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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C1
管理番号 1352352 
審判番号 不服2019-169
総通号数 235 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-09 
確定日 2019-05-14 
意匠に係る物品 寝袋 
事件の表示 意願2017- 22035「寝袋」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,2017年4月4日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成29年(2017年)10月4日の意匠登録出願であって,その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。

平成29年12月11日付け 拒絶理由通知書
平成30年 3月 6日 意見書
平成30年 3月 6日 手続補正書
平成30年 3月29日付け 拒絶理由通知書
平成30年 7月 3日 意見書
平成30年10月 3日付け 拒絶査定
平成31年 1月 9日 拒絶査定不服審判の請求

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「寝袋」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における平成30年3月29日付けで通知した拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,具体的には,本願意匠が本願の出願前にインターネットを通じて公衆に利用可能となった意匠に類似し,意匠登録を受けることができない意匠であるとしたものであり,当該拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)は,下記のとおりである。
表題 Putting Baby in SNOO Sack - YouTube
掲載年月日 2016年10月28日
検索日 [2018年3月28日]
媒体のタイプ [online]
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:https://www.youtube.com/watch?v=NvTIOzWxG80
に掲載された動画中に表された「寝袋の背面側の板状部材を除いた寝袋本体」の意匠(別紙第2参照)

なお,拒絶理由通知書に添付された画像は,上記掲載動画の,再生時間19秒,43秒,1分16秒,1分37秒における画像(以下,順次「図1」ないし「図4」と称す。)である。

第4 両意匠の対比
1.意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,共に「寝袋」である。
2.形態
(1)共通点
共通点1:全体を,上端に開口部を設けた縦長の袋状体としたものである。
共通点2:前身頃の幅方向中央に上端から下端寄りにかけてファスナーを設けたものである。
共通点3:上端から少し下がった辺り(肩部)を,左右に弧状に膨らませて幅広としたものである。
共通点4:肩部から漸次横幅をすぼめてウェスト部を形成したものである。
共通点5:前身頃の上端から少し下がった位置まで(開口部から肩部まで)の領域を,メッシュ部としたものである。
共通点6:前身頃の下方(膝部)に横帯状のメッシュ部を設けたものである。
(2)相違点
相違点1:輪郭形状について,本願意匠は,肩部が最大幅であって,肩部からウェスト部に向けてほぼ直線状で漸次細くなり,そこから細めの等幅直線状とし,下端を半円形状としたものであるのに対して,引用意匠は,肩部からウェスト部に向けて凹弧状に細くなり,そこから下方を,円弧状に大きく膨らませて,肩部と同程度の幅広としたものである。
相違点2:上端の開口部について,本願意匠は,正面側が深く湾曲しているものであるのに対して,引用意匠は,正面側の湾曲が浅いものである。
相違点3:メッシュを構成する線状部の交差角度について,本願意匠は,約30度としたものであるのに対して,引用意匠は,明確に認定することができないものである。

第5 類否判断
1.意匠に係る物品について
意匠に係る物品は,両意匠共に「寝袋」であるから,一致する。
2.形態について
(1)共通点の評価
共通点1及び共通点2を満たす形態は,この種物品において普通に見られるものであるから,これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
共通点3は,肩部に係るものであり,本願出願前から見られるものであるから,この共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,限定的である。
共通点4は,形態を概括的に認定したものであって,具体的には相違点1の相違が存在するものであるから,この共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
共通点5及び共通点6について,通気性を得るためにメッシュ素材を用いることは衣料分野において普通に見られるものであって,両意匠のみの特徴とはいえないが,寝袋に通気性を持たせるという同じ目的のために,見た目に共通感を醸し出す同様の素材(メッシュ)を,共通する位置に,共通する形態で設けている点で,両意匠において一定程度の共通感をもたらしているといえるから,これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
(2)相違点の評価
相違点1について,この種物品分野においては,引用意匠のように肩部からウェスト部に向けて凹弧状に細くなり,そこから下方を,円弧状に大きく膨らませ幅広としたもの,あるいは全体的に末広がりとしたものが従来から見られる中にあって,本願意匠のように,肩部からウェスト部に向けてほぼ直線状で漸次細くなり,そこから下まで細めの等幅直線状としたものは本願意匠独自の形態であり,この相違は,本願意匠が肩部より下方をすぼめたY型とするスリムな印象を与えるのに対して,引用意匠はS字状(正面視左辺は逆S字状)のラインで,全体として落花生のさや型とするふくよかな印象を与えるものであり,需要者に大きく異なる印象をもたらすものであるから,相違点1が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,極めて大きい。
相違点2は,正面側の湾曲の深さの相違は全体から見れば僅かな相違といえるから,相違点2が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
相違点3について,視覚的には微細な相違といえるから,全体観察においては相違点3が両意匠の類否判断に及ぶ影響は,小さい。
(3)形態の類否
両意匠について意匠全体として総合的に観察した場合,上述の両意匠の形態における共通点及び相違点の評価に基づけば,相違点は,共通点を凌駕し,両意匠について需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠の形態は類似しないものである。
3.両意匠の類否
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品は一致するが,その形態において類似しないものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。

第6 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-04-24 
出願番号 意願2017-22035(D2017-22035) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 長谷川 翔平神谷 由紀 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-06-14 
登録番号 意匠登録第1635927号(D1635927) 
代理人 牛木 護 
代理人 高橋 知之 
代理人 中村 聡 
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