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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 L6
管理番号 1364994 
審判番号 不服2020-2566
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-26 
確定日 2020-08-04 
意匠に係る物品 建物用床 
事件の表示 意願2018-21455「建物用床」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
第1 手続の経緯
本願は,平成30年(2018年)10月1日の意匠登録出願であって,令和1年(2019年)6月17日付けの拒絶理由の通知に対し,同年8月1日に意見書が提出されたが,同年11月19日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,令和2年2月26日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであって,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「建物用床」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「図面上実線にて表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。構成床板1の正面図,同背面図,同左側面図,同右側面図,同平面図及び同底面図,並びに,構成床板2の正面図,同背面図,同平面図,及び同底面図を含めて部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を特定している。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。

「本願の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分と引用意匠の当該部分とは,木目調の模様の有無において差異がありますが,略平行四辺形を交互に多数配置させてヘリンボーン調の模様とする態様が極めて共通しており,意匠全体として比較した場合,互いに類似するものと認められます。
なお,略平行四辺形からなる矢羽根状の無模様の構成部材を組み合わせて建物用の床とすることは,例えば参考意匠1に見られるように当該物品分野において一般的に見受けられることから本願のみに見られる特徴とはいえません。

(当審注:引用意匠(別紙第2参照))
大韓民国意匠商標公報 2017年 9月 6日17-26号
装飾用シート地(登録番号30-0921853)の意匠の本願意匠に相当する部分
(特許庁意匠課公知資料番号第HH29430380号)

参考意匠1(当審注:(別紙第3参照))
大韓民国意匠商標公報 2015年10月19日15-40号
建築フローリング用仕上げ材(登録番号30-0820255)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH27442811号)」

第4 当審の判断
1 本願意匠
本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると,以下のとおりである。
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「建物用床」である。

(2)本願意匠の構成
本願意匠は,実接ぎ(さねつぎ)を可能とした,平面視で横長の,上辺を下辺より左にずらした状態の平行四辺形の構成板(出願人がいうところの「構成床板1」のこと。)と,上辺を下辺より右にずらした状態の平行四辺形の構成板(出願人がいうところの「構成床板2」のこと。)を接いで矢羽根状にしたものを,左右方向に連続して接ぎ,そして,同じく矢羽根状にしたものを,2分の1ずらして上下方向に連続して接ぎ(敷きレンガの施工における「馬踏み貼り」のように。),全体を,平面視で横長長方形の建物用床を構成したものである。

(3)本願部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,平面視において横長長方形の建物用床における,3列目と4列目の中央に位置する矢羽根状部分と,5列目と6列目の中央に位置する左右2つ分の矢羽根状部分から成る,略凸形状の部分であって,全体で10列ある内の3列目から6列目に及ぶ中央略凸形状の範囲で,その大きさは,面積比で全体の約15分の1である。
本願部分の用途と機能は,建物用床の用途と機能の内,建物用床の略中央に位置する略凸形状部分の用途と機能を有している

(4)本願部分の形状
本願部分の形状は,端部側面を実接ぎ加工した,平面視で横長の,上辺を下辺より左にずらした状態の平行四辺形の構成板と,上辺を下辺より右にずらした状態の平行四辺形の構成板を接いで矢羽根状にしたものを,左右に2枚並べて,その上に,2分の1ずらして矢羽根状のものを1つ並べて成る,略凸形状であり,各構成板には,斜辺に平行な溝が等間隔に9つ設けられている。

2 引用意匠
引用意匠は,上記「第3」の公知資料の記載の内容によると,以下のとおりである。
なお,引用意匠の認定に際しては,本願意匠と同じ向きとして認定する。
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「装飾用シート地」である。

(2)引用部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
引用意匠中,本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は,装飾用シート地の,略中央に位置する,3つの矢羽根状部分で略凸形状に成る部分であって,面積比で全体の約15分の1の大きさ及び範囲であり,装飾用シート地の略中央に位置する略凸形状部分の用途と機能を有している。

(3)引用部分の形状
引用部分の形状は,平面視で横長の,上辺を下辺より左にずらした状態の平行四辺形の構成部分と,上辺を下辺より右にずらした状態の平行四辺形の構成部分をつないで矢羽根状にしたものを,左右に2枚並べて,その上に,2分の1ずらして矢羽根状のものを1つ並べて成る,略凸形状であり,各構成部分には,斜辺に平行な線模様が等間隔に9つ設けられている。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品は「建物用床」であり,引用意匠に係る物品は「装飾用シート地」である。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
建物用床は,その使用の目的,使用の状態等の観点から判断して,建築物の内部空間の下面側の構造体を構成するという用途を少なくとも有し,内部空間に配置される家具や居住者等の荷重を支える機能を有する。
これに対し,装飾用シート地は,家具,建物の内壁・外壁,家電製品,かばんなど種々の物品の表面に貼り付けて,装飾を施すために用いるものであり,物品の表面を装飾するという機能を有する。
以上のように,建物用床と装飾用シート地とは,用途及び機能において,明らかに異なり,互いに共通性がなく,本願意匠と引用意匠とは,明らかに,意匠に係る物品が異なるものである。
よって,両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能,そして両部分の形状を検討するまでもなく,本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。

5 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似するとはいえず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2020-07-15 
出願番号 意願2018-21455(D2018-21455) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (L6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 綿貫 浩一 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2020-08-20 
登録番号 意匠登録第1667733号(D1667733) 
代理人 特許業務法人あいち国際特許事務所 
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