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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1360542 
審判番号 不服2019-12072
総通号数 244 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-12 
確定日 2020-03-13 
意匠に係る物品 包装用箱 
事件の表示 意願2018-18013「包装用箱」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成30年(2018年)8月17日の意匠登録出願であって,平成31年1月23日付けの拒絶理由の通知に対し,同年3月20日に意見書が提出されたが,令和1年(2019年)6月7日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年9月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用箱」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分以外の部分に薄赤色を施した。赤色の一点鎖線は,部分意匠として登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを示すものである。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。
「この意匠登録出願に係る包装用箱の分野において,グラデーション模様を各側面の下端に配置することは,例えば意匠1にみられるように本願出願前より普通に行われているありふれた態様です。また,グラデーション模様の色彩を種々に変更することも意匠1,2及び3にみられるように本願出願前より公然知られた手法です。
そうすると,本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は,本願出願前に公然知られたものと認められる意匠3にみられるグラデーション模様を,各側面の下端に配置し色彩を変更したものと認められ,容易に創作することができたものと言わざるをえません。

意匠1
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1600162号の意匠

意匠2
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2017年12月26日
受入日 特許庁意匠課受入2018年 1月26日
掲載者 カルピス株式会社
表題 乳成分が濃いめの「カルピス」にマスカットがとけあう「味わいカルピス」マスカット 9月12日 (火)新発売|ニュースリリース|会社情報|株 式
掲載ページのアドレス http://www.elbee.jp/company/news/img/detail/20170911a_1_l.jpg
に掲載された「包装用容器」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ29053159号)

意匠3
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1340968号の意匠」

第4 当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

1.本願意匠の認定
(1)本願意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,包装用箱である。

(2)本願部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)の位置は,直方体における,前面,後面及び左右の両側面(以下「四周面」という。)の,下辺に沿った帯状部分であり,その部分は物品の高さの約5分の1の大きさ及び範囲であって,包装用箱における,四周面の下辺に沿った帯状部分の用途及び機能を有している。

(3)本願部分の形態
本願部分の形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(形状,模様又は色彩の結合を,以下「形態」という。)は,
ア.本願部分のうち下端の約8分の1幅に,明度を落とさない黄色を施し(請求書でいうところの「ハイライト部」),
イ.そこから上へと急激に黒色に変化するようにメリハリをつけたグラデーションとなっている。

2.本願意匠の創作の容易性について
(1)出願前に公然知られた形状
本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる形態は,以下のとおりである。
ア.意匠1により,直方体の化粧品用箱(Boxes for cosmetics)における四周面の,下辺に沿った約4分の1の縦幅の帯状部分を下から上へと暗調子(青色)から明調子(白色)へ変化するグラデーション。
イ.意匠2より,ゲーブルトップ型の包装用容器における正面の,下辺に沿った約7分の1の縦幅の帯状部分を下から上へと暗調子から明調子(黄緑色から黄色を経て,白色)へ変化するグラデーション。
ウ.意匠3より,直方体の包装用箱における正面の,下辺に沿った約4分の1の縦幅の帯状部分を下から上へと明調子(明灰色)から暗調子(黒色)へ変化するグラデーション。

(2)本願部分の創作の容易性
ア.(ア)上記(1)のアにより,グラデーションを直方体における四周面の,下辺に沿った帯状の位置とした本願部分の位置は,ありふれた位置と認められる。
(イ)上記(1)のア及びイにより,様々な縦幅でグラデーションを施すということは,この種物品分野においては慣用手段であると認められ,直方体における下辺に沿ったグラデーションを施した帯状部分の高さを全体の高さの約5分の1とした本願部分の大きさ及び範囲は,ありふれた大きさ及び範囲と認められる。
(ウ)上記(1)のアないしウより,色相が徐々に変化したり明度が徐々に変化したりすることによって,様々な色から色へと,変化するグラデーションは,この種物品分野においては慣用手段であると認められ,明調子の黄色から黒色に変化するグラデーションとするという本願部分の形態は,容易に創作できた形態といえる。

イ.しかし,本願部分の形態のうち,本願部分の下端の約8分の1幅(物品全体の高さの約40分の1幅)に,明調子の黄色を施し,そこから上へと急激に黒色に変化するようにメリハリをつけたグラデーションとした点は,本願の出願前に公然知られた形態とは認められない。

ウ.まとめ
以上のとおりであって,包装用箱の分野において,上記イの点につき,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものであると認めるに足る証拠はない。

3.本願意匠について
上記2により,本願意匠は,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとはいえない。

4.結び
したがって,本願意匠は,原審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

審決日 2020-03-03 
出願番号 意願2018-18013(D2018-18013) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 宇都宮 啓明尾曲 幸輔玉虫 伸聡 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 橘 崇生
正田 毅
登録日 2020-03-27 
登録番号 意匠登録第1657468号(D1657468) 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 
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