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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E2 |
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管理番号 | 1129033 |
審判番号 | 不服2004-22380 |
総通号数 | 74 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2006-02-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-10-29 |
確定日 | 2006-01-11 |
意匠に係る物品 | スロットマシンゲーム機 |
事件の表示 | 意願2003- 22306「スロットマシンゲーム機」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成15年7月31日の出願に係り、願書及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「スロットマシンゲーム機」とし、その形状を、願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって、実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。 すなわち、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分は、全体略縦長直方体状で、前面側下方をやや突出する斜面状としたスロットマシンゲーム機の、正面視中央より上方寄りのやや奥まった位置に設けられた、遊技表示画面の液晶表示の前面パネル部部分であって、当該部分の形状は、全体を正面視やや横長矩形状とし、その上端より縦幅の約1/3.5下方位置までの上部パネル部を、垂直状の薄板平面板状とし、下部パネル部を、筐体前面側傾斜より下方をより前方に傾斜させた薄板平面板状として、屈曲させたものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原審において、拒絶の理由として引用した意匠は、本願の出願前に日本国内において頒布された刊行物、特許庁総合情報館が1995年11月24日に受け入れた遊技通信1995年11月15日、第裏表紙頁所載、スロットマシーンゲーム機の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA07030182号)であって(以下、引用意匠という。)、その形状は当該写真版に表されたとおりとしたものである。 すなわち、引用意匠の、本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分に相当する部分は、全体略縦長直方体状のスロットマシンゲーム機の、正面視中央より上方寄りのやや奥まった位置に設けられた、遊技表示画面の前面パネル部部分であって、当該部分の形状は、全体を正面視やや横長矩形状とし、垂直状の透明な薄板平面板状としたものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の対比 本願意匠と引用意匠とを対比すると、以下の主な一致点及び相違点がある。 (1)一致点 (A)両意匠の意匠に係る物品は、共にスロットマシンゲーム機で一致する。 (B)当該部分の位置、大きさ及び範囲は、正面視中央より上方寄りのやや奥まった位置に設けられた点において一致する。 (C)当該部分の用途及び機能について、遊技表示画面の前面パネル部とした点において一致する。 (D)当該部分の形状を、全体を正面視やや横長矩形状とした点において一致する。 (2)相違点 (ア)当該部分の用途及び機能について、本願意匠は、液晶表示部を形成する前面パネル部であるのに対して、引用意匠は、液晶表示ではない表示画面板部をカバーする前面パネルである点において相違する。 (イ)当該部分の形状を、本願意匠は、上端より縦幅の約1/3.5下方位置までの上部パネル部を、垂直状の薄板平面板状とし、下部パネル部を、下方を前方に傾斜させた薄板平面板状として、屈曲させた態様としたのに対して、引用意匠は、垂直状の薄板平面板状とした点において相違する。 4.類否判断 両意匠の類否を検討すると、両意匠は、相違点が一致点を凌駕し、異なる美感を生じさせ、類似しないものと認められる。 すなわち、当該部分の用途及び機能について、一致点(C)は、前面パネル部が単に遊技表示画面の最前面のカバーであることを示すに止まるのに対して、相違点(ア)は、本願意匠の前面パネル部が、液晶表示部を形成して、種々の画像演出を行うもので、引用意匠の単なるカバーとしての前面パネルとは、使用の目的、使用の状態等が大きく相違し、具体的な用途・機能が一致するものとは言い難く、加えて、表示画面はゲーム機において使用者の最も注意を惹く重要な部分であること考慮すれば、結局、相違点(ア)は、両意匠の類否判断に及ぼす影響が大きいものと認められる。 また、当該部分の形状について、その一致点及び相違点をみると、一致点(D)の表示画面をやや横長矩形状にすることは、本願出願前にゲーム機の分野において、極めて普通に見られる周知の形状であるから、何ら特徴とするところではなく、一方、相違点(イ)は、ゲーム機の表示画面の目立つ箇所における相違であり、本願出願前にこの種分野において見られる液晶表示パネル部は、ほとんど屈曲部のない平面板状としていることから、本願意匠の上部で屈曲させた液晶表示パネル部の態様は、従前に無い新たな特徴を示し、格別の注意を惹き付けるところとなる。したがって、相違点(イ)は、両意匠に異なる美感を生じさせるものと認められる。 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品、意匠登録を受けようとする部分の位置、大きさ、範囲が一致するも、意匠登録を受けようとする部分の用途及び機能が相違し、当該部分の形状の相違も大きく、異なる美感を生じさせるもので、到底類似するものと認められない。 5.結び したがって、本願意匠は、引用意匠に類似する意匠ではなく、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず、原審の拒絶の理由により拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2005-12-19 |
出願番号 | 意願2003-22306(D2003-22306) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(E2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 伊藤 敦 |
特許庁審判長 |
梅澤 修 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 杉山 太一 |
登録日 | 2006-01-27 |
登録番号 | 意匠登録第1264877号(D1264877) |
代理人 | 細井 勇 |