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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M1
管理番号 1368183 
審判番号 不服2020-8524
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-06-19 
確定日 2020-11-10 
意匠に係る物品 化粧シート 
事件の表示 意願2019-1543「化粧シート」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
第1 手続の経緯
本願は,平成31年(2019年)1月29日の意匠登録出願であって,令和1年(2019年)10月16日付けの拒絶理由の通知に対し,同年11月28日に意見書が提出されたが,令和2年3月27日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年6月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面(図面代用写真)によれば,意匠に係る物品を「化粧シート」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様又は色彩の結合」を「形態」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に現されたとおりとしたものであり,「本願意匠は表面図において上下左右に連続する。裏面は白色かつ無模様であるので裏面図を省略する。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁普及支援課が2007年 9月20日に受け入れた
大韓民国意匠商標公報 2007年 6月28日07-20号
室内装飾用フィルム(登録番号30-0454009)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH19417709号)

第4 当審の判断
1 本願意匠
本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面代用写真の内容によると,以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「化粧シート」である。

(2)本願意匠の形態
ア.全体は,表面図に現れている形態が,上下左右に連続するものである。
イ.表面は,最大で深さ0.1ミリメートルの凹部がまだらに形成してある。
ウ.表面の模様と色彩は,全体がおおむね暗い紫色で,所々暗くて薄い緑色と,暗くて薄い黄土色で,塗り分けてあり,全体に縦筋が現れており,右端約3分の1の範囲にゆがんだ縦長長円形状の模様が現れている。
エ.色による模様は,どれも輪郭がにじんだようになっている。
オ.ウ.とエ.によって,油膜のような模様を作り出している。

2 引用意匠
引用意匠は,上記「第3」の特許庁意匠課公知資料の内容によると,以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「室内装飾用フィルム」である。

(2)引用意匠の形態
ア.全体は,現れている形態が,上下左右に繰り返し連続するものである。
イ.表面の模様と色彩は,全体が濃い茶色で,やや暗い茶色とやや明るい茶色によって,縦筋の木目模様が現れている。
ウ.木目模様は,はっきりとしている。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品は「化粧シート」であり,引用意匠に係る物品は「室内装飾用フィルム」である。

(2)両意匠の形態の対比
両意匠の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
(ア)全体は,現れている形態が上下左右に繰り返し連続するものである。
(イ)表面の色彩は,全体が暗い又は濃い紫から茶色系の色彩である。
(ウ)全体に縦筋が現れている。
イ.相違点について
(ア)表面の凹部につき,本願意匠は,最大で深さ0.1ミリメートルの凹部がまだらに形成してあるのに対して,引用意匠は,不明である。
(イ)表面の模様と色彩につき,本願意匠は,全体がおおむね暗い紫色で,所々暗くて薄い緑色と,暗くて薄い黄土色で,塗り分けてあり,全体に縦筋が現れており,右端約3分の1の範囲にゆがんだ縦長長円形状の模様が現れており,なおかつ,模様は,どれも輪郭がにじんだようになっていることから,油膜のような模様を作り出しているのに対して,引用意匠は,全体が濃い茶色で,やや暗い茶色とやや明るい茶色によって,縦筋の木目模様が現れており,その木目模様は,はっきりとしている。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠の意匠に係る物品は「化粧シート」であり,建物の床や壁を化粧するためのシートである。
引用意匠の意匠に係る物品は「室内装飾用フィルム」であり,室内を装飾するためのフィルムである。
そうすると,本願意匠も引用意匠も,共に建築物の床,壁又は室内を美しく見えるように装い飾るための薄いものであるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

(2)両意匠における形態の評価
ア.共通点について
共通点(ア)及び(ウ)は,この種物品分野においては,ごくありふれた形態と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
共通点(イ)は,両意匠の全体形状に関わる色彩であるから,第一印象では一定の共通感を生じさせるが,これをもって両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
イ.相違点について
相違点(ア)は,ごく僅かな0.1ミリメートル以下の凹部であるから,正面視においては,視覚を通じて異なった美感が生じるとはいえないから,両意匠の類否判断に与える影響はとても小さい。
相違点(イ)は,両意匠それぞれの具体的な模様及び色彩の相違であって,きれいな木目模様を想起させるものと,油膜のような模様を想起させるものとでは,全く異なる印象を生じさせるものといえ,両意匠の類否判断に与える影響は,極めて大きいというべきである。

(3)両意匠における形状の類否判断
以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響は,小さいものであり,これらの共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点(イ)によって,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると,本願意匠の形態と引用意匠の形態は,類似するとは認められない。

(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形態は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。

5 結び
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2020-10-20 
出願番号 意願2019-1543(D2019-1543) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 綿貫 浩一 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2020-11-12 
登録番号 意匠登録第1673786号(D1673786) 
代理人 宗助 智左子 
代理人 松井 宏記 
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