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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 L3
管理番号 1047110 
審判番号 不服2000-12255
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2001-11-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-08-07 
確定日 2001-10-22 
意匠に係る物品 積雪地用フエンス 
事件の表示 平成11年意匠登録願第 17992号「積雪地用フエンス」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願の意匠
本願の意匠は、平成11年意匠登録願第17991号を本意匠とする平成11年7月7日の意匠登録出願に係り、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「積雪地用フエンス」とし、その形態を図面中実線で表した部分である。(別紙第1参照)
すなわち、忍び返し付き積雪地用フェンスの下部及び上部忍び返し本体部を破線で表し、意匠登録を受けようとする部分を実線で表した部分意匠の意匠登録出願に係るものであって、その形態の要旨は、「へ」の字状に屈折した円筒パイプ状の上柱とキャップとを連結して両側に立設し、その間に円筒パイプ状笠木を水平に配設し、両者を砲弾様継手と小板とによって結合させて、全体を正面視略倒扁平「コ」の字状の枠体とした態様のものであって、下部の下柱上端に連結して忍び返し付きフェンスの上部枠体部分を構成するものである。
2.原審の拒絶理由
原審において、この意匠登録出願前より、網状フェンスの左右に2本の円柱状支柱を設けること及びフェンス本体上方部に端部を半球状とした補強材を設けることは既に知られているところであり、本願は、支柱を円柱状とし、その間に、下方に網目状フェンス本体と鉄条網を表した公知のフェンス(1995年9月5日特許庁総合情報館受入、カタログ「ASAHISTEEL INDASTRY’93」:引用例1)(別紙第2参照)を利用して、フェンス本体と鉄条網の間に公知の補強材である意匠登録第814939号(引用例2)(別紙第2)を表したまでであり、既に知られている形状を単に結合して構成した程度にすぎないものであって、その意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に意匠の創作をすることができたものと認められるから、意匠法第3条第2項の規定に該当するとして拒絶の査定をしたものである。
3.請求人の主張
請求人代理人は、審判請求書を提出して、請求の理由を要旨次のとおり主張した。
(1)本願意匠は、積雪地用フェンスの上部部分に関するもので、フェンスの上部に設けられる笠木(パイプ状の横材)と上柱とキャップ及び継手とを組み合わせてユニット化し、下段の下柱に装着することにより、笠木付きの積雪地用の忍び返しフェンスを形成できるようにした点に特徴がある。キャップを下段フェンスの下柱の頭に装着することにより、笠木と忍び返しを備えたフェンスの上部が形成でき、通常の構成の下段フェンスを用いて簡単に積雪地用の忍び返し付きのフェンスが形成できる利点を備えている。
(2)引用例1は、一体的な一本の柱であり、本願意匠のように下柱に上柱を装着した構造とは全く異なる。補強用の横桟を、笠木に相当するものと見なすとしても、本願意匠のように継手によって接続されていない。したがって、本願意匠のような上柱とキャップ継手及び笠木を組み合わせたユニットの構成が全くない。
引用例2は、傾斜地に設置する傾斜フェンスであって、本願意匠のような平坦地に設置するフェンスの上部形状とは根本的に相違している。敢えて比較したとしても、上柱に相当するものがなく、また構成も異なるから本願意匠の構成と全く異なる美感を呈する。
(3)引用例1及び2には、本願意匠のようなユニット化されたフェンス上部の構成は全く示されていず、示唆もない。したがって、引用例1と2を組み合わせたとしても、引用例2の構成において、柱を上部に延出して忍び返しを形成したフェンスに想到し得る程度であって、上柱とキャップの間に継手が連結された構成に到達し得ないから、容易に創作できたものではない。
4.当審の判断
そこで原審の拒絶査定の当否について検討する。
(1)先ず、フェンス上部に忍び返しを取り付けた忍び返し付きフェンスの態様については、本願出願前から知られているところであり(引用例1参照)、また忍び返し枠体部分が正面視略倒扁平「コ」の字状をなす態様も、引用例1に同様の態様が見られることから、この態様自体に格別の創作性は認められない。
(2)一方、正面視略倒扁平「コ」の字状の枠体を構成する各部分の態様について、「へ」の字状に屈折した円筒パイプ状の上柱とキャップについては、引用例1に「へ」の字状に屈折した円筒パイプ状上柱が見られるものの、本願の意匠は、上柱とキャップが直線状に連結され、更に下柱に連結される態様のものであって、引用意匠1に見られるような一体的なものとは異なる。また、円筒パイプ状笠木(原審では「補強材」と認定。)についても、引用例1に笠木に相当するものが見られるものの、端部の態様及び上柱との結合態様が本願の意匠と異なり、引用意匠2においても、両端に砲弾様の継手が見られるものの、本願の意匠とは小板との結合態様に差異があり、また、本願の意匠のように忍び返しの下辺部分を構成する態様とも異なる。
したがって、円筒パイプ状の上柱とキャップの態様は、引用意匠1の一体状のものとは差異があり、笠木についても、引用意匠1及び2の態様とは、両端の形状及び継手部の結合形態において異なり、他に本願の意匠と同様の態様が見当たらないことから、これらは本願の意匠の特徴を形成する独自の態様と認められる。そして、それらの態様は、公知の態様のわずかな改変の範囲を超えるものと認められるから、本願の意匠は、単に公知の態様を組み合わせて構成した程度のものに過ぎないとすることはできない。
(3)以上のとおり、フェンス上部の枠体部分において、正面視略倒扁平「コ」の字状の態様自体は、普通に知られた態様と認められるものの、本願の意匠の特徴である下部フェンスへの連結態様や、継手部の構成等には、公知の意匠には見られない本願の意匠にのみ見られる特徴ある態様が認められ、その態様も容易に創作できたものと認めることはできない。
また、本願の意匠は、平成11年意匠登録願第17991号を本意匠とする同日の出願に係るところ、本願の意匠と本意匠とは、上柱が「へ」の字状に屈折しているか直線状かの差異を除き、ほぼその態様を共有しており、本願の意匠の屈折の態様も格別のものでなく部分的な相違に過ぎないから、本願の意匠は本意匠に類似するものと認められる。
5.結び
したがって、本願の意匠は、意匠法第3条第2項に該当する意匠であるとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2001-10-05 
出願番号 意願平11-17992 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (L3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 日比野 香川越 弘 
特許庁審判長 藤木 和雄
特許庁審判官 温品 博康
岩井 芳紀
登録日 2001-11-02 
登録番号 意匠登録第1130274号(D1130274) 
代理人 高橋 清 

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