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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1233221 
審判番号 不服2010-20588
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-13 
確定日 2011-03-08 
意匠に係る物品 包装用缶 
事件の表示 意願2009- 17440「包装用缶」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、平成21年7月30日の意匠登録出願であって、その意匠は、意匠に係る物品を「包装用缶」とし、その形態を願書及び願書添付の図面に記載されたとおりとするものであり、「実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である」としたものである(以下、本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠」という。)(別紙第1参照)。

2.引用意匠
原査定において、意匠法第3条第1項第3号の規定に該当するとして、拒絶の理由に引用された意匠は、特許庁総合情報館が1998年11月16日に受け入れた、モノマガジン、1998年12月2日20号第40頁所載 包装用缶の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA10023637号)であって、その形態は、同内国雑誌に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。
なお、原査定における拒絶理由通知の記載によれば、引用された意匠は、上蓋部を除く、本願意匠に相当する部分であることは明らかなところである(以下、本願意匠に相当する部分の意匠を「引用意匠」という。)。

3.両意匠の対比
両意匠を対比すると、いずれも包装用缶に係るものであるから、意匠に係る物品が一致し、両意匠の用途及び機能、そして、全体意匠に対する位置、大きさ、範囲が一致している。
一方、形態において、主として以下の共通点及び差異点が認められる。
(1)共通点
両意匠は、(A)全体の構成について、上蓋部と下蓋部と、これらに挟まれた胴部による3ピースからなる略円筒形状のうち、上蓋部を除く胴部及び下蓋部に係る形状とし、(B)胴部について、上下端部を蓋部よりも僅かに小さな径(以下、「円筒状小径部」という。)に形成し、一方、中央部は、上下の蓋部と略同幅の大径部(以下、「円筒状大径部」という。)とし、全高対大径を略2:1とするもので、上下の円筒状小径部と斜面によって繋がっている点、(C)下蓋部について、巻き占めにより、胴部の円筒状小径部より僅かに張り出した態様としている点、において共通する。
(2)差異点
(a)胴部の高さ方向における比率について、本願意匠は、上部円筒状小径部:円筒状大径部:下部円筒状小径部を略1.4:6:2.4とするのに対し、引用意匠は、略0.3:9.4:0.3としている点、(b)円筒状小径部と円筒状大径部の繋がり部について、本願意匠は、斜面部を直線状とし、丸みの小さな角部を有しているのに対し、引用意匠は、斜面部を円弧状に膨出し、角部のない態様としている点、において差異がある。

4.類否判断
そこで検討するに、共通点(B)と(C)の態様は、この種包装用缶の分野において、3ピースの缶においては、胴部と上下の蓋部の接続に一般的に見られる態様であり、両意匠のみに格別新規な態様ということはできず、それらの点のみをもって両意匠の類否判断を左右するものとすることはできない。
これに対して、前記各差異点の中でもとりわけ(a)における、胴部の高さ方向における、上部円筒状小径部、円筒状大径部、下部円筒状小径部の比率における差異は、両意匠に異なる視覚的効果を生じさせており、看者の注意を強く惹くもので、その差異は、両意匠の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。
すなわち、この差異によって、本願意匠は、円筒状大径部の比率が小さいため、この大径部が全体の中で独立して目立つのに対し、引用意匠は、大径部が胴部の高さのほとんどを占め、大径部が独立するというよりは、蓋部と合わせ、全体が一体となった印象を与え、また、円筒状小径部について、本願意匠は、上下非対称で、下部の小径部が胴部の高さに対して略4分の1を占めることから、円筒状大径部が上方にあり、腰高となっている一方、下蓋部の巻き占め部による張り出しが、腰高にもかかわらず、全体に安定した印象を与えているのに対し、引用意匠は、上下対称で、下部の円筒状小径部の高さは胴部の高さに対して略100分の3とわずかなことから、腰高の印象はなく、下蓋部の張り出しも目立たない、といった視覚的効果に大きな差異を生じており、これらの差異は、両意匠の印象を大きく決定付けるもので、両意匠の類否判断を左右するものというべきである。
また、差異点(b)は、これのみでは両意匠の類否判断に与える影響は小さいが、上記差異点(a)の態様と相俟って、意匠の類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる視覚的な効果は、両意匠の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品、用途及び機能、そして、全体意匠に対する位置、大きさ、範囲が一致するものであるが、その形態において、差異点が共通点を凌駕し、意匠全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから、類似しないものである。

5.むすび
したがって、本願意匠は、意匠法第3条第1項第3号の規定に該当するものではないから、原審の拒絶理由によって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2011-02-22 
出願番号 意願2009-17440(D2009-17440) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立  
前審関与審査官 木村 恭子 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 樋田 敏恵
北代 真一
登録日 2011-03-18 
登録番号 意匠登録第1411763号(D1411763) 
代理人 特許業務法人創成国際特許事務所 
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