• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1368187 
審判番号 不服2020-10004
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-17 
確定日 2020-11-27 
意匠に係る物品 包装用袋 
事件の表示 意願2019-8242「包装用袋」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成31年(2019年)4月15日の意匠登録出願であって,令和1年(2019年)11月19日付けの拒絶理由の通知に対し,同年12月24日に意見書が提出されたが,令和2年4月16日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年7月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであって,願書及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「包装用袋」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で,それ以外の部分を破線で表している。一点鎖線は,部分意匠として登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを表すものである。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁特許情報課が2002年12月19日に受け入れた
2002年11月26日発行の米国特許商標公報
(DVD-ROM番号:USP2002W48)に記載された
意匠特許 第 US D466,004S号の
包装用袋の意匠の上から2組目の切込みを含む包装用袋の中ごろの部分
(特許庁意匠課公知資料番号第HH14688354号)

第4 当審の判断
1 本願意匠
本願意匠は,上記「第2」の願書の記載及び願書に添付した図面の記載の内容によると,以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「包装用袋」(以下,単に「袋」という場合もある。)である。

(2)本願部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
本願意匠に係る物品のうち,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)は,包装用袋の上下中程の約10分の3の範囲を占める部分である。
本願部分の用途及び機能は,包装用袋の上下中程の約10分の3の部分というものであって,その範囲内に存する,左右両端の切り口という用途及び機能も有する。

(3)本願部分の形状
ア 本願部分全体は,約10対3の横長長方形である。
イ 左右端には,袋の約100分の5の幅の,縦帯状のシール部がある。
ウ 左右端には,本願部分の上端から約7分の1下がった位置に,切り口が設けてある。
エ 切り口は,横向き(内側向き)略正三角形である。
オ シール部の幅に対する切り口の深さは,約10分の3である。
カ 切り口の詳細な形状は,コーナー部にアールを付けて丸みを帯びた形状とし,先端部(三角形の頂角部分)を,角丸形状としている。

2 引用意匠
引用意匠は,上記「第3」の特許庁意匠課公知資料の記載の内容によると,以下のとおりである。

(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「包装用袋」(以下,単に「袋」という場合もある。)である。

(2)引用部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能
引用意匠中,本願部分に相当する部分(以下「引用部分」といい,本願部分と併せて「両部分」ともいう。)は,上から2組目の切込みを含む包装用袋の中ごろの約10分の3の範囲を占める部分である。
引用部分の用途と機能は,包装用袋の上下中程の約10分の3の部分というものであって,その範囲内に存する,左右両端の切り口という用途及び機能も有する。

(3)引用部分の形状
ア 引用部分全体は,約2対1の横長長方形である。
イ 左右端には,袋の約100分の7の幅の,縦帯状のシール部がある。
ウ 左右端には,本願部分の上端から約7分の1下がった位置に,切り口が設けてある。
エ 切り口は,横向き(内側向き)略正三角形である。
オ シール部の幅に対する切り口の深さは,約10分の4である。
カ 切り口の詳細な形状は,コーナー部にアールを付けず,角張った形状とし,先端部(三角形の頂角部分)を,とがらせている。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品も,引用意匠に係る物品も,共に「包装用袋」である。

(2)両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能の対比
本願部分も引用部分も共に,包装用袋の上下中程の約10分の3の範囲を占める部分である。
本願部分の用途と機能も,引用部分の用途と機能も共に,包装用袋の上下中程の約10分の3の部分というものであって,その範囲内に存する,左右両端の切り口という用途及び機能も有する。

(3)両部分の形状の対比
両部分の形状を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア 共通点について
(ア)両部分共に,全体は横長長方形である。
(イ)左右端には,縦帯状のシール部がある。
(ウ)左右端には,部分の上端から約7分の1下がった位置に,切り口が設けてある。
(エ)切り口は,横向き略正三角形である。

イ 相違点について
(ア)部分全体の横の長さと縦の長さの比率につき,本願部分は,約10対3であるのに対して,引用部分は,約2対1である。
(イ)袋全体の幅に対するシール部の幅につき,本願部分は,約100分の5の幅であるのに対して,引用部分は,約100分の7の幅である。
(ウ)シール部の幅に対する切り口の深さにつき,本願部分は,約10分の3であるのに対して,引用部分は,約10分の4である。
(エ)切り口の詳細な形状につき,本願部分は,アールを付けて丸みを帯びた形状としているのに対して,引用部分は,アールを付けず,角張った形状としている。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
両意匠の,意匠に係る物品は,いずれも「包装用袋」であるから,一致している。

(2)両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能の評価
両部分の位置,大きさ及び範囲は,いずれも包装用袋の上下中程の約10分の3の範囲を占める部分であるから,一致している。
両部分の用途及び機能は,いずれも包装用袋の上下中程の約10分の3の範囲を占める部分というものであって,その範囲内に存する,左右両端の切り口という用途及び機能も有するものであるから,一致している。

(3)両部分における形状の評価
ア 共通点について
共通点(ア)及び(ウ)については,出願人が任意に選択した物品の部分,及びそれに相当する部分として引用した結果生じた共通点であるから,両部分の形状の類否判断に与える影響は小さい。
共通点(イ)及び(エ)については,一定程度の共通感を生じさせるが,この種物品分野においては,ありふれた形状であるから,両部分の形状の類否判断に与える影響は小さい。

イ 相違点について
相違点(ア)は,引用部分の位置,大きさ及び範囲を,本願部分に合わせた場合の,部分全体の横の長さと縦の長さの比率であるが,この種物品においては,内容量と袋全体の縦横比率は,それぞれの条件に合わせるものであって,その結果,多種多様なものが存在するものであるから,両部分の形状の類否判断に与える影響は小さい。
相違点(イ)及び(ウ)は,この種物品においては,袋全体の縦横比率とシール部の幅,及びシール部の幅に対する切り口の深さは,それぞれの条件に合わせるものであって,その結果,多種多様なものが存在するものであるから,両部分の形状の類否判断に与える影響は小さい。
相違点(エ)は,切り口の詳細な形状であるが,本願部分のように正三角形に丸みを付した形状としたものは,本願の出願前の公知の意匠に見当たらず,本願意匠独自の形状といえるから,両部分の形状の類否判断に与える影響は大きい。

(4)小括
そうすると,両部分の形状については,その共通点及び相違点の評価に基づくと,上記のとおり,共通点は,類否判断に及ぼす影響は小さいものであるのに対して,相違点(エ)によって類否判断に及ぼす影響は大きいものといえるものであり,両部分の形状は,類似するとは認められないものである。

(5)両意匠における類否判断
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能が一致している。
しかし,両部分の形状については,その共通点及び相違点の評価に基づくと,上記のとおり,共通点は,類否判断に及ぼす影響は小さいものであるのに対して,相違点は,両部分の類否判断に及ぼす影響は大きいものであり,両部分の形状は,類似するとは認められないものである。
よって,本願意匠と引用意匠とは類似するとはいえない。

5 結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似するとはいえず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

別掲

審決日 2020-11-11 
出願番号 意願2019-8242(D2019-8242) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 正田 毅
橘 崇生
登録日 2020-12-09 
登録番号 意匠登録第1675769号(D1675769) 
代理人 恩田 博宣 
代理人 恩田 誠 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ