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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1348778 
審判番号 不服2018-13028
総通号数 231 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-03-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-01 
確定日 2019-02-05 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2017-19667「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成29年(2017年)9月8日の意匠登録出願であって,平成30年1月25日付けの拒絶理由の通知に対し,同年3月9日に意見書が提出されたが,同年6月29日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年10月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

1 意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」である。

2 本願部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願意匠は,包装用容器の部分についての意匠であり,本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,包装用容器の周面における,正面左側(正面から向かって左。以下,同じ。)の,面取り部を持った角部の上端から下端までの部分(以下,周面の角部のうち,面取り部を持った角部の上端から下端までの部分を「面取り角部分」という。)であり,包装用容器の周面における,正面左側の面取り角部分の位置,大きさ及び範囲であって,面取り角部分の用途及び機能を有している。

3 本願部分の形状
本願部分の形状は,面取り角部分に,紡錘形面取り部を隙間無く3つ縦に並べたもので,3つの紡錘形の横幅は等しく,縦幅は上から約2:3:2としたものである。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁普及支援課が2007年11月15日に受け入れた
米国特許商標公報 2007年10月23日07W43号
包装用箱(登録番号US D553496S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH19318154号)であって,「なお,本願意匠と対比の対象となるのは,上記引用意匠のうち,本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分と対応する部分です。」と付記されたものである。

1 意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「包装用箱」である。

2 引用部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
引用意匠中,本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は,包装用箱の周面における面取り角部分であって,その途中には3つの面取り部を設けたもので,面取り角部分の位置,大きさ及び範囲であって,面取り角部分の用途及び機能を有している。

3 引用部分の形状
引用部分の形状は,角部・小形面取り部・角部・大形面取り部・角部・小形面取り部・角部から成り,そして,その面取り部の横幅は上から約2:3:2で,縦幅は約1:2:1としたものである。

第4 対比
1 意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品は「包装用容器」であり,引用意匠に係る物品は「包装用箱」である。

2 両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の対比
本願部分は,包装用容器の周面における,正面左側の面取り角部分であって,正面左側の面取り角部分の位置,大きさ及び範囲であって,面取り角部分の用途及び機能を有しているのに対して,引用部分は,包装用箱の周面における面取り角部分であって,面取り角部分の位置,大きさ及び範囲であって,面取り角部分の用途及び機能を有している。

3 両部分の形状の対比
両部分の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(1)共通点について
ア 面取り角部分において,上下に3つの紡錘形の面取り部を設けている点。
イ その3つの面取り部を上から順に小形・大形・小形としている点。

(2)相違点について
ア 角部の構成につき,本願部分は,上端から下端まで,3つの面取り部が隙間無く並んでいるのに対して,引用部分は,角部・面取り部・角部・面取り部・角部・面取り部・角部と並んでいる点。
イ 面取り部の横幅につき,本願部分は,3つとも等しく一定であるのに対して,引用部分は,上から約2:3:2としている点。
ウ 面取り部の縦幅につき,本願部分は,上から約2:3:2としているのに対して,引用部分は,約1:2:1としている点。

第5 判断
1 意匠に係る物品の類否判断
本願意匠に係る物品は「包装用容器」であって,物を売るときに用いる器であるが,その形状を見ると,角型であるから,商品を販売する際の箱ともいえる。
一方,引用意匠に係る物品は「包装用箱」であるから,商品を販売する際の箱である。
そうすると,両意匠共に,商品を販売するための箱であるから,両意匠は共通する。

2 両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の評価
両部分は共に,包装用容器または包装用箱という共通する物品における,周面における面取り角部分であって,周面における面取り角部分の位置,大きさ及び範囲であって,面取り角部分の用途及び機能を有しているから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通している。

3 両部分における形状の評価
(1)共通点について
共通点アについては,この種物品分野においては,面取り角部分に紡錘形の面取り部を1つ設けるものは数多く見られるが,紡錘形の面取り部を3つも設けているものは数が少なく,僅かな共通感を生じさせている。しかし,数が少なくとも本願の出願前より存在するものなので,両部分の類否判断に与える影響は一定程度にとどまるといえる。
共通点イについては,この種物品分野においては,角部に面取り部を複数設けるものが少なく,複数設けた場合でも,その面取り部は同形同大とするものが大半と認められることから,この共通点によって,共通感を生じさせるが,この共通点は,形状を概括的に捉えたものであって,両部分のみの類否判断においては,与える影響は小さいといえる。

(2)相違点について
相違点アによって,本願部分は,面取り部が隙間無く連続して並び,一つのまとまった形状と認識できるものであるのに対して,引用部分は,面取り部と面取り部の間の角部の存在により,3つの面取り部が鎖状につながっているように見えるため,別異の印象を与え,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点イ及び同ウによって,本願部分は,同幅の面取り部が並んでいることから視覚的に小さな統一感が認識できるものであるのに対して,引用部分は,両相違点の相乗効果で,面取り部の大きさについて,統一感は無く,より小形・大形・小形の印象が強くなるものであるから,別異の印象を与え,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

(3)両部分における形状の類否判断
共通点ア及び同イが相まって,若干の共通感を生み出してはいるが,いまだ両部分の類否判断に与える影響は小さく,両部分の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点は,その具体的な形状の差異によって,共通感が覆され,別異な印象となっているものであり,両部分の類否判断に与える影響は大きく,両部分の類否判断を決するものといえる。
よって,本願部分の形状と引用部分の形状は,部分における全体観察においては類似しないと認められる。

4 両意匠における類否判断
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通しているが,上記のとおり本願部分と引用部分の形状は類似しないものであるから,本願意匠と引用意匠とは類似しない。

第6 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-01-22 
出願番号 意願2017-19667(D2017-19667) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 外山 雅暁 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-03-01 
登録番号 意匠登録第1627325号(D1627325) 
代理人 大塚 明博 
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