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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7 |
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管理番号 | 1206624 |
審判番号 | 不服2009-4407 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-02 |
確定日 | 2009-11-09 |
意匠に係る物品 | 給湯用リモートコントローラ |
事件の表示 | 意願2008- 10290「給湯用リモートコントローラ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成20年4月22日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「給湯用リモートコントローラ」とし,意匠登録を受けようとする部分を実線で表したものであって,その形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 これに対して,原査定において,拒絶の理由として引用した意匠は,特許庁特許情報課が2006年10月5日に受け入れた2006年8月3日発行の大韓民国意匠商標公報(06-39号)に記載された登録番号第30-0421275号の「ホームネットワーク用コントローラー」(特許庁意匠課公知資料番号第HH18462591号)(本願実線で表された部分に相当する操作ボタン上三つの部分)の意匠であって,その形態は,当該意匠公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.請求人の主張 請求人は,審判を請求し,おおむね次のとおりの主張をした。 本願意匠に対し,引用意匠は,ホームネットワーク用コントローラに係る意匠であり,用途・機能から鑑みるに,少なくとも本願意匠と物品類似の意匠であることが認められる。 引用意匠と,本願意匠とを対比すると,両意匠ともリモートコントローラの右端部に,複数のスイッチを縦一列に配置してなるものであるという点,各々のスイッチが正面から見た場合に矩形状に見えるという点で共通するものの,スイッチ部分を構成するスイッチに,平板形状と,曲面形状という一見して明らかな相違を有するものであることから,本願意匠と引用意匠との相違は顕著なものであり,上述の共通点を遥かに凌駕するものであることは明らかである。 ましてや,本願意匠と,引用意匠とのように,スイッチの形状に一見して明らかな相違がある場合,需要者の視覚を通じて起こさせる美感に極めて顕著な相違が生じることになる。 よって,スイッチのみに着目したとしても,本願意匠と引用意匠は,相類似する意匠ではないというべきである。 次に,引用意匠はスイッチが筐体内に収められておらず,むしろ,筐体の外側に張り出すように設けられていることで,スイッチ部分とその他の部分の個性を強調しているのに対し,本願意匠は,スイッチ部分を筐体内のスペース内に収め,かつその右端部を筐体のRに合わせた曲面形状に形成して,筐体上縁部,筐体下部と面一になるように形成することで,筐体との一体性・強調性を高め,リモートコントローラ全体としての統一性を強調している。したがって,物品全体として見た場合であっても需要者の視覚を通じて起こさせる美感に顕著な相違を有するものである。 よって,物品全体として見た場合であっても両意匠は相類似する意匠ではないというべきである。 4.当審の判断 そこで,本願意匠と引用意匠を比較すると,まず,両意匠は,意匠に係る物品が共通する。 次に,意匠登録を受けようとする部分における用途及び機能は,両意匠共に,リモートコントローラの操作用スイッチ群(スイッチ3つで成り立っている。)であって,共通する。 そして,当該部分の位置,大きさについては,両意匠共に,く形(矩形)状前面パネルの右辺上側,という概略は,共通するが,詳細に見ると,本願意匠は,略正方形の前面パネル右辺上側に位置し,その横幅は,前面パネルの約3分の1を占め,その高さは,約2分の1を占め,約2:3の比率の縦長長方形であり,引用意匠は,横長長方形の前面パネル右辺上端から位置し,その横幅は,前面パネルの約4分の1を占め,その高さは,約4分の3を占め,約2:5の比率の縦長長方形である。 最後に,当該部分の形態については,本願意匠は,正面視で,約2:1の横長長方形で,その左側は平面であって,右側約4分の1は,略その長さの半径による曲面となって,側面につながる形状をしているスイッチが,3つ縦に並んだ態様であるのに対し,引用意匠は,正面視で,約7:6の略正方形で,その前面すべてが平面で,直角をもって側面につながる形状をしているスイッチが,3つ縦に並んだ態様である。 以上のとおり,共通点については,この意匠の属する分野においては,既に公知かつありふれたものであって,両意匠の類否判断に大きな影響を与えるほどの格別な特徴とは言えない。 一方,差異点については,特に,一つ一つのスイッチの具体的な形状である,正面視での縦横比,及び,正面から側面につながる角部の態様が,引用意匠とは異なる本願意匠の独特な特徴をよく表しているものであることから,僅かな相違とは言えないものであり,これらの類否判断に及ぼす影響は大きいと言うことができる。 以上のとおりであって,両意匠は,意匠に係る物品は共通するが,その形態については,両意匠の共通点及び差異点の視覚的効果を総合的に判断すると,両意匠は看者に異なる美観を与えるものであって,両意匠は類似しないものと言わざるを得ない。 5.結び したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。 また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-10-14 |
出願番号 | 意願2008-10290(D2008-10290) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H7)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 久木 真子、木村 智加 |
特許庁審判長 |
関口 剛 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 橘 崇生 |
登録日 | 2009-11-27 |
登録番号 | 意匠登録第1376610号(D1376610) |