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審決分類 審判 査定不服  意10条1号類似意匠 取り消して登録 H6
管理番号 1354984 
審判番号 不服2019-3561
総通号数 238 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-14 
確定日 2019-09-03 
意匠に係る物品 車載用自動精算機 
事件の表示 意願2018- 6131「車載用自動精算機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成30年(2018年)3月23日付けの意匠登録出願であって、本意匠を本願と同日に出願され意願2018-6130(意匠登録第1619261号)とする関連意匠の意匠登録出願であり、平成30年9月11日付けの拒絶理由の通知に対し、同年10月24日に意見書が提出されたが、同年12月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成31年3月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠

本願は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「車載用自動精算機」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形態」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、願書記載の本意匠に類似する意匠とは認められないので、意匠法第10条第1項の規定に該当せず、意匠登録を受けることができないというものであって、具体的には以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠(以下、本願意匠)は、願書記載の本意匠(意願2018-6130)に類似する意匠とは認められないので、意匠法第10条第1項の規定に該当せず、意匠登録を受けることができません。」

第4 願書に記載した本意匠

願書に記載した本意匠(以下「本意匠」という。)は、本願の出願日と同日の平成30年(2018年)3月23日の意匠登録出願(意願2018-6130)であって、同年11月9日に意匠登録の設定(意匠登録第1619261号)がなされ、同年12月3日に意匠公報が発行されたものである。その意匠は、意匠に係る物品を「車載用自動精算機」とし、その形態を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。

第5 当審の判断

本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)の対比を行った上で、両意匠について類否判断をし、本願意匠が意匠法第10条第1項の規定に該当するか否かの判断を行う。

1 対比

(1)意匠に係る物品の対比

両意匠の意匠に係る物品は、いずれも「車載用自動精算機」であり、両意匠の意匠に係る物品は、一致する。

(2)両意匠の形態の対比

両意匠の形態を対比すると、その形態には、主として以下の共通点及び相違点が認められる。

ア 形態の共通点
(共通点1)
両意匠は、全体の態様を、奥行きのある略横長直方体状とするものであって、正面側に本体部よりやや幅広に形成された操作用パネル体を配設してなるものであり、全体の構成比率を、縦:横:奥行きを、約1:4:6.25とし、そのうち、操作用パネル体の構成比率を、同約1:4:0.35とする意匠全体の構成比率が共通する。

(共通点2)
両意匠は、正面側に配設された操作用パネル体の正面視において、(a)中央下端から約4/5までの高さを占める位置に、正面視略矩形状、底面視略円弧状の凹嵌部(以下、「凹嵌部」という。)を有している点、(b)当該凹嵌部を上下方向に約2:1で内分する位置には、凹嵌部を横断してなる細幅帯状のカード挿入口を設け、同約1:2で内分する位置には、細幅横長長円状のインジケータ部を設けている点、(c)細幅帯状のカード挿入口の左側には隅丸正方形状のイジェクトボタンと、これと接する下方向には略同幅の凹部によりパネル面に段差が設けられている点で共通する。

イ 形態の相違点
(相違点)
両意匠は、正面側に配設された操作用パネル体において、(a)本意匠には右上方に、請求人が審判請求書において「操作ボタン」と記載する、略矩形状に浅く凹んだ区画を2つ並設しているのに対し、本願意匠には備えていない点及び(b)本意匠は凹嵌部の左傍には、請求人が審判請求書において「スピーカー穴」と記載する、縦長長円形状部を3つ並設しているのに対し、本願意匠には備えていない点で相違する。

2 共通点及び相違点の評価

(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品は、同一である。

(2)形態の共通点及び相違点の評価
ア 形態の共通点
共通点1は、両意匠の全体形状に係る共通点であるため、両意匠の美感の共通性について一定程度の影響は認められるものの、当該構成比率とすることについて、両意匠のみに認められる格別の特徴とはいえず、共通点1が両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度にとどまる。

共通点2における正面側に配設された操作パネル体の各部態様は、操作時には手に触れる部位であって、使用時に注意を引く箇所に形成されてものであって、(a)ないし(c)の各共通点があいまってなる構成の態様が意匠全体の美感に及ぼす影響は大きい。

イ 形態の相違点
相違点における(a)正面側に配設された操作用パネル体右上に配設された右上方に配設された操作ボタンの有無については、ともに操作時には手に触れる部位であって、使用時に注意を引く箇所に形成されているものではあるものの、この種物品分野においては、操作用パネル体に操作ボタンを配設することは、この出願前より公然知られているところであることから、当該箇所のみをもって需要者の注意を引く格別の特徴となるものとはいえず、当該相違点が意匠全体の美感に及ぼす影響は一定程度にとどまる。

また、相違点における(b)凹嵌部左傍に縦長長円形状部を3つ並設した態様の有無については、その部分が意匠全体の中で占める割合も極めて限定的であり、当該相違点が両意匠の美感に及ぼす影響は小さい。なお、当該部分が、請求人主張のとおりスピーカー用穴であったとしても、この種物品分野においては、正面側に配設された操作用パネル体に長円状のスピーカー孔を配設することは、この出願前より公然知られているところであることから、上記判断に及ぼす影響は小さい。

3 両意匠の類否判断

両意匠の形態における共通点及び相違点の評価に基づき、意匠全体として総合的に観察した場合、上記共通点2で記載したとおりの形状がもたらす視覚的印象が、両意匠に共通する美感をもたらしており、上記相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を考慮しても、意匠全体として観察した際には共通する美感を起こさせるものといえる。
したがって、両意匠は、意匠に係る物品が同一で、その形態においても、需要者に共通する美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似する。

4 小括

上記のとおり、本願意匠は本意匠に類似するものであり、本意匠の意匠権について専用実施権が設定されていないから、意匠法第10条第1項の条件規定である同法同条第2項の要件を充足し、かつ、本意匠の意匠権者と本願意匠の出願人とは同一の者であるから、本意匠については出願人の自己の登録意匠であると認められるので、意匠法第10条第1項の要件を充足しているものである。
よって、本願意匠は、意願2018-6130(意匠登録第1619261号)の意匠を本意匠とする関連意匠として意匠登録を受けることができるものである。

第6 結論

以上のとおり、本願意匠は、本意匠に類似し、意匠法第10条第1項の規定に該当するものであるから、原査定の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-08-21 
出願番号 意願2018-6131(D2018-6131) 
審決分類 D 1 8・ 3- WY (H6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 前畑 さおり 
特許庁審判長 内藤 弘樹
特許庁審判官 木村 恭子
佐々木 朝康
登録日 2019-09-13 
登録番号 意匠登録第1643074号(D1643074) 
代理人 倉谷 泰孝 
代理人 松井 重明 
代理人 村上 加奈子 
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