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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2
管理番号 1222916 
審判番号 不服2010-8214
総通号数 130 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-19 
確定日 2010-09-10 
意匠に係る物品 配管用保護キャップ 
事件の表示 意願2009- 14040「配管用保護キャップ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,本意匠を意願2009-014039号とする関連意匠として,2009年(平成21年) 6月20日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「配管用保護キャップ」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)とするものであって,原審が拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,特許庁総合情報館が1992年 7月 6日に受け入れた外国カタログ「DaspolymutanInstallations-System」 第16頁所載の「管端キャップ」の意匠であって,その形態は,同カタログの写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 本願意匠と引用意匠の対比
1.意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,本願意匠は,「配管用保護キャップ」であり,引用意匠は,「管端キャップ」であって,意匠に係る物品が共通する。

2.本願意匠と引用意匠の形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(1)共通点
両意匠は,略円筒形の上面を閉じ,その稜部を丸面状としたものである点,

(2)相違点
略円筒形の内周側面について,本願意匠は,上端部に雌ネジを設けているのに対して,引用意匠は,同部位に雌ネジを設けず,内径をやや狭くし,肩部を形成している点,

側面視において,本願意匠は,ごくわずかな上細状であり,また,周側面下側(開放部近傍)の径をやや幅広として,スカート状に拡径しているのに対して,引用意匠は,上下同径であって,スカート状の拡径はない点。


第4 類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断すると,両意匠の前記共通点に係る構成態様は,両意匠のみにみられる態様とは言えないから,この共通点のみで類否を決することはできない。

これに対して,前記相違点は,キャップの内周側面が,配管の端部に接合される部位であることを勘案すると,その具体的な態様が,この種物品にあっては使用時に需要者の注意を惹くものであるといえ,かつ,内周側面上端部に雌ネジを設けた本願意匠の態様は,本願意匠の特徴をよく表すところと認められ,この相違点が類否判断に及ぼす影響は大きいというべきである。

そして両意匠においては他に側面視の径に関する相違も認められ,相違点が類否判断に及ぼす影響が共通点を圧しているというべきであって,本願意匠は引用意匠に類似するということはできないものである。


第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定における引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2010-08-31 
出願番号 意願2009-14040(D2009-14040) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M2)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松田 光太郎 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 太田 茂雄
市村 節子
登録日 2010-10-01 
登録番号 意匠登録第1400549号(D1400549) 
代理人 久寶 聡博 

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