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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4 |
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管理番号 | 1208162 |
審判番号 | 不服2009-11331 |
総通号数 | 121 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-06-19 |
確定日 | 2009-11-30 |
意匠に係る物品 | 香水ボトル |
事件の表示 | 意願2007- 14517「香水ボトル」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成19年(2007年)5月31日の意匠登録出願であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面の記載によれば、意匠に係る物品を「香水ボトル」とし、その形状は、願書に添付した図面に記載されたとおりとして、願書の【意匠の説明】の欄の記載を「正面図、背面図、各側面図に表される本物品の本体部分の縦の線は、いずれも模様を表す線ではなく、立体表面の形状を表す線である。また、内部機構を省略したA-A断面図に薄墨で表される部分は透明である。」としたものである。(別紙第1参照) これに対して、原審において、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠(以下、「引用意匠」という。別紙第2参照)に類似するものと認められ、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当し、同法同条同項柱書の規定により意匠登録を受けることができない旨の拒絶の理由を通知したものである。 そこで、本願意匠と引用意匠との類否を検討すると、両意匠は、形状について、共通点として、(A)全体は、上部に突出する射出口を備えた容器部と射出口を覆う蓋部とで構成され、(B)容器部の側周面に、正面視、上端よりやや下の位置から下端まで、垂直で等間隔の平行な条線を表し、(C)蓋部は、正面視、上辺を上方に膨らむ略円弧状として、蓋部横幅を容器部横幅の約0.7倍とした点が認められる。しかし、香水ボトルは、香水を身体や衣服に振りかけて、香りを楽しむ容器あるいは瓶であって、同時に、その形状も、嗜好的な要素が強く表現され、一般的に装飾的な形状や面の変化に富んだ形状などが多く、また、常に身近で手に触れて使用される状態等を鑑みれば、本件の場合に限らず、この種香水ボトル等は、容器部及び蓋部の具体的な態様に需要者の特段の注意が注がれるものと認められる。そうした場合、上記共通点は、正面視に限って両者を対比し共通する部分を単に寄せ集めて列挙しただけであって、立体を表す具体的な態様が欠落し、全体のまとまりある意匠を導き出すことは困難なものといわざるを得ない。ましてや、引用意匠は、正面視の状態が現されているだけで、立体的な態様を推定することができないものであって、例えば、容器部において、本願意匠と同様の略直方体状かどうかすら導き出せず、また、側周面に表される条線の依拠する具体的な態様も不明である以上、引用意匠は対比可能な程度に十分表されているものとは言えず、新規性の判断の基礎となる資料とすることができないものである。したがって、原審の本願意匠が引用意匠に類似するものとした判断は誤ったものといわざるを得ない。 以上のとおりであり、両意匠は類似するものとできないものであり、原審の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2009-11-05 |
出願番号 | 意願2007-14517(D2007-14517) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(F4)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 樫本 光司 |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
杉山 太一 淺野 雄一郎 |
登録日 | 2009-12-25 |
登録番号 | 意匠登録第1378966号(D1378966) |
代理人 | 小谷 武 |
代理人 | 木村 吉宏 |