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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4 |
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管理番号 | 1231517 |
審判番号 | 不服2010-10536 |
総通号数 | 135 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2011-03-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-05-18 |
確定日 | 2011-01-13 |
意匠に係る物品 | 包装用瓶 |
事件の表示 | 意願2008- 32164「包装用瓶」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は,2008年(平成20年)12月18日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用瓶」とし,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「本物品は透明である」としたものである。(別紙第1参照) これに対して,原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)としたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,2006年(平成18) 8月 7日に,日本国特許庁が発行した意匠公報に記載された,意匠登録第1278330号(意匠に係る物品,包装用瓶)の意匠であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照) そこで,本願意匠と引用意匠を対比すると,両意匠は,意匠に係る物品が,いずれも「包装用瓶」で一致し,形態においても,瓶本体が,長細い略円錐台形状の上半部と略円筒形状の下半部を接合してなる全体的な構成態様と,上半部の外周面に平面視放射状の細線模様を,一定間隔に多数(20本乃至24本)形成した点,下半部が無模様である点等の,各部の具体的な構成態様が共通する。 一方,両意匠は,(ア)上半部の外周面の具体的な構成態様について,本願意匠は,平面視放射状の細線模様部分が稜線状に突設されており,細線と細線の間は,緩やかな略凹面状をなしているのに対して,引用意匠は,円錐台形状の外周面に凹凸が無く,細線模様が施されているだけのものであるとしか認められない点,(イ)上半部の略円錐台形状の外周面と下半部の外周面との接合部分の具体的な態様について,本願意匠は,段差部が形成されているのに対して,引用意匠は,段差部がない点,(ウ)下半部の下端部周縁の具体的な態様について,本願意匠は,扁平な逆円錐台形状の外周面が形成されているのに対して,引用意匠は,緩やかな丸面状に形成されている点等が,主に相違する。 以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断すると,両意匠は,意匠に係る物品は,一致するものの,形態においては,共通するとした構成態様は,いずれも両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点に過ぎないものであるから,これらの点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を大きいということはできない。 これに対して,両意匠の具体的な構成態様に係る各相違点は,両意匠の特徴をよく表すところであり,また,相違点(ア)としてあげた本願意匠の具体的な態様である「平面視放射状の細線模様部分が稜線状に突設されており,細線と細線の間は,緩やかな略凹面状をなしている」点,及び,相違点(イ)の段差部の有無は,目に付き易い部位にかかるものであって,これらの相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,いずれも小さいということはできない上に,相違点(ウ)の下半部の下端部周辺の外周面の形状の相違は,比較的目に付きにくい部位とはいえども,本願意匠においては,共通点としてあげた上半部の略円錐台形状と下半部の逆円錐台形状が一体(一対)となって,本願意匠のみの特徴を醸成していると認められるものであって,相違点全体が相まって生じている視覚的効果は,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼしているということができる。 したがって,これらの相違点が相まった印象は,前記共通点が生じさせている共通の印象を凌駕しており,両意匠は,意匠全体として,視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠と類似するということはできない。 以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-12-24 |
出願番号 | 意願2008-32164(D2008-32164) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(F4)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 樫本 光司 |
特許庁審判長 |
瓜本 忠夫 |
特許庁審判官 |
市村 節子 太田 茂雄 |
登録日 | 2011-02-18 |
登録番号 | 意匠登録第1409574号(D1409574) |
代理人 | 吉井 剛 |
代理人 | 吉井 雅栄 |