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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1366119 
審判番号 不服2020-1139
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-01-28 
確定日 2020-08-04 
意匠に係る物品 包装用袋 
事件の表示 意願2018-17871「包装用袋」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
第1 手続の経緯
本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする,平成30年(2018年)8月16日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。

令和1年(2019年)6月6日付け :拒絶理由の通知
令和1年 6月26日 :面接
令和1年 7月19日 :意見書の提出
令和1年 7月19日 :上申書の提出
令和1年 7月22日 :手続補足書の提出
令和1年10月17日付け :拒絶査定
令和2年 1月28日 :審判請求書の提出
令和2年 1月28日 :手続補足書の提出

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「包装用袋」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様又は色彩の結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとするものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

掲載者: 株式会社バスクリン
表題: バスクリンマルシェ 9月3日新発売
媒体のタイプ: on line
掲載年月日: 平成30年 8月10日
検索日: 令和 1年 6月 6日
情報の情報源: インターネット
情報のアドレス:https://www.bathclin.co.jp/news/2018/0810_5455/
に掲載の包装用袋の意匠

第4 当審の判断
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「包装用袋」である。

(2)本願意匠の形態
ア.本願意匠は,正面視で縦横の長さの比率が約5対4の縦長長方形のものであって,
イ.底面にのみまちを設けたものであり,まちを開いた状態では,側面視で縦長の略二等辺三角形で,底面視で紡錘形状(ぼうすいけいじょう)となる。
正面においては,
ウ.上端中央から下方に向けて,全高の約4分の3,全幅の2分の1強の縦長長方形の白い区画を設け,区画内には,(ウ-1)上から約3分の1の位置にバスタブの模様が,(ウ-2)上から約3分の2の位置にオレンジ色の水平方向の帯模様が,(ウ-3)下端には摘み取って籠に入れたオレンジの模様が描かれていて,
エ.当該区画に一部が重なるように,正面上方左側に等間隔に12の凸部と凹部が交互に連なる円に近似した王冠模様(びんの口がねのような形の模様。以下,同じ。)を付し,
オ.区画及び王冠模様の背景にオレンジの木の列の間に道のある風景を表した模様を配し,
カ.正面右下に白い横長長方形,左下にオレンジ色の横長長円形の模様を施している。
背面においては,
キ.上から約5分の1の範囲に,白い横長長方形の模様,その直下にオレンジ色の水平方向の帯模様を施し,帯模様の右端には,枝に付いた2個のオレンジの模様を重ね,
ク.上から約5分の1から5分の2の範囲に,左側に薄茶色の横長長方形の模様,その右側には,黄色の正円形模様,小豆色の角丸横長長方形の模様,角丸長方形の枠線模様に,緑の葉模様を施し,
ケ.上から約5分の2から5分の4の範囲に,白い横長長方形の模様,
コ.その下の範囲(下から約5分の1の範囲)には,中央やや上と右下に白い横長長方形の模様が施されている。

2 引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「包装用袋」である。

(2)引用意匠の形態
ア.引用意匠は,正面視で縦横の長さの比率が約5対4の縦長長方形のものであって,
正面においては,
イ.上端中央から下方に向けて,全高の約4分の3,全幅の2分の1強の縦長長方形の白い区画を設け,区画内には,(イ-1)上から約3分の1の位置にバスタブの模様が,(イ-2)上から約3分の2の位置にオレンジ色の水平方向の帯模様が,(イ-3)下端には摘み取って籠に入れたオレンジの模様が描かれていて,
ウ.当該区画に一部が重なるように,正面上方左側に等間隔に多数の凸部と凹部が交互に連なる円に近似した王冠模様を付し,
エ.区画及び王冠模様の背景にオレンジの木の列の間に道のある風景を表した模様を配し,
オ.正面右下に白い横長長方形の模様を施している。
カ.背面については,不明である。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品も,引用意匠に係る物品も,共に「包装用袋」である。

(2)両意匠の形態の対比
両意匠の形態を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
(ア)両意匠は共に,正面視で縦横の長さの比率が約5対4の縦長長方形である点。
正面においては,
(イ)上端中央から下方に向けて,全高の約4分の3,全幅の2分の1強の縦長長方形の白い区画を設け,区画内には,(イ-1)上から約3分の1の位置にバスタブの模様が,(イ-2)上から約3分の2の位置にオレンジ色の水平方向の帯模様が,(イ-3)下端には摘み取って籠に入れたオレンジの模様が描かれている点。
(ウ)当該区画に一部が重なるように,正面上方左側に等間隔に多数の凸部と凹部が交互に連なる円に近似した王冠模様を付している点。
(エ)区画及び王冠模様の背景にオレンジの木の列の間に道のある風景を表した模様を配した点。
(オ)正面右下に白い横長長方形の模様を施している点。

イ.相違点について
(ア)底面のまちにつき,本願意匠は,底面にのみまちを設けたものであり,まちを開いた状態で,側面視で縦長の略二等辺三角形で,底面視で紡錘形状となるのに対して,引用意匠は,まちの有無が不明である点。
(イ)正面上方左側に付した王冠模様の凹凸につき,本願意匠は,12としているのに対して,引用意匠は,凹凸の数が不明である点。
(ウ)正面左下のオレンジ色の横長長円形模様につき,本願意匠は,有るのに対して,引用意匠は,有無が不明である点。
(エ)背面の模様につき,本願意匠は,(エ-1)上から約5分の1の範囲に,白い横長長方形の模様,その直下にオレンジ色の水平方向の帯模様を施し,(エ-2)上から約5分の1から5分の2の範囲に,左側に薄茶色の横長長方形の模様,その右側には,黄色の正円形模様,小豆色の角丸横長長方形の模様,角丸長方形の枠線模様に,緑の葉模様を施し,(エ-3)上から約5分の2から5分の4の範囲に,白い横長長方形の模様,(エ-4)その下の範囲(下から約5分の1の範囲)には,中央やや上と右下に白い横長長方形の模様が施されているのに対して,引用意匠は,不明である点。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の,意匠に係る物品は,いずれも「包装用袋」であるから,一致している。

(2)両意匠における形態の評価
ア.共通点について
(ア)共通点(ア)については,基本的構成態様とはいえ,この種物品においてはよくある形状であるから,両意匠のみの特徴といえず,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(イ)共通点(イ)については,顔ともいえる包装用袋の正面における模様であるから共通感を生じさせ,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度認められる。

イ.相違点について
(ア)相違点(ア)については,基本的構成態様の相違といえ,本願意匠の底面にのみまちを設けた形状は,まちが無いものよりも内容量を大きくすることができ,なおかつ,安定して自立可能な形状となっているのに対して,引用意匠は,底面のみならず側面においてもまちが設けてあるものなのか,全くまちが無いものなのか不明であり,この相違点については,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
(イ)相違点(イ)については,正面とはいえ,部分的な箇所の相違であって,共通点(イ)に内包される相違であり,共通点(イ)を覆すほどのものとはいえないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(ウ)相違点(ウ)については,正面とはいえ,左下という見えにくい部分におけるごく小さな相違であって,共通点(イ)に内包される相違であり,共通点(イ)を覆すほどのものとはいえないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
(エ)相違点(エ)については,本願意匠には具体的な模様が付されているのに対して,引用意匠は不明である相違は,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度認められる。

(3)両意匠における形態の類否判断
以上のとおり,正面における模様によって,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度認められるが,包装用袋の基本的構成態様といえる底面におけるまちの有無という相違点を覆すほどのものではない。
そして,相違点(ア)及び(エ)によっては,需要者に別異の印象を起こさせるものと認められ,両意匠の類否判断を決するものといえるから,本願意匠の形態と引用意匠の形態は,類似するとは認められない。

(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品が一致するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形態は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。

5 結び
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2020-07-15 
出願番号 意願2018-17871(D2018-17871) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2020-09-11 
登録番号 意匠登録第1669225号(D1669225) 
代理人 工藤 貴宏 
代理人 三井 直人 
代理人 鈴木 一永 
代理人 涌井 謙一 
代理人 山本 典弘 
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