ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2 |
---|---|
管理番号 | 1201884 |
審判番号 | 不服2008-21585 |
総通号数 | 117 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2008-08-22 |
確定日 | 2009-07-01 |
意匠に係る物品 | 管継ぎ手 |
事件の表示 | 意願2007- 12293「管継ぎ手」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,2007年(平成19年) 5月10日に意匠登録出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書および願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「管継ぎ手」であり,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」は,願書の記載および願書に添付した図面に記載されたとおりのものである。(別紙第1参照) 第2 引用意匠 これに対して,原審において拒絶の理由として引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,特許庁意匠課が1995年 9月18日に受け入れた,トーゼン産業株式会社発行のカタログ『総合カタログ建築設備編8』の第39頁所載,管継ぎ手の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC07028788号)であって,その形態は,同写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照) なお,前記拒絶の理由には,本願意匠の先行公知意匠として参考意匠1および参考意匠2が例示されている。(別紙第3参照) 第3 当審の判断 1.両意匠の対比 (1)意匠に係る物品 両意匠の意匠に係る物品は,一致する。 (2)形態上の主な共通点と差異点 両意匠は,形態において,円筒形の「管体」の両端部周面に形成した左右ほぼ同幅の「余地面」を除く中間部の周面を,螺旋形ねじ山状の「連続凹凸面」に形成した構成態様が概略共通する。 他方,両意匠間には形態において,(ア)本願意匠は,ねじ山とねじ山間の幅(ピッチ)の比率を引用意匠のそれより大きく(幅広に)構成している点,(イ)本願意匠は,連続凹凸面と両端余地面の両管体部の最大径幅をほぼ等しく形成しているのに対して,引用意匠は,連続凹凸面部の径幅を両端余地面部のそれよりやや小さく形成している点,(ウ)本願意匠は,両端余地面の周面に模様は施していないのに対して,引用意匠は,螺旋状線模様を施している点,において構成態様上の主な差異がある。 2.両意匠の類否判断 以上の一致点,共通点および差異点が両意匠の類否判断に与える影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討すると,両意匠の前記共通点に係る構成態様は,両意匠全体の骨格および主要部である外観において一定の共通する基調を形成するものではあるが,それは従前の意匠に照らすところ普通にみられる類型的態様であって,両意匠のみの特徴を形成するものとはいえない。よって,この共通点が類否判断に及ぼす影響力を大きいということはできない。 これに対して,前記各差異点については,(ア)の差異は,両意匠の主要部に係る明確な態様差であるから類否判断に一定の影響力を有し,(イ)については,参考意匠1および参考意匠2に示すとおり,本願意匠の全体を同径幅とした態様自体に格別の新規な特徴があるとはいえないながら,それが(ウ)の螺旋状線模様の有無の明確な差異と相まって,両端余地面の存在感の差にある程度の影響力を有すものであるから,これら3つを合わせれば,もはや差異点が前記の影響力の大きくない共通点を圧しているものといわざるを得ず,本願意匠は,引用意匠に類似しない。 第4 むすび したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないから,同条同項柱書の規定によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
|
審決日 | 2009-06-11 |
出願番号 | 意願2007-12293(D2007-12293) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(M2)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 尾曲 幸輔、佐々木 朝康、坂田 麻智 |
特許庁審判長 |
瓜本 忠夫 |
特許庁審判官 |
市村 節子 淺野 雄一郎 |
登録日 | 2009-08-07 |
登録番号 | 意匠登録第1368917号(D1368917) |
代理人 | 山本 拓也 |