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| 審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
|---|---|
| 管理番号 | 1148140 |
| 審判番号 | 不服2006-3173 |
| 総通号数 | 85 |
| 発行国 | 日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 | 意匠審決公報 |
| 発行日 | 2007-01-26 |
| 種別 | 拒絶査定不服の審決 |
| 審判請求日 | 2006-02-21 |
| 確定日 | 2006-11-14 |
| 意匠に係る物品 | 電気コネクタ |
| 事件の表示 | 意願2005- 16558「電気コネクタ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
| 結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
| 理由 |
本願は、平成17年6月8日の意匠登録出願であり、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「電気コネクタ」とし、形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 これに対して、原審において、拒絶の理由として引用した意匠は、特許庁発行の意匠公報記載の登録第1195741号の「電気コネクタ」の意匠であり、その形態は、同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 そこで、本願の意匠と引用の意匠を比較すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、また、形態については、主として以下の共通点と差異点がある。 すなわち、共通点として、(1)略直方体の本体から構成されるものであって、本体両側部に一対のロック解除ボタンが設けられている点、(2)本体の一端にプラグ部が設けられている点がある。 一方、主な差異点として、(イ)本体表面部について、本願の意匠は、表面部に矩形状段差部を形成し、この段部内に2本のラインと3つの三角形をコネクタ全体の中央部に形成しているのに対して、引用の意匠は、本体部中央に4本のラインと対向する一対の矢印が形成されている点、(ロ)表面部の隆起状模様について、本願の意匠は、2本のラインと3つの三角形が、内側を指す一対の三角形とプラグ側を指すやや大きな三角形からなり、2本のラインは一対の三角形の内側中央に同一長さで形成されているいるのに対して、引用の意匠は、内側を指す一対の矢印と、本体後方側を一番長いラインとする大中小の順に短くした計3本のラインとプラグ側のラインを中間の長さとした合計4本のラインとしている点がある。 共通点と差異点を総合的に判断する場合に、共通点が普遍的な形態であり、かつ、従来からそのような形態が類否判断を行う際に、あまり重要視されないものであるものであるときには、各部をより詳細に観察した上で、各部それぞれを評価し、共通点と差異点を比較考量して、差異点が全体に及ぼす影響を考慮して類否判断すべきである。差異点が格別な特異性を発揮していて全体の類否判断に大きな影響を及ぼす場合、両意匠は類似しないと言うほかない。 そこで、上記の共通点と差異点について総合的に検討するに、共通点について、(1)については、両意匠の形態の全体にかかわるものであるが、この意匠の属する分野においては、殆どの意匠に普遍的に見られる共通性であって、この点が共通することを以て、類似するとするほど格別な特徴点とは言えない。(2)については、この点もこのタイプの意匠においては、殆ど全ての意匠に普遍的に見られる共通性であって、類否判断する上で、重要視することができない点である。 一方、前記差異点について、(イ)の点については、本体部表面に関する差異であるから、看者の注意を惹くに値する差異であって、その類否判断に及ぼす影響は大きいと言える。(ロ)の点については、本体表面の具体的特徴であって、単なる模様とは異なりそれぞれの模様を隆起させ凹凸を形成していることから、格別な特異性を発揮している差異であると言うことができる。 したがって、共通点は、類否判断する際に意匠全体に及ぼす影響は殆どなく、差異点が、引用の意匠とは異なる本願の意匠の独特な特徴をよく表していると言うことができる。 以上のとおりであって、両意匠は、意匠に係る物品は共通するものの、その形態については、両意匠の共通点および差異点が相俟った視覚的効果を総合的に判断すると、両意匠は類似しないものと言わざるを得ない。 したがって、本願の意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので、原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また、他に本願を拒絶すべき理由を発見することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
| 別掲 |
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| 審決日 | 2006-11-02 |
| 出願番号 | 意願2005-16558(D2005-16558) |
| 審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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| 最終処分 | 成立 |
| 前審関与審査官 | 遠藤 行久 |
| 特許庁審判長 |
関口 剛 |
| 特許庁審判官 |
上島 靖範 市村 節子 |
| 登録日 | 2006-12-01 |
| 登録番号 | 意匠登録第1290749号(D1290749) |
| 代理人 | 朝比 一夫 |