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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4 |
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管理番号 | 1094792 |
審判番号 | 不服2003-3919 |
総通号数 | 53 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2004-05-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-03-10 |
確定日 | 2004-03-12 |
意匠に係る物品 | 包装用容器のふた |
事件の表示 | 意願2002- 13247「包装用容器のふた」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、意願2002-13246を本意匠とする平成14年5月17日の意匠登録出願であり、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「包装用容器のふた」とし、形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 これに対して、原審において、拒絶の理由として引用した意匠は、特許庁発行の登録実用新案公報記載の実用新案登録第3002232号の図1に表された「包装用容器の蓋」の意匠であり、その形態は、同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 そこで、本願の意匠と引用の意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、また、形態については、主として以下の共通点と差異点がある。 すなわち、共通点として、蓋本体部を有頂円筒状とし、その下端には、やや末広がりに周側面が傾斜面から垂直面に移行する極短い突出縁部を形成し、蓋本体部の裾には、さらにやや末広がりに周側面が傾斜面から垂直面に移行するピルファープルーフリング部を連設し、突出縁部上方の蓋本体部周側面には多数の縦溝を等間隔で密に表した点がある。 一方、差異点として、(イ)突出縁部を除く蓋本体部周側面の態様につき、本願の意匠は、下部にやや広く帯状に平滑面を残し、上部に集中して縦溝を表しているのに対して、引用の意匠は、上端稜部を除く上下に亘り縦溝を表している点、(ロ)縦溝につき、本願の意匠は、蓋本体部周側面に多数の縦突条を配置形成し、その結果、縦突条間に縦溝が表れるものであるのに対して、引用の意匠は、多数の縦溝を蓋本体部周側面に刻んで表したものである点、がある。 そこで、上記の共通点と差異点について総合的に検討するに、共通点については、いわゆる「ピルファープルーフキャップ」における典型的な周知態様であって、両意匠を特徴づけるものではない。 一方、差異点のうち、(イ)の点については、顕著に観察される主要面部である蓋本体部周側面における差異である上に、本願の意匠は、両意匠の共通態様を基本の骨格形態とした上で、蓋本体部周側面において上部に集中して縦溝を表した具体的態様としたものであって、その形態全体のまとまりは、従来態様に照らしてみるに、本願の意匠の特徴を成すものといえ、結局のところ、蓋本体部周側面において上端稜部を除く上下に亘り縦溝を表している点でこの種「ピルファープルーフキャップ」の従来態様の域を出ない引用の意匠との差異は、両意匠間に強い別異感をもたらしている。(ロ)の点の縦溝の成り立ちに係る差異については、それ自体は、両意匠のものともありふれた態様のものであるから、それほど注目されるものではないが、(イ)の差異に加わることで、両意匠の別異感を補強する効果を発揮している。 以上によれば、差異点が共通点を凌駕し、両意匠の類否判断を決するものであることは明らかであって、本願の意匠は、引用の意匠に類似するものとはいえない。 したがって、本願の意匠は意匠法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶すべきものとした原査定は、当を得ないものであり、取消を免れない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2004-02-25 |
出願番号 | 意願2002-13247(D2002-13247) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(F4)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤澤 崇彦、杉山 太一 |
特許庁審判長 |
遠藤 京子 |
特許庁審判官 |
渡邊 久美 伊藤 晴子 |
登録日 | 2004-04-16 |
登録番号 | 意匠登録第1208049号(D1208049) |
代理人 | 志賀 正武 |