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審決分類 審判    M2
審判    M2
審判    M2
管理番号 1136262 
審判番号 無効2005-88012
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2006-06-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-05-10 
確定日 2006-04-17 
意匠に係る物品 汚水升ゴム継手 
事件の表示 上記当事者間の登録第1140135号「汚水升ゴム継手」の意匠登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1.請求人の申立て及び理由
1.請求人は、「登録第1140135号意匠の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、請求の理由として大要以下のように主張し、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
2.理由の要点
甲第1号証の図6に示されているゴム継手は、本証の特許出願日(平成12年8月7日)より以前の従来技術として、本証第2頁「002」欄の「従来技術」の記載として記載されている。
甲第1号証の図6に示されたものを左右逆にすれば、正に、本件登録意匠に該当するものであるといえる。
つまり、本証の特許出願人は本件意匠登録の出願日(平成13年3月22日)より約半年も前に、本件登録意匠に係わるゴム継手が公知・公用であったとし、このゴム継手を使っていたために生じていた接続作業上の問題点を解決し、それを特許出願したのである。
本件登録意匠は、甲第1号証のものと同一のものであり、意匠法第3条第1項第1号の規定により意匠登録を受けることができないものである。
仮にこれが認められないとしても、本件登録意匠は、甲第1号証のものに類似する意匠に該当し、意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものである。
また仮に、これも認められないとしても、本件意匠登録は、意匠登録出願前に日本国内において、公然知られた形状、模様又はこれらの結合に基づいて、容易に意匠の創作をすることができるものであり、意匠法第3条第2項の規定により意匠登録を受けることができないものである。
従って、同法第48条第1項第1号により、無効とすべきである。
第2.被請求人の答弁及びその理由
1.被請求人は、「審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由として大要以下のとおり主張した。
2.答弁の理由
甲第1号証の意匠は請求人がその構成態様を同号証の図6(断面図)だけで特定したものであり(審判請求書第3頁第2行から同頁第9行目)、現実にそのような構成態様の「ゴム継ぎ手」が存在するか否か全く不明であり、そうであるなら甲第1号証だけで本件登録意匠の出願前に甲第1号証の意匠が現実に製造、販売、使用等されていたと結論付けるには無理があると言わざるを得ないのである。それ故、本件登録意匠が甲第1号証の意匠との構成対比を検討するまでもなく、本件登録意匠が甲第1号証の意匠により意匠法第3条第1項第1号及び第3号の規定に該当するとしてその新規性が否定されるものでないことは明らかである。
また、請求人は意匠法第3条第2項の規定の適用について公然知られた形状等とは如何なるものかを具体的に明示しておらず、百歩譲って公然知られた形状等が甲第1号証の意匠の形状等であるとしても、そもそも甲第1号証の意匠が「公然知られた意匠」でないため、本件登録意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当することはあり得ないのである。
第3.答弁書に対する請求人の対応
請求人に対して、答弁書を送付し、弁駁の機会を与えたが、なんら応答がない。
第4.当審の判断
1.本件登録意匠
本件登録意匠は、平成13年3月22日の意匠登録出願(意願2001-7796)に係り、平成14年3月8日に、意匠登録第1140135号として意匠権の設定の登録がなされたものであり、その願書及び願書に添付した 図面の記載によれば、意匠に係る物品が、「汚水升ゴム継手」であり、その形態は、同添付図面に表したとおりのものである(別紙第1参照)。
2.甲第1号証の意匠
甲第1号証の意匠は、平成14年2月20日付けで公開された特許庁発行の公開特許公報所載の特開2002-54220号の【図6】に従来のゴム継ぎ手の説明図として示された円筒状ゴム継ぎ手1の意匠である。(以下 、「甲号意匠」という)(別紙第2参照)
3.甲号意匠の公知性について
請求人は、甲第1号証の公開特許公報によれば、その発明の出願日が平成12年8月7日であって、本件登録意匠の出願日より約半年も前であり、その出願時点で従来のゴム継ぎ手として掲載されていることから、甲号意匠は、本件登録意匠の出願前に公知・公用であった旨主張する。
しかしながら、その公開特許公報掲載の【図6】は、従来の技術を説明するために示されたものであって、その技術が公知・公用であったとしても、技術的観点と異なり物品にかかる形態を問題とする意匠的観点からすれば、その具体的な形態を有する甲号意匠が従来より公然知られているものとは、直ちにいえないものである。
なお、仮に、甲号意匠が、その発明の出願前に公知・公用であれば、他に証拠が存在すると思われるが、他に証拠は提出されていない。
4.本件登録意匠の創作容易性について
請求人は、本件意匠登録は、意匠登録出願前に日本国内において、公然知られた形状、模様又はこれらの結合に基づいて、容易に意匠の創作をすることができるものであり、意匠法第3条第2項の規定により、意匠登録を受けることができないものである旨主張するが、公然知られた形状等が具体的に明示されていないものである。
仮に、公然と知られた形状等が甲号意匠であるとしても、前記「3.甲号意匠の公知性について」において述べたように、甲号意匠は、公然知られた形状等とはいえないものであるから、本件登録意匠は、当業者が公然知られた形状等に基づいて容易に創作することができたものということができない。
5.むすび
以上のとおり、請求人の提出した証拠である甲第1号証の意匠が、本件登録意匠の出願前に日本国内又は外国において公然知られた形状とはいえないことから、本件登録意匠は、意匠法第3条第1項第1号または意匠法第3条第1項第3号の規定に違反して登録されたものとすることはできない。
また、請求人の主張及び提出した証拠によって、本件登録意匠は、その出願前に日本国内又は外国において公然知られた形状に基づいて容易に創作をすることができたものということができないから、意匠法第3条第2項の規定に違反して登録されたものとすることはできない。
よって、本件登録意匠の意匠登録を無効とすることができないので、結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2006-02-17 
結審通知日 2006-02-21 
審決日 2006-03-07 
出願番号 意願2001-7796(D2001-7796) 
審決分類 D 1 113・ 111- Y (M2)
D 1 113・ 113- Y (M2)
D 1 113・ 121- Y (M2)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 藤 正明
特許庁審判官 上島 靖範
西本 幸男
登録日 2002-03-08 
登録番号 意匠登録第1140135号(D1140135) 
代理人 岩田 徳哉 
代理人 犬飼 新平 
代理人 藤本 昇 
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