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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F3
管理番号 1350699 
審判番号 不服2018-12325
総通号数 233 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-13 
確定日 2019-03-15 
意匠に係る物品 シール自動販売機用写真シールシート 
事件の表示 意願2017- 27915「シール自動販売機用写真シールシート」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年(2017年)12月13日の意匠登録出願であって、平成30年(2018年)3月13日付けの拒絶理由の通知に対し、同年5月11日に意見書が提出されたが、同年6月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「シール自動販売機用写真シールシート」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線であらわした部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。

引用意匠
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1503742号
(意匠に係る物品、シール自動販売機用写真シールシート)の本願意匠に相当する部分の意匠(別紙第2参照)

第4 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は、「シール自動販売機用写真シールシート」であり、引用意匠の意匠に係る物品も、「シール自動販売機用写真シールシート」であるから、本願意匠及び引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、一致するものである。

(2)本願部分と、引用意匠において本願部分と対比する部分の用途及び機能、並びに位置、大きさ及び範囲
本願部分と、引用意匠において本願部分と対比する部分、すなわち本願部分に相当する部分(以下、「引用部分」といい、本願部分と引用部分を「両部分」という。)の用途及び機能については、写真等の印刷されるシール部と台紙部を密着して一枚の写真シールシートとしたものであるから一致し、位置、大きさ及び範囲については、両部分ともに、シール部表面に表された印刷模様(枠線を含む。)を除いた全体形状に係るものであるから一致する。

(3)両部分の形態
両部分の形態については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。
ア.共通点
両部分は、正面視、縦長長方形のシート状とし、正面部の縦横の長さの比率は約5:3で、周側面部の厚さ方向、中間位置に周側面に沿って分割線を1本施している。

イ.相違点
全体について、本願部分は、全体が透明であるのに対し、引用部分は、不透明である。

2.類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。

(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は、一致している。

(2)両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲は一致している。

(3)両部分の形態
以下、両部分の形態について検討する。

ア.共通点の評価
この種物品の分野において、全体を、正面視、縦長長方形のシート状としたものは、従来から普通に見られるありふれた態様といえるものであり、また、両部分の縦横の長さの比率もごく一般的にみられる縦横比率のものであって、両部分のみに共通する態様とはいえないものであることから、これらの共通点が両部分の類否判断に与える影響は小さいといえる。また、周側面部の厚さ方向、中間位置に周側面に沿って分割線を1本施している点についても、シール部と台紙部を貼り合わせた際にできる境界線であって、意匠上ほとんど評価できないものであるから、この共通点が両部分の類否判断に与える影響は小さいものである。

イ.相違点の評価
この種物品の分野において、本願部分のように、シール部と台紙部の双方を透明としたものは、本願の出願前には見られないことと、こうした写真シールシートの主たる需要者は、中高生をはじめとする流行や新奇なものに敏感な世代であるから、本願部分のように写真や背景が透明な台紙ごと透けて見える態様は、需要者の注意を強くひくものといえ、この相違点が両部分の類否判断に与える影響は極めて大きいものである。

3.小括
したがって、両意匠は、意匠に係る物品は一致し、両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲が一致するが、形態においては、共通点が未だ両部分の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して、相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており、意匠全体として見た場合、相違点の印象は、共通点の印象を凌駕し、両部分は、意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから、本願意匠は、引用意匠に類似するということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-03-05 
出願番号 意願2017-27915(D2017-27915) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 下村 圭子富永 亘 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 宮田 莊平
内藤 弘樹
登録日 2019-04-05 
登録番号 意匠登録第1630483号(D1630483) 
代理人 藤本 昇 
代理人 野村 慎一 
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