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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 G2 |
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管理番号 | 1206628 |
審判番号 | 不服2009-12255 |
総通号数 | 120 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2009-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-07-06 |
確定日 | 2009-11-17 |
意匠に係る物品 | 自動車用タイヤ |
事件の表示 | 意願2008- 8470「自動車用タイヤ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願意匠 本件審判の請求にかかる意匠登録出願は、2008年(平成20年)4月2日に出願したものであって、出願書類によれば、物品の部分について意匠登録を受けようとするものであり、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「自動車用タイヤ」とし、その形態を願書及び添付図面に記載したとおりとしたものである。(審決に添付の「図面第1」) 2 引用意匠 原審査において、本願意匠が類似するとして引用した意匠(以下、「引用意匠」という。)は、1998年(平成10年)6月23日発行の日本国特許庁意匠公報に掲載された、意匠登録第1013228号(1996年3月8日米国出願・優先権主張あり)の意匠であって、意匠に係る物品を「自動車用タイヤ」とし、その形態は、同意匠公報に記載されたとおりのものである。(審決に添付の「図面第2」) 3 本願意匠と引用意匠の対比 本願意匠と引用意匠は、意匠に係る物品が一致し、本願意匠に係る自動車用タイヤの部分の位置、大きさ及び範囲が引用意匠に係る自動車用タイヤの部分にも構成され、両意匠の当該部分の使用目的、機能についても共通していると認められるから、両意匠は、意匠に係る物品の部分の位置、大きさ及び範囲並びに使用目的及び機能が共通しているものである。しかしながら、両意匠の形態については、主として、以下のとおりの共通点及び差異点が認められる。 まず、共通点として、タイヤの左右両肩の間のトレッド面全周に、5本の凸状のリブ部を溝部と交互に形成している点、リブ部上面をいずれも平滑状とし、中央3本のリブ部よりも左右両端のリブ部を幅広とし左右対称状に形成している点、そして、中央3本のリブ部の上面に、等間隔多数の短い筋溝状の切り込みをサイプとして施している点が認められる。 一方、差異点として、(1)中央4本の溝部の具体的な態様において、本願意匠は、左右両端の溝部について、底面に周方向の低い凸条を形成して、左右両縁に等間隔多数の切り込みを施し、中央2本の溝部について、右方の溝部の右側面及び左方の溝部の左側面に、いずれも上端から底面に裾広がり状の凹部を形成して凹凸状に連続する傾斜面(以下、「凹凸状傾斜面」という。)とし、それぞれ凹凸状傾斜面と向き合う側面の下端に、上面視略三角形の凹凸状に連続する段差部(以下、「凹凸状段差部」という。)を凹凸状傾斜面と互の凹部と凸部とが向き合う態様に形成しているのに対し、引用意匠は、4本すべての溝部の左右両側面を上面視ジグザグ状であって凹凸状に連続する傾斜面(以下、「ジグザグ傾斜面」という。)に形成し、それぞれに等間隔多数の切り込みを施している点及び、(2)サイプの周方向に対する向きについて、本願意匠は、斜めであるのに対し、引用意匠は、略平行である点が認められる。 4 本願意匠と引用意匠の類似性についての判断 前記共通点及び差異点を総合し、本願意匠と引用意匠が類似するか否か、すなわち両意匠の類似性について考察する。 両意匠に共通しているとした前記態様は、この種タイヤの分野において多数見受けられ、両意匠のみに共通する点とは言えないものであるから、共通点はいずれも、両意匠の類似性についての判断に与える影響が微弱なものにとどまる。 一方、前記差異点を検討すると、差異点(1)については、本願意匠は、中央2本の溝部が左右両端の溝部と異なり、凹凸状傾斜面と凹凸状段差部の互の凹部と凸部とが向き合う態様がトレッド面を特徴づけているのに対し、引用意匠では、4本すべての溝部にジグザグ傾斜面を形成している態様であり、その差異は、両意匠のタイヤのトレッド面全周の構成態様に影響を与えるものであるから、両意匠の類似性についての判断に与える影響が大きいと言える。差異点(2)については、中央3本のリブ部の上面全周に及ぶ差異であるから、両意匠の類似性についての判断にも影響を与えるものと言える。そして、この種タイヤの主たる需要者が輸送業などの分野に属する者であって、機能性や耐久性の観点から、トレッド面の溝部の形態やサイプの具体的な態様について注意を払う点も考慮すると、差異点は、両意匠の類似性についての判断を左右するものと言うべきである。 以上のとおりであって、本願意匠と引用意匠は、意匠に係る物品が一致し、その部分についての用途および機能ならびに、位置、大きさおよび範囲が共通しているが、その形態の共通点および差異点が両意匠の類似性についての判断に与える影響を考察すると、共通点よりも差異点の方が支配的な影響を与えているから、両意匠は、全体として互いに類似しないものと認める。 5 結び したがって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものであり、同条の規定により拒絶すべきものとすることはできない。 また、本願意匠について、他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-10-30 |
出願番号 | 意願2008-8470(D2008-8470) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(G2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 清野 貴雄 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
並木 文子 鍋田 和宣 |
登録日 | 2009-11-27 |
登録番号 | 意匠登録第1376841号(D1376841) |
代理人 | 蔦田 璋子 |
代理人 | 蔦田 正人 |