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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 M2 |
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管理番号 | 1344906 |
審判番号 | 不服2018-8970 |
総通号数 | 227 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2018-11-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-06-29 |
確定日 | 2018-10-16 |
意匠に係る物品 | 配線・配管材支持材用ワイヤー |
事件の表示 | 意願2017-15217「配線・配管材支持材用ワイヤー」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとし,意願2017-15216を本意匠とする,平成29年(2017年)7月14日の意匠登録出願であって,同年12月28日付けの拒絶理由の通知に対し,出願人からは何らの応答もなく,指定した期間が経過したので,平成30年4月13日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年6月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 本願意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「配線・配管材支持材用ワイヤー」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。 第3 原審の拒絶の理由 原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。 「この意匠登録出願の意匠に係る配線・配管材支持材用ワイヤーの分野において,ワイヤーの一端を略横長円筒形留め具により輪状にし,その内側に補強部材を配すことは,本願出願前よりごく一般的に行われています。 そうすると,本願出願前に公然知られた下記の意匠1のワイヤー部に,本願出願前に公然知られた下記の意匠2の様に略円筒状留め具を均等に配したに過ぎない本願の意匠は,当業者であれば,容易に創作することができたものです。 意匠1(当審注:当審決においては,別紙第2参照) 特許庁総合情報館が1996年 8月22日に受け入れた Jakob 第17頁所載 ワイヤロープ用係止具の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HD08006056号) 意匠2(当審注:当審決においては,別紙第3参照) 電気通信回線の種類 インターネット 掲載確認日(公知日) 2008年 7月14日 受入日 特許庁意匠課受入2008年 7月18日 掲載者 株式会社ホームメイキング 表題 マーベル Jetラインメジャー 30m NW-6030M | ホームメイキング--建設建築卸値通販 掲載ページのアドレス http://www.homemaking.jp/product_info.php?products_id=35388 に掲載された「メモリ付ワイヤーロープ」の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HJ20016811号)」 第4 当審の判断 以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。 1.本願意匠の形態 本願意匠は,配線・配管材支持材用ワイヤーであって,その一端は,片端シンブル入りの圧縮止め加工したもので,他端を自由端としたワイヤーであって,長手方向の所定間隔毎に,「子桁」を固定するための略円筒状の「留め具」を設けたものである。 当該留め具は,長さ方向で約2:4:3:4:4の割合で,やや太い,細い,やや太い,細い,やや太い,と交互に太さを変えた円筒状のものである。 2.本願意匠の創作の容易性について この種ワイヤーにおいて,端部を自由端とすることはもちろん,端部をシンブル入りの圧縮止め加工することも,本願出願前より公知の形状(意匠1)であるから,これらの形状に基づく創作内容については,当業者が容易に創作することができたものと認められる。 しかし,配線・配管を支持するための子桁を固定させるための肉厚の円筒状の留め具は,本願意匠の出願前に公然知られたものとは認められないものである。 なお,意匠2は,メーター表示リング(以下,「表示リング」という。)の付いた「目盛付ワイヤーロープ」であり,目盛としての機能を果たすために付けられた表示リングは,ずれることのないように固定されているものと推認できるが,本願意匠のように子桁をずれないように固定するほど強固なものではないと考えられる。 そうであるならば,意匠2の表示リングの長さは,数字(6,8,……)が表示可能な長さから決まるものであり,対して,本願意匠の留め具の長さは,子桁をずれないようにするだけの耐久性から,ワイヤーとの接合方法(ロウ付や接着等)に合わせた,接合面積が必要となるため,その条件から長さが決まるものであって,本願意匠の留め具の長さと,意匠2の表示リングの長さでは,設計思想が大きく異なるものである。 また,使用状況を考えると,管路や配線ダクト等に挿入または引出時に引っかかることがないよう,意匠2はできるだけ凹凸のないように,表示リングは薄く形成するものと考えられる。 そうすると,以上の2つのことから,意匠2の表示リングと,本願意匠の留め具とは,使用目的が異なり,そのための耐久性や形状(長さや肉厚等)が異なっていることから,意匠2の表示リングから直ちに本願意匠の留め具の創作に結び付くとは考えられない。 3.結び したがって,本願意匠は,原審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,当審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2018-10-01 |
出願番号 | 意願2017-15217(D2017-15217) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(M2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 外山 雅暁 |
特許庁審判長 |
刈間 宏信 |
特許庁審判官 |
橘 崇生 正田 毅 |
登録日 | 2018-10-26 |
登録番号 | 意匠登録第1618591号(D1618591) |
代理人 | 特許業務法人 Vesta国際特許事務所 |