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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D2 |
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管理番号 | 1130929 |
審判番号 | 不服2005-3869 |
総通号数 | 75 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2006-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-03-04 |
確定日 | 2006-02-08 |
意匠に係る物品 | ベッド |
事件の表示 | 意願2003- 25244「ベッド」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は、平成15年8月29日の意匠登録出願であって、願書及び添付図面の記載によれば、その意匠は、意匠に係る物品が「ベッド」であり、その形態を添付図面に記載のとおりとしたものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 これに対して、原審の拒絶の理由において、本願意匠に類似するとして引用された意匠は、特許庁意匠課が1997年7月16日に受け入れた、内国カタログ「病院用総合カタログ」(株式会社イトーキ発行)第22頁所載、製品番号HKA-4654のベッドの意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC09010375号)であり、その形態を写真に現されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の対比 本願意匠と引用意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、その形態については、次のような一致点と相違点がある。 [一致点] 両意匠は、(ア)全体の基本的構成態様について、4つのキャスターを有する矩形ベッドフレームの両長手側を縦幅のあるサイドフレームで形成し、該ベッドフレームの短手側位置に高さ違いの同形状ヘッドボードとフットボードを配し、両ボードを細枠で形成し、その中央に両側隙間を介して矩形板を設け,ベッドフレームの上側に大小4分割・連結されて可動式とした床板を支持する構成態様とした点、(イ)ヘッドボードとフットボードは、両側の細枠は上部角部を弧状に形成し、中央矩形板には横平行状分割態様を表した点、(ウ)両側の床板には、ベッドの長手方向に複数の穴を囲む長い凹部が,ベッドの幅方向に6列配列されると共に,中央側の床板には,ベッドの長手方向に穴を囲む凹部が,ベッドの幅方向に6列配列された構成態様とした点において一致する。 [相違点] 本願意匠の両ボードは、ベッドフレームの上部に設けられた、略横長矩形状のボードであり、キャスターはベッドフレームの内側に設けられているのに対し、引用意匠の両ボードは、フレームの下方まで延びて、ベッドフレームを挟み込むように設けられており、中央矩形板の両側に細枠フレームによる縦長の隙間部を形成し、下端にキャスターが設けられ脚部をも兼ねている点において相違がある。 4.類否判断 この種ベッドの意匠は、ベッドを設置したり移動したりする場合は、ベッド全体について注意し、斜め上方や側面から可動床や脚部の態様についても着目するものであるが、日常的にベッドとして使用する場合は、マットレスや寝具等でベッドの床面や脚部等は視認しにくくなり、主にボード周辺及び側面部分が視認される部位となるものである。したがって、特にボード周辺及び側面部分を主要部としつつ、ベッド全体の形状が、この種意匠の美感を決定するものと認められる。 上記の観点から検討すると、(ア)両意匠の全体の基本的構成態様についての一致点は、意匠全体に関するものではあるが、いずれもこの種可動式ベッドにおいてはありふれた態様であり、(イ)ボードの構成態様の一致点は、引用意匠のボードの上部のみを無理に切り離して観察する場合に視認されるものであるが、引用意匠のボード部は脚部を兼ねキャスター等と一体に視認されることが普通であり、この一致点は強く注意を惹くものではなく、(ウ)床板の構成態様の一致点は、ありふれた態様であり、かつ、使用時には視認しにくい部分であって、いずれの一致点も格別看者の注意を惹くものではない。 これに対して、両ボードの構成態様の相違点は、ベッドにおいて特に注意を惹く部位での相違であり、かつ、ベッドフレームとボード・脚との基本構造に関するもので、両意匠全体の基本的な構成態様に係る相違である。したがって、相違点は、両意匠の美感を決定する部分での相違であり、一致点を凌駕し、意匠全体として観察する場合、両意匠は、異なる美感を起こさせるものと認められる。 以上のように、両意匠は、異なる美感を起こさせるもので、類似するものとは認められない。 5.むすび したがって、本願の意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず、原査定の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 なお、本願意匠の意匠登録出願前の「可動式ベッド」の公知意匠として、意匠登録第402777号、意匠登録第764678号、意匠登録第764679号があり、本願意匠の意匠登録出願前の「可動式ベッド」の意匠登録出願として、意匠登録第1224481号、意匠登録第1224482号、意匠登録第1224486号があるが、いずれの意匠も本願意匠とは類似しないものである。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2006-01-27 |
出願番号 | 意願2003-25244(D2003-25244) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(D2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 須田 紳 |
特許庁審判長 |
梅澤 修 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 杉山 太一 |
登録日 | 2006-03-03 |
登録番号 | 意匠登録第1268055号(D1268055) |
代理人 | 三觜 晃司 |