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審決分類 審判 査定不服  意10条1号類似意匠 取り消して登録 F4
管理番号 1356023 
審判番号 不服2019-6605
総通号数 239 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2019-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-21 
確定日 2019-10-07 
意匠に係る物品 包装用中仕切り板 
事件の表示 意願2018-18515「包装用中仕切り板」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,意願2018-18513号(意匠登録第1622585号)の意匠を本意匠とする関連意匠に係る,平成30年(2018年)8月24日の意匠登録出願であって,同年11月30日付けの拒絶理由の通知に対し,平成31年1月10日に意見書が提出されたが,同年2月27日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,令和1年(2019年)5月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「包装用中仕切り板」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界を示すためのみに引いた線である。A部B-B線拡大断面図を含めて部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を特定している。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び本意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,願書に記載した本意匠に類似する意匠と認められないから,意匠法第10条第1項の規定に該当しないとしたものである。
そして,本願の願書に記載した本意匠である意願2018-18513号(意匠登録第1622585号)は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成30年8月24日に意匠登録出願され,その後,平成30年12月21日に意匠権の設定登録がされ,翌年1月21日に意匠公報が発行されたものであって,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用中仕切り板」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界を示すためのみに引いた線である。A部B-B線拡大断面図を含めて部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を特定している。」としたものである(別紙第2参照)。

第4 当審の判断
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願意匠の,意匠に係る物品は「包装用中仕切り板」である。

(2)本願部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,包装用中仕切り板における,切込とその周辺部分であり,横長長方形の仕切り板の右側の,上下方向中央に位置する,左右反転した略コ字状で,高さが全体の約2分の1,横幅が全体の約4分の1の大きさ及び範囲であって,舌片を形成させるための切込としての用途及び機能と,舌片を引き起こすための開口部としての用途及び機能を有している。

(3)本願部分の形状
本願部分は,僅かに末広がりに成る略横長長方形の舌片を形成する切込であって,その形状は,左右反転した略コ字状であって,舌片端部の先に開口部を備えるために,そして,舌片の端部を隅丸とするために,コ字状切込における縦の切込のすぐ右側に上下端を円弧状とした鉛直方向の直線状切込を入れたもので,その結果,舌片の先には極細の略すみ付括弧(【 )状の開口部が現れているものである。

2 本意匠
(1)意匠に係る物品
本意匠の,意匠に係る物品は「包装用中仕切り板」である。

(2)本意匠部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本意匠部分」といい,「本願部分」と併せて「両部分」という。)は,包装用中仕切り板における,切込とその周辺部分であり,横長長方形の仕切り板の右側の,上下方向中央に位置する,左右反転した略コ字状で,高さが全体の約2分の1,横幅が全体の約4分の1の大きさ及び範囲であって,舌片を形成させるための切込としての用途及び機能と,舌片を引き起こすための開口部としての用途及び機能を有している。

(3)本意匠部分の形状
本意匠は,僅かに先すぼまりに成る略横長長方形の舌片を形成する切込であって,その形状は,左右反転した略コ字状であって,舌片端部の先に開口部を備えるために,そして,舌片の端部を隅丸とするために,コ字状切込における縦の切込のすぐ右側に上下端を円弧状とした鉛直方向の直線状切込を入れたもので,その結果,舌片の先には極細の略すみ付括弧(【 )状の開口部が現れているものである。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,いずれも「包装用中仕切り板」である。

(2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の対比
両部分は,いずれも横長長方形の仕切り板の右側の,上下方向中央に位置する,左右反転した略コ字状で,高さが全体の約2分の1,横幅が全体の約4分の1の大きさ及び範囲であって,舌片を形成させるための切込としての用途及び機能と,舌片を引き起こすための開口部としての用途及び機能を有している。

(3)両部分の形状の対比
両部分の形状を対比すると,以下に示す主な共通点及び相違点が認められる。
ア 共通点について
(ア)切込の概略形状につき,略横長長方形の左右反転した略コ字状とした点。
(イ)開口部を備えつつ,舌片の端部を隅丸とするために略コ字状切込における縦の切込のすぐ右側に,上下端を円弧状とした鉛直方向の直線状切込を入れた点。
(ウ)その結果,舌片の先には極細の略すみ付括弧状の開口部が現れている点。

イ 相違点について
切込の概略形状につき,本願部分は,僅かに末広がりに成る舌片を形成する左右反転した略コ字状であるのに対して,本意匠部分は,僅かに先すぼまりに成る舌片を形成する左右反転した略コ字状である点。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の,意匠に係る物品は,いずれも「包装用中仕切り板」であるから,一致している。

(2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の評価
両部分は,いずれも包装用中仕切り板における,切込とその周辺部分であり,横長長方形の仕切り板の右側の,上下方向中央に位置する,左右反転した略コ字状で,高さが全体の約2分の1,横幅が全体の約4分の1の大きさ及び範囲であって,舌片を形成させるための切込としての用途及び機能と,舌片を引き起こすための開口部としての用途及び機能を有しているから,一致している。

(3)両部分における形状の評価
ア 共通点について
共通点(ア)については,包装用中仕切り板において,舌片を形成させるための切込としては,ありがちな形状といえ,両部分の類否判断に与える影響は小さい。
共通点(イ)及び(ウ)については,わざわざ略コ字状切込における縦の切込のすぐ右側に上下端を円弧状とした鉛直方向の直線状切込を入れ,舌片の先に,極細の略すみ付括弧状の開口部が現れるようにしたものは,両意匠の出願前には見当たらない形状であって,使用の際に目に付く箇所の共通点であるから,両部分の類否判断に与える影響はとても大きい。

イ 相違点について,本願部分の広がり方は僅かであり,本意匠部分のすぼまり方も僅かであるから,両意匠において,それほど大きな別異感が生じるわけでもないので,両部分の類否判断に与える影響は小さい。

ウ 両部分における形状の類否判断
以上のとおり,共通点(イ)及び(ウ)によって,両部分の類否判断に与える影響はとても大きく,両意匠の類否判断を決するものといえるのに対して,相違点は,両部分の類否判断に与える影響は小さく,この相違点によっては,両部分の類否判断を決するものといえない。
よって,本願部分の形状と本意匠部分の形状は,部分における全体観察においては類似していると認められる。

(4)両意匠における類否判断
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が一致し,両部分の形状は類似するものであるから,本願意匠と本意匠とは類似する。
また,本願は,その他,意匠法第10条第1項の要件を充足していると認められる。

第5 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第10条第1項に規定する意匠に該当するから,原審の拒絶理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-09-24 
出願番号 意願2018-18515(D2018-18515) 
審決分類 D 1 8・ 3- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-11-01 
登録番号 意匠登録第1646665号(D1646665) 
代理人 並川 鉄也 
代理人 小谷 悦司 
代理人 上田 知恵 
代理人 川瀬 幹夫 
代理人 小谷 昌崇 
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