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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G1 |
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管理番号 | 1354135 |
審判番号 | 不服2018-12452 |
総通号数 | 237 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2019-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2018-09-18 |
確定日 | 2019-06-29 |
意匠に係る物品 | ベルト固定用金具 |
事件の表示 | 意願2017- 17689「ベルト固定用金具」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成29年(2017年)8月17日の意匠登録出願であって, 平成30年2月26日付けの拒絶理由の通知に対し,同年4月25日に意見書が提出されたが,同年5月28日付けで拒絶査定がなされ,これに対して同年9月18日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 本願意匠 本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「ベルト固定用金具」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。 第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもの,具体的には,本願意匠が本願の出願前に頒布された刊行物に記載された意匠に類似し,意匠登録を受けることができない意匠であるとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)は,特許庁発行(平成29年6月29日発行)の登録実用新案公報記載の実用新案登録第3211165号(考案の名称:荷台積載物固定装置)の【図1】(C)に表された「積載物荷台固定装置の着脱式フック」(拒絶理由には「荷台積載物固定装置の着脱式フック」と記載されているが誤記である。)の意匠である(別紙第2参照)。 第4 両意匠の対比及び類否判断 なお,両意匠を対比するために,本願意匠の正面図を右に90度回転させたものを正面図とし,他の図もそれに合わせて,本願意匠を認定する。 1.意匠に係る物品 両意匠の意匠に係る物品は,本願意匠が積載物などを固定する際に用いられる「ベルト固定用金具」であり,引用意匠が「積載物荷台固定装置の着脱式フック」であるから,共通する。 2.形態 本願意匠は,線材を加工して成るものであり,線材の中心を馬蹄形に半円を超える弧状に湾曲させ,その先を漸次幅狭に成るように下に向けて直線状とし,側面視で略J字状となるよう,下端で正面側へ弧状に湾曲させたものであるのに対して,引用意匠は,考案の詳細な説明に円柱部材とする記載が見られることから,線材を加工して成るものと考えられるが,製品概念図として無造作(ラフ)に表したものであるから,上部を弧状に湾曲させ,両端寄りを鈎状に湾曲させたものであることまでは認定できたとしても,湾曲の方向は特定することができず,具体的な形態を認定することができない。 よって,形態については,一方の形態を認定することができないことから,両意匠の形態は類似するものとはいえない。 3.類否 両意匠は,意匠に係る物品は共通するものの,形態は類似しないものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。 第5 むすび 以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2019-05-23 |
出願番号 | 意願2017-17689(D2017-17689) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 加藤 真珠 |
特許庁審判長 |
温品 博康 |
特許庁審判官 |
正田 毅 橘 崇生 |
登録日 | 2019-08-02 |
登録番号 | 意匠登録第1639777号(D1639777) |
代理人 | 丸山 幸雄 |