• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M1
管理番号 1370928 
審判番号 不服2020-12467
総通号数 255 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2021-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-09-07 
確定日 2021-02-16 
意匠に係る物品 化粧シート 
事件の表示 意願2019-1539「化粧シート」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
第1 手続の経緯
本願は,平成31年(2019年)1月29日の意匠登録出願であって,令和1年(2019年)10月16日付けの拒絶理由の通知に対し,同年11月28日に意見書が提出され,令和2年4月1日に電話応対がされ,同年4月21日に再度,意見書が提出されたが,同年6月8日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年9月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面(図面代用写真)によれば,意匠に係る物品を「化粧シート」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状,模様又は色彩の結合」を「形態」ともいう。)を願書の記載及び願書に添付した図面代用写真に現されたとおりとしたものであり,「本願意匠は表面図において上下左右に連続する。裏面は白色かつ無模様であるので裏面図を省略する。」としたものである(別紙第1参照)。

第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」ともいう。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。

引用意匠
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第0994496号
(意匠に係る物品,模様紙地)の意匠

第4 当審の判断
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「化粧シート」である。

(2)本願意匠の形態
ア.本願意匠は,表面図及び裏面図をもって一組として出願されているものであるから(ただし,願書の【意匠の説明】の欄において,「裏面は白色かつ無模様である」と記載して裏面図は省略している。),平面的なものである。
イ.全体は,表面図に現れている形態が,上下左右に連続するものである。
ウ.表面は,最大で深さ0.1ミリメートルの凹部がまだらに形成してある。
エ.表面図においては,表面の模様と色彩は,全体が不規則な点描模様であり,上辺右端から左辺上側約3分の1まで左に向かうにつれて,徐々に縦幅が広がる範囲に薄い赤色の斑点が群れを成し,左辺中央から下辺左側約3分の1まで下に向かうにつれて,徐々に横幅が広がる範囲に薄い赤色の斑点が群れを成すものであって,その赤色の斑点による群れに沿って略帯状の範囲に薄緑色の斑点が群れを成し,その余の範囲(表面図において右下の範囲)を淡い灰色系の色とした模様である。
オ.裏面は,白色かつ無模様である。

2 引用意匠
(1)意匠に係る物品
引用意匠の意匠に係る物品は「模様紙地」である。

(2)引用意匠の形態
ア.引用意匠は,平面的な薄い紙である。
イ.全体は,長方形の図面代用見本で現されている形態が,上下左右に連続するものである。
ウ.表面の模様と色彩は,全体が満遍なく,薄い紫色の下地に薄いピンク色の漆喰を不規則に塗ったような模様の上に,銀砂子状の模様を付した模様である。
エ.裏面は,白色かつ無模様である。

3 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品の対比
本願意匠に係る物品は「化粧シート」であり,引用意匠に係る物品は「模様紙地」である。

(2)両意匠の形態の対比
両意匠の形態を対比すると,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
ア.共通点について
(ア)平面的なものであって,上下左右に連続するものである
(イ)表面の模様と色彩につき,不規則な模様としている。
(ウ)裏面は,白色かつ無模様である。
イ.相違点について
(ア)表面の凹部につき,本願意匠は,最大で深さ0.1ミリメートルの凹部がまだらに形成してあるのに対して,引用意匠は,凹部がない。
(イ)表面全体の模様と色彩につき,本願意匠は,全体が点描模様であり,上辺右端から左辺上側約3分の1まで左に向かうにつれて,徐々に縦幅が広がる範囲に薄い赤色の斑点が群れを成し,左辺中央から下辺左側約3分の1まで下に向かうにつれて,徐々に横幅が広がる範囲に薄い赤色の斑点が群れを成すものであって,その赤色の斑点による群れに沿って略帯状の範囲に薄緑色の斑点が群れを成し,その余の範囲を淡い灰色系の色とした模様であるのに対して,引用意匠は,全体が満遍なく,薄い紫色の下地に薄いピンク色の漆喰を塗ったような模様の上に,銀砂子状の模様を付した模様である。

4 判断
(1)意匠に係る物品の類否判断
本願意匠の意匠に係る物品は「化粧シート」であって,建物の床や壁を化粧するためのシートである。
対して,引用意匠の意匠に係る物品は「模様紙地」は,仕上げ用の模様紙地である。
そうすると,共に装飾するための模様が施されているシート状のものと認められるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

(2)両意匠における形態の評価
ア.共通点について
共通点(ア)ないし(ウ)は,大ざっぱな認定による共通点又は概念的な共通点と認められ,両意匠のみの特徴とは認められないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
イ.相違点について
相違点(ア)は,ごく僅かな0.1ミリメートル以下の凹部であるから,正面視においては,視覚を通じて異なった美感が生じるとはいえないから,両意匠の類否判断に与える影響は小さい。
相違点(イ)は,表面の形態に異なる印象を生じさせているものであるから,両意匠の類否判断に与える影響は,極めて大きいというべきである。

(3)両意匠における形態の類否判断
以上のとおり,共通点は,両意匠の類否判断に与える影響が,小さいものであり,この共通点によっては,両意匠の類否判断を決するものといえないのに対して,相違点(イ)によって,需要者に別異の印象を起こさせるものであるから,両意匠の類否判断を決するものといえる。
そうすると,本願意匠の形態と引用意匠の形態は,類似するとは認められない。

(4)両意匠における類否判断
よって,両意匠は,意匠に係る物品が共通するが,上記のとおり本願意匠と引用意匠の形状は類似するものではないから,本願意匠と引用意匠は類似するとはいえない。

5 結び
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2021-01-27 
出願番号 意願2019-1539(D2019-1539) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 綿貫 浩一 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 橘 崇生
正田 毅
登録日 2021-02-19 
登録番号 意匠登録第1680756号(D1680756) 
代理人 宗助 智左子 
代理人 松井 宏記 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ