ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
---|---|
管理番号 | 1193761 |
審判番号 | 不服2008-17914 |
総通号数 | 112 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-04-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-07-14 |
確定日 | 2009-02-27 |
意匠に係る物品 | 自動車用タイヤ |
事件の表示 | 意願2007- 31967「自動車用タイヤ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願の意匠 本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする平成19年11月20日の意匠登録出願であって、その意匠は、願書の記載によれば、意匠に係る物品を「自動車用タイヤ」とし、意匠登録を受けようとする部分を図面中実線で表したものであり、その形態は、同図面及び願書の意匠の説明の欄に記載のとおりである。 2.引用の意匠 これに対して、本願意匠は、その出願前日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠に類似し、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するから意匠登録を受けることができないとして、原審が拒絶の理由として引用した意匠は、特許庁発行の意匠公報記載、意匠登録第1217908号(意匠に係る物品、自動車用タイヤ)の意匠であって、その形態については当該意匠公報に記載されたとおりのものである。 3.当審の判断 本願意匠と引用意匠を対比すると、両意匠は、意匠に係る物品が共通し、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分とこれに対応する引用意匠の位置及び範囲については、何れも物品全体を環状体形状としたものの側面側一方の等幅環状部分であるから共通し、形態については、主として以下の共通点及び差異点が認められる。 すなわち、両意匠は、基面全体を等幅円環平面状とし、該円環平面状基面の外側縁部及び内側縁部それぞれに端部を揃えた傾斜状細筋を多数接することなく密に配列したものであって、細筋について、該円環の中心からの放射方向に対して概ね一定の傾斜角度を維持しつつ配列したものである点、が主として共通する。 一方、両意匠は差異点として、引用意匠は、細筋について両端付近を除きほぼ平行直線状とし、外側端部付近においてのみ傾斜段差状部を傾き側に設けたものと、内側端部付近においてのみ傾斜段差状部を傾きの逆側に設けたものを交互に配列し、両端付近それぞれの周方向の筋間隔を広・狭交互規則的に繰り返すものとし、残余の内側筋間部分の間隔について、両端付近の広・狭関係と逆転する広・狭関係とし、これら何れの部位においても幅広部と幅狭部が周方向交互規則的に繰り返す態様としているのに対して、本願意匠は、何れの細筋も緩やかな湾曲ないし撓みを不規則状にもたせ、これにより形成された各筋間の幅広部と幅狭部の位置が、細筋方向において緩やかに変化する態様とし、筋間の広・狭に関する周方向の変化に関し引用意匠のような規則性が存在しない点に差異がある。なお、細筋の断面形状について本願意匠は凸コ字状としているが、引用意匠の態様は不明確である。 そこで、これらの共通点及び差異点を意匠全体として検討してみると、両意匠について、「基面全体を等幅円環平面状とし、該円環平面状基面の外側縁部及び内側縁部それぞれに両端部を揃えた傾斜状細筋を多数接することなく密に配列したものであって、細筋について、該円環の中心からの放射方向に対して概ね一定の傾斜角度を維持しつつ配列したものである」点が共通するとしても、引用意匠が「両端付近を除きほぼ平行直線状」としているのに対して、本願意匠の「何れの細筋も緩やかな湾曲ないし撓みを不規則状にもたせ」た点は、両意匠それぞれにおいて重要な構成要素である細筋に関する大きな差異であって、これらにより形成される筋間の態様も、引用意匠は両端付近、及び、残余の部分何れの部位においても「幅広部と幅狭部が周方向交互規則的に繰り返す態様」を形成しているのに対して、本願意匠は各筋間において「幅広部と幅狭部の位置が、細筋方向において緩やかに変化する態様」を形成しているだけでなく、周方向の変化に関しても引用意匠のような規則性が存在しないものであり、これらの差異は共通点に係る構成態様が生じさせる共通感を凌駕すると認められ、このほかにも相違する点があるから、本願意匠は引用意匠に類似しないとせざるを得ないものである。 以上のとおりであるから、本願の意匠は、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するということはできない。 したがって、本願の意匠について、原査定の拒絶の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2009-02-13 |
出願番号 | 意願2007-31967(D2007-31967) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤澤 崇彦 |
特許庁審判長 |
本田 憲一 |
特許庁審判官 |
市村 節子 山崎 裕造 |
登録日 | 2009-03-27 |
登録番号 | 意匠登録第1357346号(D1357346) |
代理人 | 野口 賢照 |
代理人 | 小川 信一 |
代理人 | 斎下 和彦 |