• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  意9条先願 取り消して登録 M2
管理番号 1206608 
審判番号 不服2008-30996
総通号数 120 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2009-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-12-08 
確定日 2009-10-13 
意匠に係る物品 シャワーヘッド 
事件の表示 意願2007- 2570「シャワーヘッド」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2006年 8月 8日の共同体商標意匠庁への出願に基づいたパリ条約による優先権主張を伴い,2007年(平成19年) 2月 6日に意匠登録出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載および願書に添付した写真に現されたものによれば,意匠に係る物品は,「シャワーヘッド」であり,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」は,願書に添付した写真に現されたとおりのものである。(別紙第1参照)


第2 引用意匠
本願意匠に対して,原審において拒絶の理由として引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願日前の2006年(平成18年) 7月21日に,2006年(平成18年) 1月24日の共同体商標意匠庁への出願に基づいたパリ条約による優先権主張を伴って,出願され,その後の2007年(平成19年) 5月18日に設定の登録がなされ,2007年(平成19年) 6月18日に意匠公報が発行された意匠登録第1304214号の意匠であって,願書の記載および願書に添付した写真に現されたものによれば,意匠に係る物品は,「シャワーヘッド」であり,その形態は,願書に添付した写真に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)
なお,原審の拒絶査定においては,先行公知意匠として,意匠登録第1075154号の意匠,意匠登録第1211760号の意匠,意匠登録第1211542号の意匠などが参照された。(別紙第3参照)


第3 両意匠の対比
1.意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,一致する。

2.形態の主な共通点と差異点
両意匠は,やや大きめの厚肉円盤状の「ヘッド部」を設け,ヘッド部周側面の下部に,下方に向けて丸みのある筒状で内側にやや湾曲させた「グリップ部」を形成し,ヘッド部前面の周縁部に,円環形で球面状に盛り上げた「回動枠」を設け,回動枠の周面下部に「散水切り替えツマミ」を突設し,回動枠内の「散水ノズル面」とし,その中央部にノズル孔を集約させた「中央ノズル孔群」を形成し,周囲に多数の小さな「ノズル孔」を散点状に形成した構成態様が主に共通する。

他方,両意匠間には,差異点として,具体的構成態様において
(ア)本願意匠は,ヘッド部の背面を球面状に盛り上げ,その丸みをグリップ部の背面にも連続させて三次曲面状に形成しているのに対して,引用意匠は,ヘッド部の背面とそれに連続するグリップ部の背面をほぼ平らにして二次曲面状に形成している点,
(イ)本願意匠は,グリップ部を下端から上方へ側面視太さを徐々に細くするとともに,前方へやや傾斜させ,ヘッド部につながる首部にかけて側面視徐々に細く形成し,首部からヘッド部にかけてなだらかな曲面に形成しているのに対して,引用意匠は,グリップ部を上下方向に同幅の連続形に形成し,首部からヘッド部にかけて相貫体状に形成している点,
(ウ)本願意匠は,散水切り替えツマミをグリップ首部に沿わせる形に形成しているのに対して,引用意匠は,それを前方に突出させて形成し,その背後のグリップ首部に深めの切り欠き部を形成している点,
に主な差異がある。


第4 両意匠の類否判断
以上の一致点,共通点および差異点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断すると,両意匠の前記共通点に係る構成態様は,両意匠全体の骨格を成すと共に,そのまとまりが一定の共通する基調を形成するものではあるが,しかしながら,それは従前のこの種意匠に照らすところ他にも普通にみられる類型的な態様であって,両意匠のみの特徴を形成するものとはいえず,よって,この共通点が類否判断に及ぼす影響力を大きいということはできない。

これに対して,前記各差異点については,差異点(ア)のヘッド部とグリップ部背面の形状差については,本願意匠は,全体をスプーン風のふっくらした曲面構成とする意図であるのに対して,引用意匠は,全体をルーペ風の相貫体的構成とする意図であるとみえ,これは両意匠の基本的な造形意図の相違に係るものであって,その意匠効果の差も顕著に表れているから,この差異は,類否判断にかなりの影響力をもつといわなければならない。
差異点(イ)のグリップ部全体の形状差についても,本願意匠は,手の握り具合を意識した有機的形状の造形意図であるのに対して,引用意匠はシンプルでストレートな形状の造形意図であることの基本的相違があるとみえるから,この差異も類否判断に一定の影響力をもつというべきである。
差異点(ウ)の散水切り替えツマミの形状差については,付随的な部分の差ではあるが,それに伴う,背後のグリップ首部の切り欠き部の有無差がかなり顕著であるから,これらの差異も類否判断にそれ相応の影響力はあるというべきである。
そうすると,それぞれ類否判断にある程度の影響力のあるこれらの差異点を総合すれば,もはや差異点が前記の類否判断に及ぼす影響力の大きくない共通点を圧しているというべきである。

したがって,両意匠は,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響が大きくないものであるのに対して,差異点が共通点を凌駕しており,意匠全体として観察した場合,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。


第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原審の引用意匠をもって意匠法第9条第1項の最先の意匠登録出願人に係る意匠に該当しないとすることはできないものであって,原審の拒絶の理由により本願意匠は,同条同項の規定により意匠登録を受けることができないものであるということはできない。

また,当審においてさらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2009-09-01 
出願番号 意願2007-2570(D2007-2570) 
審決分類 D 1 8・ 4- WY (M2)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐々木 朝康 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 杉山 太一
淺野 雄一郎
登録日 2009-11-13 
登録番号 意匠登録第1375771号(D1375771) 
代理人 江崎 光史 
代理人 河原 正子 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ