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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1359619 
審判番号 不服2019-10418
総通号数 243 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-08-07 
確定日 2020-02-04 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2018-15714「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成30年(2018年)7月18日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

平成31年 1月 7日付け :拒絶理由の通知
平成31年 3月 4日 :意見書の提出
平成31年 4月23日付け :拒絶査定
令和 1年(2019年)8月 7日 :審判請求書の提出
令和 1年 8月15日付け :手続補正指令
令和 1年 9月19日 :補正書の提出

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。なお,『参考A-A部分拡大図』において,赤色で着色した部分が意匠登録を受けようとする部分に相当する。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1180379号
(意匠に係る物品,包装用容器)における鍔角部及び辺部の意匠

第4 当審の判断
1 本願意匠
本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると,以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」である。

(2)本願部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,扁平(へんぺい)な略直方体の容器における,周壁の最上端に位置する容器開口部に外向きに設けた水平な鍔部であって,当該鍔部の平面視で鍔部の左辺中央から下辺中央までの範囲の,上面側の周縁部分,端面部及び下面側の周縁部分の位置,大きさ及び範囲であって,周壁の最上端に位置する容器開口部に設けた鍔部の,上面側の周縁部分,端面部及び下面側の周縁部分の用途及び機能,言い換えると,容器の上端開口部を密封するためのフィルム(以下「包装用フィルム」ともいう。)を密着させるという用途及び機能を有している。

(3)本願部分の形状
本願部分の形状は,平面視では,全体が略L字状で,角部は略直角二等辺三角形状であり,角部以外の辺部は細帯形状で,外側の縁に当たる角部の頂角部分は弧状で,内側の縁に当たる角部の底辺と辺部は小さな半径(大きな曲率)の弧状で接続しているところ,その外形状周縁に沿った周縁のごく細い帯形状であり,底面視では,平面視と相対する対称形状で,正面視及び左側面視では,鍔部の厚さ分の高さで,本願部分の範囲分の長さの,極めて扁平な横長長方形(端面部分の形状)である。

2 引用意匠
引用意匠は,上記「第3」の意匠公報の記載の内容によると,以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「包装用容器」である。

(2)引用部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
引用意匠中,本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は,扁平(へんぺい)な略直方体の容器における,周壁の最上端から容器全体の高さの約4分の1下がった所に位置し水平方向外向きに設けた鍔部であって,当該鍔部の平面視で鍔部の左辺中央から下辺中央までの範囲の,上面側の周縁部分,端面部及び下面側の周縁部分の位置,大きさ及び範囲であって,周壁の最上端から容器全体の高さの約4分の1下がった位置に設けた鍔部の,上面側の周縁部分,端面部及び下面側の周縁部分の用途及び機能を有しており,それは,容器の上端開口部を密封するためのフィルム(以下「包装用フィルム」ともいう。)を密着させるという用途及び機能を有していない。

(3)引用部分の形状
引用部分の形状は,平面視では,全体が略L字状で,角部は略直角二等辺三角形状であり,角部以外の辺部は細帯形状で,外側の縁に当たる角部の頂角部分は弧状で,内側の縁に当たる角部の底辺と辺部は小さな半径(大きな曲率)の弧状で接続しているところ,その外形状周縁に沿った周縁のごく細い帯形状であり,底面視では,平面視と相対する対称形状で,正面視及び左側面視では,鍔部の厚さ分の高さで,本願部分の範囲分の長さの,極めて扁平な横長長方形(端面部分の形状)である。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
両意匠共に,意匠に係る物品は「包装用容器」である。

(2)両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能の対比
位置,大きさ及び範囲は,本願部分は,略直方体の容器における,周壁の最上端に位置する容器開口部に外向きに設けた水平な鍔部であって,当該鍔部の平面視で鍔部の左辺中央から下辺中央までの範囲の,上面側縁部分,端面部及び下面側縁部分の位置,大きさ及び範囲であるのに対して,引用意匠部分は,略直方体の容器における,周壁の最上端から容器全体の高さの約4分の1下がった所に位置し水平方向外向きに設けた鍔部であって,当該鍔部の平面視で鍔部の左辺中央から下辺中央までの範囲の,上面側縁部分,端面部及び下面側縁部分の位置,大きさ及び範囲である。
そして,この位置の相違によって,本願部分は,容器の上端開口部において包装用フィルムを密着させるという用途及び機能を有しているのに対して,引用意匠は,包装用フィルムを密着させるという用途及び機能を有していない。

(3)両部分の形状の対比
両部分の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
(ア)平面視において,全体が略L字状で,角部は略直角二等辺三角形状であり,角部以外の辺部は細帯形状で,外側の縁に当たる角部の頂角部分は弧状で,内側の縁に当たる角部の底辺と辺部は弧状で接続しているところ,その外形状に沿った周縁のごく細い帯形状である。
(イ)底面視において,平面視と相対する対称形状である。
(ウ)正面視において,鍔部の厚さ分の高さで,本願部分の範囲分の長さの,極めて扁平な横長長方形(正面側端面部分の形状)である。
(エ)左側面視において,鍔部の厚さ分の高さで,本願部分の範囲分の長さの,極めて扁平な横長長方形(左側面側端面部分の形状)である。

イ.相違点について
内側の縁に当たる角部の底辺と辺部の接続部分の弧状につき,本願部分は,小さな半径であるのに対して,引用部分は,大きな半径である点。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の,意匠に係る物品は,いずれも「包装用容器」であるから,一致している。

(2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲の評価
両部分は共に,平面視で鍔部の左辺中央から下辺中央までの範囲の,上面側縁部分,端面部及び下面側縁部分であるから,大きさ及び範囲は共通している。
しかし,本願部分は,周壁の最上端に位置し,容器の上端開口部を密封するためのフィルムの密着を可能としていることから,その用途及び機能は,包装用フィルムを密着させるものと認められる。
それに対して,引用部分は,周壁の最上端から容器全体の高さの約4分の1下がった所に位置し,この位置では,容器の上端開口部を密封するためのフィルムを密着させることが不可能であることから,その用途及び機能は,本願部分のものとは異なると認められる。
よって,本願部分の位置と,それによる用途及び機能は,引用部分の位置と,それによる用途及び機能とは異なるものである。

(3)両部分における形状の評価
ア.共通点について
共通点(ア)ないし(エ)は,全てが相まって,共通する印象を与え,両部分の形状の類否判断に与える影響は大きい。

イ.相違点について
相違点については,本の僅かな半径の大きさの違いであって,別異の印象を与える程のものではないから,両部分の形状の類否判断に与える影響は小さい。

(4)両意匠における類否判断
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の大きさ及び範囲が共通し,両部分の形状は共通点が類否判断に与える影響が大きいのに対して,相違点のそれが小さいと認められるが,本願部分と引用部分は,位置が異なり,それに伴う用途及び機能が異なるという印象を,視覚を通じて受けるものであるから,需要者に異なる美感を起こさせるものであり,本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。

5 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似するとはいえず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

審決日 2020-01-21 
出願番号 意願2018-15714(D2018-15714) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 成田 陽一 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2020-02-13 
登録番号 意匠登録第1654095号(D1654095) 
代理人 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 
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