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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2
管理番号 1233212 
審判番号 不服2010-12925
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-14 
確定日 2011-02-28 
意匠に係る物品 締め付けバンド 
事件の表示 意願2009- 9501「締め付けバンド」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 本願は,本意匠を意願2009-9500とする関連意匠の意匠登録出願として,2009年(平成21年) 4月23日に出願されたものであって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した写真に現されたものによれば,意匠に係る物品を「締め付けバンド」とし,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」を願書の記載及び願書に添付した写真に現されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

これに対して,原審の拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)としたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,本願出願前,1993年(平成 5年)10月26日に,日本国特許庁が発行した公開実用新案公報 実開平5-79011号(考案の名称「締付バンドのレバー構造」)に所載の「図1」,「図2」に表された「締付バンド」の意匠であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものであり(別紙第2参照),また,本願意匠のストッパ片の形状に近いものは本願出願前から見られるとして,参考意匠(意匠登録第1265860号の意匠)が示されたものである(別紙第3参照)。

そこで,本願意匠と引用意匠を対比すると,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,形態においても,全体が細幅帯状体から成る「帯状バンド部」,その一方の端部に略「T」字状に設けられた「レバー部」,及び,「ストッパ片」から成る全体の基本的構成態様と,レバー部の「先端部」と「係止片」が,それぞれ,ストッパ片と帯状バンド部の「係止孔」に係合する構成など,各部の具体的構成が共通する。
その一方,両意匠においては,(ア)引用意匠の具体的態様は,ストッパ片及び係止孔の具体的形状について,前記のように機構などにおいて両意匠に共通する点があると認められる程度に表されているとしても,その詳細が不明である点,(イ)引用意匠のレバー部において,帯状バンド部との接合部から係止片のある部位に「リブ」が存在するが,本願意匠にはそれがない点等が,主に相違する。

以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断すると,両意匠は,意匠に係る物品は,一致するものの,形態においては,共通するとした基本的構成態様及び各部の具体的構成は,いずれも両意匠の形態を概括的に捉えた場合の共通点に過ぎないものであるから,これらの点が両意匠の類否判断を決定付けるまでのものということはできない。
これに対して,両意匠の相違点において,本願意匠のストッパ片及び係止孔などの具体的態様は,その特徴をよく表しているところであるともに,引用意匠のレバー部のリブもその特徴をよく表しているところであるから,これらの相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きいということができる。
したがって,これらの相違点が相まった印象は,前記共通点が生じさせている印象を凌駕しており,両意匠は,意匠全体として,視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠と類似するということはできない。

以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

別掲
審決日 2011-02-07 
出願番号 意願2009-9501(D2009-9501) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M2)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松田 光太郎 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 市村 節子
太田 茂雄
登録日 2011-03-25 
登録番号 意匠登録第1412359号(D1412359) 
代理人 綿貫 隆夫 

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