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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 L4
管理番号 1357725 
審判番号 不服2019-4507
総通号数 241 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-05 
確定日 2019-11-11 
意匠に係る物品 引戸 
事件の表示 意願2018-11664「引戸」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成30年(2018年)5月29日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

平成30年 9月20日付け:拒絶理由の通知
平成30年11月 1日 :意見書の提出
平成30年11月 5日 :面接
平成30年12月27日付け:拒絶査定
平成31年 4月 5日 :審判請求書の提出
令和 1年 7月10日付け:拒絶理由の通知
令和 1年 8月22日 :意見書の提出
令和 1年 9月13日 :電話応対
令和 1年 9月24日 :補正書の提出

第2 本願意匠
本願の意匠は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「引戸」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線であらわされた部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 当審の拒絶の理由
当審における拒絶の理由は,本願の意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。
「本願の意匠(以下「本願意匠」という。)の全体形状は,約1対2の縦長長方形の平板で,本願意匠中,本願意匠に係る物品の部分について意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,枠を伴った丸窓部分です。
本願部分の丸窓は,直径が戸の幅の約6割もある大きな正円形で,戸の左右中央で,戸の下端から僅かに上にあげた位置にあるものです(別紙第1参照)。

しかしながら,
(1)約1対2の縦長長方形の平板状の戸に,枠を伴った,直径が戸の幅の約6割もある大きな正円形の窓を設けたものは,引用意匠1の存在により,戸の分野において,本願の出願前から公然知られた形状といえます。
(2)戸の左右中央で,戸の下端から僅かに上にあげた位置に,枠を伴った,大きな丸窓を設けたものは,引用意匠2の存在により,戸の分野において,本願の出願前から公然知られた形状といえます。

そうすると,戸の左右中央で,戸の下端から僅かに上にあげた位置に,枠を伴った,直径が戸の幅の約6割もある大きな正円形の丸窓を設けただけの本願意匠は,本願の出願前に公然知られた形状に基づいて容易に創作をすることができたものと認められます。

引用意匠1(別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1587224号の意匠

引用意匠2(別紙第3参照)
特許庁総合情報館が平成14年9月2日に受け入れた
THE CONDE NAST PUBLICATIONS,INC
が発行した外国雑誌
VOGUE 9号 192巻
第685頁所載
「建物用戸」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HB14009290号)」

第4 当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

1.本願意匠の認定
(1)本願意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,座っている幼児やまだ立ち歩きができない幼児が反対側の様子を確認することができるよう,全体が平滑な戸の左右中央で,戸の下端から僅かにあげた位置に透明で大きな丸窓を1つだけ配した引戸である。

(2)本願部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,全体が平滑な引戸における丸窓部分であって,座っている幼児やまだ立ち歩きができない幼児が反対側の様子を確認することができるという用途及び機能を有する。
本願部分は,全体が平滑な戸の左右中央で,戸の下端から僅かに上にあげた位置で,その直径が戸の幅の約6割とした大きさ及び範囲である。

(3)本願部分の形状
本願部分の形状は,枠を伴った正円形である。

2.本願意匠の創作の容易性について
(1)出願前に公然知られた形状
引用意匠1により,(a)約1対2の縦長長方形の平板状の戸に,(b)枠を伴った,(c)直径が戸の幅の約6割もある大きな正円形の窓を設けたものは,本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる。
また,引用意匠2により,(d)戸の左右中央で,(e)戸の下端から僅かに上にあげた位置に,(f)枠を伴った,(g)大きな丸窓を設けたものは,本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる。

(2)本願意匠の創作の容易性
ア.まず,本願部分の形状である,枠を伴った正円形であるという点(1(3))は,上記(1)の(b)や(f)により,本願の出願前から公然知られた形状に基づいて容易に創作できた形状と認められる。
イ.そして,上記1の(2)のうち,本願部分の位置,大きさ及び範囲に関しては,一見,上記(1)の(a)ないし(g)により,本願の出願前から公然知られた形状に基づいて容易に創作できた形状と認められる。
ウ.しかし,その一方で,上記1の(2)のうち,引戸における丸窓部分であって,座っている幼児やまだ立ち歩きができない幼児が反対側の様子を確認することができるという用途及び機能を持たせるために,全体が平滑な引戸の,下方に1か所のみ窓を設けるとした点は,本願の出願前から公然知られた形状に基づいて容易に創作できた形状と認めることはできない。

3.本願意匠について
上記2の(2)により,本願意匠は,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとは言えない。

4.結び
したがって,本願意匠は,当審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,当審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2019-10-28 
出願番号 意願2018-11664(D2018-11664) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (L4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 住 康平 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2019-12-13 
登録番号 意匠登録第1649437号(D1649437) 
代理人 森 義明 
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