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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
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管理番号 | 1114723 |
審判番号 | 不服2003-24653 |
総通号数 | 65 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2005-05-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-19 |
確定日 | 2005-03-18 |
意匠に係る物品 | 自動車用タイヤ |
事件の表示 | 意願2003- 4828「自動車用タイヤ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成15年2月27日の意匠登録出願に係り、その願書及び添付図面の記載によれば、意匠に係る物品を「自動車用タイヤ」とし、その形態を同図面中実線で表した部分としたものである。(別紙第1参照) 2.引用意匠 これに対して、本願意匠が類似するとして原審が拒絶の理由に引用した意匠は、本願の出願前の平成8年12月19日に特許庁意匠課が受け入れ所蔵するカタログ「FALKEN STUDLESS」(平成8年7月31日オーツタイヤ株式会社発行)第13頁に示された本願意匠に相当する部分の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HN09006387号)、すなわち、トレッド部及びショルダ部の意匠であり、意匠に係る物品を「自動車用タイヤ」とし、その形態を同頁写真版に示されたとおりとしたものである。(別紙第2参照) 3.本願意匠と引用意匠の比較 本願意匠と引用意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が同一であり、その形態については、主として以下の共通点と差異点があると認められる。 即ち、先ず共通点を摘示すると、トレッドエッジ部が角張った自動車用タイヤにおいて、(1)トレッド中央部に、ジグザグ状縦溝(「中央縦溝」という。)を挟んでジグザグ状に配列されたブロック(「中央ブロック」という。)を2列形成し、その外側にジグザグ状縦溝(「第1縦溝」という。)を各1本形成し、更にその外側にジグザグ状に配列されたブロック(「第1ブロック」という。)を各1列形成し、その外側のショルダー部には、略倒五角形状ブロック(「ショルダブロック」という。)を各1列配列した、全体の基本的な構成が認められる。 また、各部の具体的な態様においても、(2)第1ブロックをごくわずか細幅に、その他のブロックをほぼ同幅のリブにより同角度の屈曲態様に形成し、中央ブロック列及びショルダブロック列を、それぞれ短直線溝により上下に等間隔に寸断するように形成している点、(3)総ての縦溝を同角度の屈曲態様に形成し、中央縦溝は細幅に、第1縦溝は太幅に形成している点、(4)略倒5角形状ブロックは、その内側に略五角形状溝を形成し、その頂角を内側に向け第1ブロックと噛み合うように配列し、頂角を分断する短横溝が形成されているブロックがある点、が認められる。 次いで差異点を摘示すると、(イ)各ブロックを上下に寸断する短直線溝について、本願意匠のものは隣り合う上下が逆傾斜の傾斜溝で、トレッド面に水平に1列に並んでいるのに対して、引用意匠は水平溝で、トレッド面に1列に並んでいない点、(ロ)中央ブロックの態様について、本願意匠は、左右対称形の2種類の「く」の字形ブロックを上下に交互に配列したものを平行に2列並べ、その内部にサイプがないのに対し、引用意匠は、それぞれ同形の略S字形ブロック又は略鏡像S字形ブロックを上下に1列に並べたものを平行に配列し、その内部にサイプを形成している点、(ハ)第1ブロックの態様について、本願意匠は中央ブロックより小さいほぼ同形のブロックで、サイプを有しないのに対し、引用意匠は、中央ブロックより短い「く」の字形ブロックで、多くは内部にサイプを有し、一部のブロックは、ショルダブロックと一体となっている点、(ニ)ショルダブロックの態様について、本願意匠は同形のブロックであるのに対し、引用意匠は、頂角部分が若干異なる3種類のブロックを配列している点、が認められる。 4.当審の判断 そこで、上記の共通点及び差異点が両意匠の類否に及ぼす影響について以下に検討する。 先ず共通点について、(1)の点は、全体の基本的な構成態様であって、両意匠に係る形態全体の基調を決定付けて強い共通感をもたらしており、その類否判断に及ぼす影響は極めて大きいものである。(2)ないし(4)の点は、それぞれ各部分の具体的な態様の強い共通感をもたらすものであって、共通点(1)と相俟って形態全体についての共通感をもたらしており、その類否判断への影響は大きいものである。 次いで差異点について、(イ)の点は、この部分を他と切り離して観察する場合は差異として認識されるものであるが、全体からみると部分的な差異であって共通点(2)に優るものでなく、その影響は軽微にとどまる。(ロ)の点は、この部分を詳細に観察する場合に看取される差異であって、トレッド中央部に、ジグザグ状縦溝を挟んでジグザグ状に配列されたブロックを2列形成したという特徴ある態様と比較する場合は、その差異は微弱であって、その影響は軽微に止まるものである。(ハ)の点は、ブロックの基本形状及び配列態様が共通することによってその差異は希釈され、その影響は軽微に止まるものである。(ニ)の点は、ブロックの基本形状が共通する下でのわずかな差異であるから目立たず、その影響は軽微である。 そうすると、意匠に係る物品が同一であり、形態については、共通点の類否判断に及ぼす影響が大きいものであるのに対して、差異点の影響はいずれも軽微に止まるものであるから、共通点が差異点を凌駕することが明らであり、結局、本願意匠は、引用意匠に類似するものといわざるを得ない。 5.結び したがって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に該当し、意匠登録を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2005-01-31 |
結審通知日 | 2005-02-04 |
審決日 | 2005-03-08 |
出願番号 | 意願2003-4828(D2003-4828) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 栄子 |
特許庁審判長 |
藤木 和雄 |
特許庁審判官 |
岩井 芳紀 樋田 敏恵 |
登録日 | 2005-04-08 |
登録番号 | 意匠登録第1240744号(D1240744) |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 高柴 忠夫 |