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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1211339 |
審判番号 | 不服2009-18275 |
総通号数 | 123 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-03-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-09-28 |
確定日 | 2010-02-08 |
意匠に係る物品 | 変換ケーブル |
事件の表示 | 意願2008- 28337「変換ケーブル」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願意匠は、平成20年11月5日に意匠登録出願されたものであって、意匠に係る物品が「変換ケーブル」であり、その形態が願書及び願書添付の図面に現されたとおりのものである(別紙第1参照)。 2.引用意匠 原審において、意匠法第3条第1項第3号に該当するとして、拒絶の理由として引用された意匠は、特許庁発行の意匠公報掲載の意匠登録第1322787号「コネクタ付きケーブル」の意匠であって、その形態は同意匠公報に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。 3.両意匠の対比 両意匠を対比すると、いずれもコネクタ付きのケーブルに係るものであるから、意匠に係る物品が共通し、形態については、主として以下の共通点及び差異点が認められる。 なお、両意匠を対比するため、引用意匠の向きを本願意匠の向きに合わせ、以下それぞれ形態を認定する。 (1)共通点 両意匠は、左側に横長略直方体状の携帯機器用のコネクタを形成したコネクタ部(以下、「コネクタ部」という)を設け、右側にこれよりも大きい略直方体状のAV機器用コネクタを形成した変換部(以下、「変換部」という)を設け、いずれも長手方向として互いにケーブルで接続している点、コネクタ部の底面にケース付き端子が露出している点、そして、ケーブルの左右両端に保護カバー部を取り付けている点が共通している。 (2)差異点 他方、両意匠には、(a)コネクタ部の態様について、本願意匠は、正面視上下及び左右のそれぞれの幅を同幅とし、片側の上端部が隅丸で、正面及び背面に横長の凸条を上下に2本ずつ設けているのに対して、引用意匠は、右下隅を切り欠いて正面視略逆L字状で、全体が角張っており、正面及び背面に矩形状の区画を設けている点、(b)変換部の上下両面の態様について、本願意匠は、上下両面のいずれも左右両端を浅く面取りした、正面視略八角形状で横細長状であるのに対して、引用意匠は、隅丸長方形状とした扁平状である点、(c)変換部の正面視態様について、本願意匠は表面に凹凸部を設けていないのに対して、引用意匠は、平面及び底面に前後方向に、背面には上下方向に3本の凸条部を配し、正面側の中央にやや大きな長方形状の浅い凹部を設けている点、(d)変換部本体の底面の態様について、本願意匠は、ほぼ中央に略横長矩形状の多極コネクタ部を設けているのに対して、引用意匠は、コネクタ部を設けていない点に差異が認められる。(e)変換部本体の背面の態様について、本願意匠は、平坦状であるのに対して、引用意匠は、緩やかに膨出している点に差異が認められる。 4.類否判断 そこで検討するに、共通点の態様は、この種のコネクタ付きのケーブルの分野において従来から見受けられる大まかな構成態様であって、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず、それらの点のみをもって両意匠の類否判断を左右する共通点ということはできない。 これに対し、下記考察のとおり、差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、看者の注意を強く惹くものであるから、両意匠の類否判断を左右するものというべきである。 差異点(a)及び(b)に係る態様は、この種の物品の需要者や取引業者において、比較的目に触れることが多い、コネクタ部及び変換部の、いずれも最も広い面の態様についての差異であり、それぞれの形態全体に与える影響が大きいから、両意匠の類否判断に影響があるといえる。差異点(c)及び(d)については、変換部の表面の態様についての部分的な差異であるが、差異点(a)及び(b)に係る態様と相乗した場合には、両意匠の類否判断に影響があるといえ、また、差異点(e)については、変換部の背面部における、さほど目立たない部位における差異であって、それのみでは両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、差異点(a)乃至(d)に係る態様と相俟って、類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、両意匠の類否判断を左右するに十分のものである。 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するものであるが、その形態において、差異点が共通点を凌駕し、看者に異なる美感を起こさせるものであるから、意匠全体として類似しないものである。 5.むすび したがって、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-01-19 |
出願番号 | 意願2008-28337(D2008-28337) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 原田 雅美、小林 裕和 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 鍋田 和宣 |
登録日 | 2010-02-19 |
登録番号 | 意匠登録第1382980号(D1382980) |