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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 H7
管理番号 1224813 
審判番号 不服2010-5021
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-08 
確定日 2010-09-14 
意匠に係る物品 エレベータの乗り場用操作盤 
事件の表示 意願2009-7215「エレベータの乗り場用操作盤」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成21年3月30日の意匠登録出願であり,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「エレベータの乗り場用操作盤」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとするものである(別紙第1参照)。

2.原査定の拒絶理由
これに対して,原査定の拒絶理由において,「この意匠登録出願に係るエレベーター用操作機の分野において,縦長矩形のエレベーター操作盤の下方に,上下方向の矢印のついた正方形ボタンが上下二つ並んだものは,本願出願前より極普通に見られるありふれた態様であり(例えば意匠1,意匠2),また,縦長矩形形状の表示部を,側面に渡るまで広げる態様も,本願出願前より極普通に見られるありふれた態様です(例えば意匠3,意匠4)。
この意匠登録出願の意匠は,本願出願前に公然知られたものと認められるエレベーター用操作機(意匠5)の表示部を,側面に渡るまで縦長矩形状に広げた程度に過ぎず,側面傾斜の差異や背面視下部の凸部材の有無も,全てありふれた範囲内の差異と認められますので,本願意匠は容易に創作できたものと認められます。
(意匠1)特許庁発行の意匠公報記載『意匠登録第0884739号の意匠』(操作ボタン部)
(意匠2)特許庁発行の意匠公報記載『意匠登録第1297829号の意匠』(操作ボタン部)
(意匠3)特許庁発行の意匠公報記載『意匠登録第1304251号の意匠』(表示部)
(意匠4)特許庁発行の意匠公報記載『意匠登録第1308937号の意匠』(表示部)
(意匠5)特許庁発行の意匠公報記載『意匠登録第1196484号の意匠』」とされ,意匠法第3条第2項に該当する旨の拒絶理由が通知されたものである。

3.当審の判断
(1)本願意匠
本願意匠は,基本的構成態様において,本体部を扁平な縦長略直方体状の筐体とし,その前面を操作パネル部としたもので,その上方寄り約2/5部分に,上方に余地を設けて縦長略長方形状の画面表示部を形成し,下方の余地部を操作部としその略中央に角丸略方形状の操作ボタンを縦に2個設け,その下方に鍵部を設けたのものであって,具体的態様において,本体部筐体は,縦横比が約5:1で細長く,その前面の操作パネル部は,縦横比が約5:1の細長い板状で,厚みを,側面視筺体の約1/3幅とし,その周面を,外側に拡幅する斜面状に形成し,本体部からは鍔状(つばじょう)に突出したもので,画面表示部は,操作パネル横幅一杯に形成したものであり,裏面の四周に印刷を施した透明材よりなり,通電時には液晶表示により各種情報が表れるものであり,操作ボタン部は,操作パネル部の略中央から下方に,中央に矢印を表した角丸略方形状の進行方向操作ボタンを,2個間隔を空けて縦に設けているように構成している。
(2)引用意匠
(a)意匠1(別紙第2参照)
意匠1は,本体部を扁平な縦長略直方体状の筐体とし,その前面を本体部からは鍔状に突出した操作パネル部としたもので,操作パネル部は上下辺が上下に凸円弧状となっており,操作パネル部の周囲には,上下辺が上下に凸円弧状となった額縁を設けてあり,上方に余地を設けて約2/5部分に,縦長長方形状の画面表示部を形成し,下方の余地部に中央に矢印を表した横長長方形状の操作ボタンを縦に2個間隔を空けて設けたのものであって,本体部は,縦横比が約6:1の細長い縦長略直方体状の筐体で,その正面の操作パネル部は,縦横比が約6:1の細長い板状で,厚みを,側面視筺体の約1/13幅に構成したものである。
(b)意匠2(別紙第3参照)
意匠2は,本体部を扁平な縦長略直方体状の筐体とし,その前面を本体部からは鍔状に突出した操作パネル部としたもので,操作パネル部は角丸縦長長方形状で,上下中央に横帯を設け,上半分は透光部分で表示部としており,下半分中央に矢印を表した角丸四角形状の操作ボタンを縦に2個間隔を空けて設けたのものであって,本体部は,縦横比が約7:1の細長い縦長略直方体状の筐体で,その正面の操作パネル部は,縦横比が約5:1の細長い板状で,厚みを,側面視筺体の約1/4幅に構成したものである。
(c)意匠3(別紙第4参照)
意匠3は,本体部を扁平な縦長略直方体状の筐体とし,その前面を本体部からは鍔状に突出した操作パネル部としたもので,操作パネル部は縦長長方形状で,上方に余地を設けて約1/4部分に,縦長長方形状の透明部分を設け,その透明部分の上方約3/5を透光による表示部とし,中央部約1/2の範囲を操作ボタン部とし,下端約1/4部分の余白部に縦長長方形状があるものであって,本体部は,縦横比が約13:1の細長い縦長略直方体状の筐体で,その正面の操作パネル部は,縦横比が約10:1の細長い板状で,厚みを,側面視筺体の約1/6幅に構成したものである。
(d)意匠4(別紙第5参照)
意匠4は,本体部を扁平な縦長略直方体状の筐体とし,その前面を本体部からは鍔状に突出した操作パネル部としたもので,操作パネル部は縦長長方形状で,上から約4/9に横帯を設け,上部分は透光部分で表示部としており,表示部は操作パネル横幅一杯に形成したものであり,下部分に矢印を表した丸形状の操作ボタンを縦に2個間隔を空けて設けたのものであって,本体部は,縦横比が約6:1の細長い縦長略直方体状の筐体で,その正面の操作パネル部は,縦横比が約5.5:1の細長い板状で,厚みを,側面視筺体の約1/5幅に構成したものである。
(e)意匠5(別紙第6参照)
意匠5は,全体が,扁平な縦長略直方体状の板状で,操作パネル部としたものであり,その上方略半分に,上方及び両側に余地を設けて縦長略「U」字形状の画面表示部を形成し,背面の下方寄りに略円筒状の鍵部が突出したものであって,操作パネル部は,縦横比が約6:1の細長い縦長略板状のものであり,その四周の各側面が斜面状に形成しているものである。
(3)検討
本願意匠は,扁平な縦長略直方体状の本体部に,鍔状に突出した前面操作パネル部の周面を,外側に拡幅する斜面状に形成し,操作パネル部には,上記のとおりの画面表示部と操作部の態様を表したものである。
しかし,上記各意匠のどれにも本願意匠の前面操作パネルの鍔状や,同等の表示部と操作部の区画割り態様,裏面の四周に印刷を施した透明材よりなる表示部の具体的構成態様などが表されておらず,それらの態様が異なる。
そうすると,操作ボタン部と表示部の態様に,部分的に共通する点があったとしても,全体として本願意匠の形状にまとめ上げることは,一定の創作行為があったと言わざるを得ず,これら5つの意匠を基に容易に想到することができたとは言えない。
以上のとおりであって,本願意匠は,その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものということはできない。

4.むすび
したがって,本願の意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願の登録を拒絶すべき理由を発見することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-08-31 
出願番号 意願2009-7215(D2009-7215) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (H7)
最終処分 成立  
前審関与審査官 久木 真子成田 陽一 
特許庁審判長 関口 剛
特許庁審判官 樋田 敏恵
橘 崇生
登録日 2010-10-15 
登録番号 意匠登録第1401277号(D1401277) 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 石川 義雄 
代理人 小出 俊實 
代理人 河野 哲 
代理人 吉田 親司 

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