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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 K5
管理番号 1083302 
審判番号 不服2001-20315
総通号数 46 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2003-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-11 
確定日 2003-08-25 
意匠に係る物品 ミシン 
事件の表示 意願2000- 29530「ミシン」拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願意匠は、平成12年10月18日の意匠登録出願に係り、願書及び添付図面の記載によれば、意匠に係る物品を「ミシン」とし、その形態は図面代用写真に示すとおりのものである。(別紙第一参照)
2.引用意匠
これに対して、原審において拒絶の理由に引用された意匠は、本願出願前の平成7年6月5日特許庁発行の意匠公報所載の登録第926497号意匠であって、意匠に係る物品が「ミシン」であり、その形態は同公報の掲載図面に示されるとおりのものである。(別紙第二参照)
3.両意匠の対比
本願意匠と引用意匠とを比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、その形態については、主として以下の共通点と差異点があると認められる。
[共通点]
先ず共通点について、(1)下方を基台部とし、その上方に本体部及び糸調子部を設けた工業用ロックミシンであって、基台部は、その上方の本体部より幅狭なものとし、本体部は、正面視において、左端部に布台部を設け、中央部に大小の略直方体を重ねた本体胴部を設け、右端部に扁平箱体状のプーリー部を形成し、糸調子部は、全体を略扁平四角錐台状に形成し、正面側に略円錐台状の複数の糸調子器を形成し、上方に略横長「コ」字状の糸案内を形成した全体の基本的な構成が認められる。
各部の具体的な態様において、(2)基台部の態様について、下段が幅狭で上段が幅広の二段に形成した点、(3)本体部の態様について、布台部は、布台を平面視縦長長方形板状とし、その下面に横長直方体状の布台カバー部を形成し、中央部は、正面視略横長矩形状のルーパーカバー部を突出させ、その上方に正面視略カギ形状フレーム部を設け、その左側に動作部を形成し、背面側に矩形凹部を形成し、プーリー部は、背面方向に向かって先窄まり状に突出させた右側面視変形五角形状とし、その正面側寄りにプーリーを突き出させた点、(4)糸調子部の態様について、左端部を突出させて棒状突起物を形成し、その他を略平坦として複数の突起物を形成し、正面側には4本の糸調子器を斜面に垂直に突出させた点。
次いで、差異点については、(イ)本体部の中央部の態様について、本願意匠は、正面視カギ形状フレーム部の上部が高く形成されているのに対し、引用意匠は、低く形成されている点、(ロ)プーリー部の態様について、本願意匠は、その上面を滑らかな弧状に形成しているのに対し、引用意匠は、階段状に形成している点、(ハ)糸調子部の態様について、本願意匠は、全体をやや薄く形成し、その下縁全体を凹状に形成しているのに対し、引用意匠は、全体を厚く形成し、下縁を直線状とし、左端突出部に面板を形成している点,が認められる。
そこで、上記の共通点と差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響について、以下に検討する。
先ず共通点について、共通点(1)は、全体に係る基本的な態様であるが、多分に概念的な共通点であり、また、工業用ロックミシンの態様としては一般的な態様であって両意匠の特徴をなすものではないから特に評価することはできず、類否判断に与える影響は微弱である。共通点(2)は、最下部の余り目立たない部分であり、特に特徴ある態様でもないから、類否判断に影響を及ぼすものではない。共通点(3)については、布台部、中央部及びプーリー部の各態様は、この分野で普通に見られる態様であるから特徴がなく、その占める領域が比較的大きいことや正面性を考慮したとしても類否判断を左右する程のものではない。共通点(4)は、工業用ロックミシンの態様としては普通に見られる態様であるから、特徴がなく、類否判断に与える影響も微弱である。結局、各共通点はいずれも類否判断を左右する程のものとは認められず、それらが相まって奏する効果を検討しても、類否判断上は微弱なものに止まる。
一方、差異点について、本体中央部の差異点(イ)は、全体から見れば部分的な差異ではあるが、正面中央部の差異であり、その上部の糸調子部の態様についての差異点(ハ)と相まって類否判断上一定の影響を及ぼすものと認められる。差異点(ロ)は、右側面視において顕著であり、略箱体状の本体部から大きくはみ出しているため目に付き易い部分の差異であるから、類否判断上も一定の影響を及ぼすものと認められる。差異点(ハ)は、正面上部の糸調子部という着目する部分の差異であり、本願意匠の全長に渡って一体的に凹面部を形成した態様は、上方の湾曲した「コ」字状糸案内と相まって特徴的な態様を形成しており、他に類似の態様も見受けられないことから、類否判断上大きな影響を及ぼすものと認められる。
そうすると、差異点(ハ)は、両意匠の差異を際立たせる主要なものであり、これに差異点(イ)及び(ロ)が加重されることにより両意匠間に強い差異感をもたらしていると認められる。
4.まとめ
以上のとおりであって、差異点の及ぼす影響が共通点の及ぼす影響を凌駕する両意匠は、結局、類似しないものといわざるを得ない。
従って、本願意匠は、引用意匠を以て意匠法第3条第1項第3号に該当するとすることはできない。また、他に拒絶理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2003-08-12 
出願番号 意願2000-29530(D2000-29530) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (K5)
最終処分 成立  
前審関与審査官 早川 治子江塚 尚弘佐々木 朝康 
特許庁審判長 藤木 和雄
特許庁審判官 岩井 芳紀
樋田 敏恵
登録日 2003-09-26 
登録番号 意匠登録第1190122号(D1190122) 

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