体の色彩の態様を濃い灰色としている点は,この物品分野において表面全体の色彩は需要に応じて適宜選択されるものであるから,この共通点は特に注意を惹くものではなく,これらの共通点が類否判断に及ぼす影響は小さいものといえる。
(2)両部分の形態の相違点
(相違点1)は,部分全体の構成比率に係るものであり,本願部分に対し,引用部分が横長であるといえ,この相違点は,両部分の全体の印象を大きく異にするものであって,類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。これに加えて,本体部の下辺の切り欠きの有無の相違に係る(相違点2)は,視覚的に目につく態様であって,この相違点は両部分の印象をことにするものであって,類否判断に及ぼす影響は大きいものといえる。(相違点3)は,本体部の右辺の全体の傾倒に係るものであり,本願部分に対して引用部分は少なからず傾斜しているところ,本体部の右辺の全体の傾倒の程度は部分全体の基本的構成態様にも影響を及ぼすものであるから,この相違点は,両部分の印象を異にするものであって,類否判断に及ぼす影響は大きいといえる。そして,本体部の上側の凸部分の態様に係る(相違点4)については,凸部分は本体部より小さい部分であるが,凸部分の態様を片側台形状とするか平行四辺形状とするかの相違は,本体部の構成とともに部分全体の構成に係るものであるから,部分全体の印象を一定程度異ならしめるものといえ,類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。正面の表面の態様に係る(相違点5)については,この種物品において表面の態様に様々な選択が行われることが普通であり,本願部分の起毛を施した正面の表面の態様,五月雨状の正面の全体の模様もその選択の一つであって,この相違点が類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまるものである。
なお,側面視による縁部の態様に係る(相違点6)は,本願部分の態様が本願出願前から見受けられる極一般的な態様であるから,引用部分の態様が不明であったとしても,両部分は側面視による縁部の態様の相違は微差に過ぎないものである。

4 両意匠の類否判断
両部分の形態における共通点及び相違点の評価に基づき,意匠全体として総合的に観察した場合,共通点が未だ両部分の類否判断を決定付けるに至らないものであるのに対して,相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,相違点の評価は,共通点の評価を凌駕しているから,両部分は類似しないものである。
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の用途及び機能が一致して,両部分の位置,大きさ及び範囲が共通するが,その形態においては類似しないものであるから,両意匠は類似しない。

第6 むすび
以上のとおり,本願意匠は,引用意匠に類似せず,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2018-04-04 
出願番号 意願2017-1611(D2017-1611) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 長谷川 翔平竹下 寛 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 江塚 尚弘
宮田 莊平
登録日 2018-05-11 
登録番号 意匠登録第1606015号(D1606015) 
代理人 松井 宏記 
代理人 宗助 智左子 
代理人 鈴木 行大 
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