• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1
管理番号 1212855 
審判番号 不服2009-17094
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-14 
確定日 2010-02-02 
意匠に係る物品 発光ダイオード 
事件の表示 意願2008- 22831「発光ダイオード」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願意匠は、平成20年9月4日に意匠登録出願されたものであって、意匠に係る物品が「発光ダイオード」であり、その形態が願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである(別紙第1参照)。

2.引用意匠
原審において、意匠法第3条第1項第3号に該当するとして、拒絶の理由として引用された意匠は、特許庁特許情報課が2007年3月29日に受け入れた大韓民国意匠商標公報2006年12月18日6-65号に掲載された登録第30-0434255号の「発光ダイオード」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH19407756号)であって、その形態は同公報に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.両意匠の対比
両意匠を対比すると、いずれも「発光ダイオード」に係るものであるから、意匠に係る物品が一致し、形態については主として、以下の共通点及び差異点が認められる。
(1)共通点
(A)全体の筐体は、略横長直方体状の縦幅より奥行きのある扁平な筐体で、前後を二分する区割りを施し、正面右端に斜状の切り欠き部を設け左右非対称とした点、(B)筐体中央の底面を逆台形状に突出させ、背面中央部に平面視略逆台形状の凹部を形成した点、(C)前面中央に大型で横長の発光窓部を設けた点、(D)筐体背面の左右両端部に段状の切り欠き部を設け、それぞれ板状体部を、底面部より上方に向かって略L字状に折曲して取り付け、端子部としている点において共通する。
(2)差異点
(a)前面の発光窓部の態様について、本願意匠は、周縁を略横長八角形状とし、左右の内側面を角面状に面取りしているのに対して、引用意匠は、周縁を略横長楕円形状とし、内側面の態様は不明である点、(b)筐体前端面の態様について、本願意匠は、前記底面の逆台形状突出部より上方の前端面を、その左右両側よりも僅かに突出しているのに対して、引用意匠は、突出せず全面を同一面状としている点、(c)端子部の態様について、本願意匠は、底面視が略倒L字形状で、底面からそれぞれ筐体側方へ折曲して形成しているのに対して、引用意匠は、底面視が略倒凸字状で、底面からそれぞれ筐体後方へ折曲して形成している点、(d)筐体の前面左端について、引用意匠は、丸面状に面取りをしているのに対して、本願意匠は、そのような面取りを施していない点、(e)背面中央部の略逆台形状の凹部の態様について、本願意匠は、凹部を幅狭としているのに対して、引用意匠は、凹部を幅広としている点に差異が認められる。

4.類否判断
そこで検討するに、共通点の態様は、この種の発光ダイオードの分野において従来から多数見受けられる態様であって、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず、それらの点のみをもって両意匠の類否判断を左右する共通点ということはできない。
これに対し、下記考察のとおり、差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、看者の注意を強く惹くものであるから、両意匠の類否判断を左右するものというべきである。
まず、差異点(a)及び(b)に係る態様は、筐体前面に係る態様であって、発光窓部を設けた筐体前面の態様を特徴付け、形態全体に与える影響が大きいから、その差異は、両意匠の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。差異点(c)に係る端子部の形状の差異は、両意匠に互いに異なる形態上の特徴を生じているから、両意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。差異点(d)及び(e)に係る態様は、それのみでは両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、差異点(a)乃至(c)に係る態様と相俟って、類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、両意匠の類否判断を左右するに十分のものである。
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が共通するものであるが、その形態において、差異点が共通点を凌駕し、看者に異なる美感を起こさせるものであるから、意匠全体として類似しないものである。

5.むすび
したがって、両意匠は類似しないものであるから、原審の拒絶理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-01-19 
出願番号 意願2008-22831(D2008-22831) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H1)
最終処分 成立  
前審関与審査官 正田 毅 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 樋田 敏恵
鍋田 和宣
登録日 2010-03-05 
登録番号 意匠登録第1384264号(D1384264) 
代理人 伊東 忠彦 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ