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審決分類 |
審判 査定不服 1項柱書物品 取り消して登録 J1 |
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管理番号 | 1231526 |
審判番号 | 不服2010-15145 |
総通号数 | 135 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2011-03-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-07-07 |
確定日 | 2011-01-25 |
意匠に係る物品 | 排ガス分析計 |
事件の表示 | 意願2009- 7649「排ガス分析計」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は、平成21年4月1日の意匠登録出願であって、その意匠は、意匠に係る物品を「排ガス分析計」とし、その形態を願書及び願書添付の図面に記載されたとおりとするものである(別紙参照)。 2.原査定の拒絶理由 これに対して、原査定において、意匠に係る物品の使用状態が不明であり、正確にその意匠を把握することができず、未だ具体的な意匠を表したものと認めることができないとして、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができない旨の拒絶理由が通知された。 3.請求人の主張 請求人は、審判請求書において、使用状態が不明であるという点について、概ね次の主張をした。 (1)排ガス分析計として機能を発揮するために不可欠な部分の態様及び具体的な使用状態について 排ガス分析計には、排ガス導入口を介して排気ガス発生源から直接排ガスを導入するタイプのもの以外に、排ガスサンプリング装置等を用いて排ガス発生源から所定のバック等に排ガスを採取してから、この排ガスが収容されたバック等を排ガス分析計内に装着するタイプのものもある。後者のタイプの排ガス分析計では、排ガス分析計として機能を発揮するために不可欠な部分は全て筐体内に収められており、これらは外観には現れない。また、このようなタイプの排ガス分析計では、使用状態(使用による変化)もその外観には現れない。 (2)測定結果を外部の表示器機に出力する方法について 本願に係る排ガス分析計の測定結果を外部の表示機器に出力する方法としては、拒絶査定において指摘されているように、接続端子及びコード等を介して出力する方法や、無線通信で出力する方法が挙げられる。 上記の主張に加え、平成22年12月27日付の手続補正書により、願書の意匠に係る物品の説明の欄を次のように補正した。 「本物品は、車両等の排ガスを、排ガスサンプリング装置等によって採取された排ガスが収容されたバッグ等を内部に装着等することにより導入し、その排ガス中の成分分析や特定ガスの濃度測定等を行うものである。本物品の正面には、片開きの扉が設けられており、当該扉の正面から見て右端部には手を差し込むためのくぼみを伴った取っ手が形成されている。本物品による測定結果を外部の表示機器に出力するには、接続端子及びコード等を介して出力するか、又は、無線通信で出力する。」 4.当審の判断 そこで、審判請求書及び手続補正書を勘案し、本願の意匠が工業上利用することができる意匠であるかについて検討する。 平成22年12月27日付の手続補正書により、本願の意匠に係る物品への排ガスの導入についての説明、及び測定結果の外部機器への出力についての説明が加えられており、この種の物品においては、排気ガス発生源から直接排ガスを導入するタイプのもの以外にも、サンプリング装置等により排ガスが収容されたバッグ等を内部に装着するタイプもあることが知られている事実に照らせば、本願の意匠に係る物品の使用状態について、十分に理解をすることができるので、本願の意匠は、工業上利用することができる意匠であるということができる。 すなわち、排ガス分析計へのガスの供給に、サンプリング装置等によって捕集したバッグを用いることはこの種物品において従来から確立された手法であり(例えば、公開特許公報 特開平5-281139号、特開2005-55333号)、供給部が外観に表れないものも当業者であれば想定することができる。また、この種分析計において、分析結果を外部モニター等に出力し、表示することは従来からよく見受けられる態様である。したがって、この補正により加えられた内容は、当業者であれば当然に導き出せるものであるから、出願当初の要旨を変更するものではない。 なお、本願は、出願当初、本意匠を意願2009-7628号(意匠登録第1373750号)とする関連意匠の出願としていたが、原査定の拒絶理由には、本願の意匠は、願書に記載した本意匠に類似しない意匠と認められる、とのなお書きが記載されていたところ、審判請求と同日(平成22年7月7日)に提出した手続補正書により、願書の本意匠の欄は削除されており、この点についても拒絶の理由は既に解消されている。 5.結び 以上のとおり、本願の意匠は、意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当し、原査定の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2011-01-13 |
出願番号 | 意願2009-7649(D2009-7649) |
審決分類 |
D
1
8・
13-
WY
(J1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 本多 誠一、並木 文子、安藤 美奈子 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 北代 真一 |
登録日 | 2011-02-04 |
登録番号 | 意匠登録第1408771号(D1408771) |
代理人 | 西村 竜平 |