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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D7 |
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管理番号 | 1205084 |
審判番号 | 不服2009-1125 |
総通号数 | 119 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-11-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-01-14 |
確定日 | 2009-09-25 |
意匠に係る物品 | ベンチ |
事件の表示 | 意願2007- 28428「ベンチ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願意匠は、平成19年10月17日の意匠登録出願に係り、その意匠は、意匠に係る物品を、「ベンチ」とし、その形状を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照) これに対し、原審の拒絶の理由において本願意匠に類似するものとした引用意匠は、意匠登録第1154065号公報(発行日平成14年9月24日)記載の意匠(意匠に係る物品「腰掛け」)であり、その形状は、当該公報に記載されたとおりとしたものである。(別紙第2参照) そこで、両意匠は、形状についてみると、並行する2本の丸棒状の支持杆の左右両端に、二股状の脚部を取り付け、該支持杆の上部に、連結具を介して、略矩形板状の座板を3つ等間隔に並列して取り付け、その各座板の前後両端部を側面視下方へ向けて弧状にやや垂れ下げた形状とした点で共通する。しかし、各座板を略矩形板状とし、その前後の両端部を下方へ向けて弧状に垂れ下げた形状は、本願意匠出願前にこの種ベンチや椅子の分野においてありふれた形状で(例えば、意匠登録第1051712号公報〔意匠に係る物品「ベンチ」〕、意匠登録第1154068号公報〔意匠に係る物品「腰掛け」〕等参照。)、また、座板を等間隔に並列することも、ごくありふれた手法であって、この共通する座板の形状は、観者の格別注意を引くものではない。 一方、ベンチの主要な構成要素である脚部の具体的な形状については、両意匠の脚部は、支持杆の左右両端に位置し、脚部が座板の下に隠れるものではなく、通常の使用状態である正面あるいは側面方向からの斜視状態から十分視認されるものであって、そうした中で、本願意匠の脚部が左右座板の左右方向の外側端部下に位置しているに対して、引用意匠が座板より露出した位置とした点の相違が認められ、かつ、両意匠の脚部自体の態様、すなわち、脚部の長尺方向に対する直角方向での断面形状、脚部の正面視横幅、脚部の側面視頂辺の横幅、支持杆の取り付け部形状に顕著な相違が認められ、両意匠の脚部の形状は、単に二股状の脚部として一概に括られるものではなく、両意匠に視覚的に全く異なる印象を与えるものであり、加えて、各座板の前後両端辺の形状の相違及び連結具の形状の相違等を加味すれば、これら相違点の相俟って奏する視覚的な効果は、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものである。 したがって、両意匠は、意匠に係る物品が一致するとしても、形状において、差異点が共通点を凌駕し、意匠全体として両意匠に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。 以上のとおりであり、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-09-07 |
出願番号 | 意願2007-28428(D2007-28428) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(D7)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松尾 鷹久、加藤 真珠 |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
杉山 太一 淺野 雄一郎 |
登録日 | 2009-10-09 |
登録番号 | 意匠登録第1373351号(D1373351) |
代理人 | 永芳 太郎 |
代理人 | 南部 さと子 |
代理人 | 水野 尚 |