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審決分類 審判 査定不服  意9条先願 取り消して登録 G1
管理番号 1002418 
審判番号 審判1998-15251
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2000-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-09-24 
確定日 1999-06-16 
意匠に係る物品 運搬用容器 
事件の表示 平成7年 意匠登録願 第19114号「運搬用容器」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録をすべきものとする。
理由 本願は、平成7年7月3日の出願であって、その意匠は、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「運搬用容器」とし、その形態は別紙第一に示すとおりとしたものである。
これに対して、原審において拒絶の理由として引用した意匠は、平成7年6月14日の意匠登録出願であって、その後設定の登録がなされた意匠登録第993647号の意匠に係り、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「運搬用容器」とし、その形態は、別紙第二に示すとおりとしたものである。
そこで、本願の意匠と引用の意匠とを比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、その形態においては、以下に示す共通点及び差異点が認められる。
すなわち、両意匠は、全体を略横長直方体状の箱体を本体とし、上部に長手方向に観音開き状に二分割される半割蓋体を設けてなり、短手方向の側壁板をあおり板とし、あおり板の外面中央に矩形状の大きく浅い凹面を表し、その左右には縦方向にやや広幅の浅溝を配し、長手方向の側壁板は上下に二分割し、中央部でヒンジ結合し、折り畳み可能な一対の半割側壁板とし、半割側壁板の外面には、周縁に余地部を残して内方を浅い凹面に表したという全体の基本的構成態様が共通し、蓋体上面の綴じ合わせ部分の中央を略台形状の凹凸状に形成し、互いに組み合わせる態様とした点、蓋体の周縁に細い枠状体(以下、「細枠」という)を突設し、表面には長手方向に複数の細溝でなる縞模様を配した点の各部の具体的構成態様においても共通している。
他方、両意匠の間には、まず、▲1▼蓋体について、本願の意匠は、細枠内を周縁に帯状の余地部を残し細枠よりも低い横長長方形状の凸面を形成しているのに対し、引用の意匠は、凸面を形成していない点、また、▲2▼本願の意匠は、蓋体の綴じ合わせ部分を凸面と同じ高さに形成しているのに対し、引用の意匠は、細枠内全体が略面一である点、また、▲3▼引用の意匠は、綴じ合わせ部分の長手方向に2本の細溝を設け、中央の略台形状の凹凸部分が左右の端部寄りの凹凸部分より僅かに大きいのに対し、本願の意匠は、綴じ合わせ部分に細溝を設けず、中央の略台形状の凹凸部分の方が僅かに小さい点、また、▲4▼縞模様について、本願の意匠は、凸面の綴じ合わせ部分寄りに5本の細溝で表しているのに対し、引用の意匠は、綴じ合わせ部分を除いた略全体に表している点、次に、▲5▼あおり板について、本願の意匠は、左右の溝がやや下方寄りで、上下端を弧状に形成しているのに対し、引用の意匠は、やや上方寄りで、上端部を水平に下端を弧状に形成している点、次に、▲6▼半割側壁板の凹面の形状について、本願の意匠は、上下とも隅丸横長長方形状に形成し、この凹面の中央には、長手方向に周縁よりも低い帯状の凸面を設けているのに対し、引用の意匠は、上方の凹面内の左右の上角部分を隅丸に下角部分は直角とし、下方は、左右の上角部分を直角に下角部分を隅丸とした点、また、▲7▼凹面の周縁について、本願の意匠は、上下が細幅で左右がやや広幅の縁取り風に形成しているのに対し、引用の意匠は、左右のみの縁をやや幅広に形成している点、さらに、▲8▼底面について、本願の意匠は、格子模様を比較的密に設けているのに対し、引用の意匠は、比較的粗く形成し、さらにその内側に極細の溝模様を表した点の各部の具体的構成態様において差異が認められる。
そこで、前記の共通点及び差異点を総合し、両意匠を全体として考察すると、前記した観音開き状に二分割される半割蓋体を設けてなり、短手方向の側壁板をあおり板とし、あおり板の外面中央に矩形状の大きく浅い凹面を表し、その左右には縦方向にやや広幅の浅溝を配し、長手方向の側壁板は上下に二分割し、中央部でヒンジ結合し、折り畳み可能な一対の半割側壁板とし、半割側壁板の外面には、周縁に余地部を残して内方を浅い凹面に表したという全体の基本的構成態様における共通点は、引用の意匠の出願前から、例えば、意匠登録第714575号の意匠及び同第876933号の意匠のように、既に普通に知られている態様であって、これらの点が両意匠のみにみられる格別の特徴ということはできず、類否判断を左右する程に大きな影響を及ぼすものということはできない。
してみると、この種の態様をなす、運搬用容器の意匠にあっては、その類否判断を左右する要素といえるのは、各部の具体的構成態様の差異点に表出される特徴点の軽重で判断されるものといわねばならない。
すなわち、差異点のうち、本願の意匠に認められる、▲1▼の細枠内の横長長方形状の低い凸面、▲2▼及び▲3▼の綴じ合わせ部分の構成、▲4▼の凸面に5本の細溝を表している点は、当該運搬用容器の上面という最も目立つ部分に係る差異である上に、これらのような態様は、他に例のない本願の意匠の独自の特徴ということができる。また、▲5▼のあおり板の溝模様の差異、及び▲6▼、▲7▼の半割側壁板の凹面の形状、凹面中央の低い凸面の有無、周縁の差異についても、箱体の外周側面という比較的目につく部分での差異であって、本願の意匠独自の特徴を表出しているところと認められ、両意匠の類否判断に影響を与えるものということができる。
そうして、これらの点を参酌し両意匠を全体として考察すると、両意匠における前記▲1▼乃至▲7▼及び▲8▼の底面の僅かな差異も含めた差異点が互いに相俟って、形態全体の印象に影響を及ぼし、前記した共通点を凌駕して、両意匠に別異の効果を奏しているものといわざるを得ない。
以上のとおりであって、本願の意匠は、引用の意匠と意匠に係る物品が一致し、その形態において、全体の基本的構成様態においては共通するものの、各部の具体的構成態様の差異点が相俟づて醸し出す印象に別異の感が認められるので、両意匠は互いに類似しないものであるといわざるを得ない。
したがって、本願の意匠の登録を拒絶した原査定は、当を得ないものであって、その査定は、取消しを免れない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別紙第一

別紙第二

審決日 1999-06-01 
出願番号 意願平7-19114 
審決分類 D 1 8・ 4- WY (G1)
最終処分 成立  
前審関与審査官 早川治子 
特許庁審判長 瀬尾 和子
特許庁審判官 斉藤 孝恵
松原 至
登録日 1999-07-16 
登録番号 意匠登録第1052456号(D1052456) 

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