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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E3
管理番号 1238197 
審判番号 不服2010-23795
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-22 
確定日 2011-06-02 
意匠に係る物品 野球用バット 
事件の表示 意願2008- 27522「野球用バット」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,意匠法第4条第2項の規定を受けようとする2008年(平成20年)10月27日の意匠登録出願であって,その意匠は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「野球用バット」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠」という。)。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)としたものであって,原審が拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,特許庁発行の公開実用新案公報 平2-114073号 (考案の名称「金属製野球用バット」)に所載の「第1図」、「第2図」に表された「野球用バット」の意匠の本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである(以下,本願意匠に相当する部分の意匠を「引用意匠」という。)。(別紙第2参照)


第3 本願意匠と引用意匠の対比

1.意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,ともに「野球用バット」であり,両意匠の意匠に係る物品は,一致する。

2.本願意匠と引用意匠の用途・機能及び位置・大きさ・範囲
本願意匠と引用意匠は,いずれも野球用バットの打球部外周面部分の用途・機能について,両意匠ともに飛距離の増大や装飾的効果を狙ったものである点に共通性が認められ,また,大きさ及び範囲も一致するものであるが,位置について,本願意匠は正面側と背面側の対称形に設けられたものの正面側の一部分であるのに対して,引用意匠は該外周面のほぼ前面の一部分に関するものであり,相違する。

3.本願意匠と引用意匠の形態
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(1)共通点
両意匠は,打球部外周面長手方向に沿って多数の等間隔の条線による筋模様を形成した点,

(2)相違点
筋模様について,本願意匠は,外周面に凸部としたもので,その凸部の形状が断面視略球面状であり,凸部のピッチもかなり細かくし,18個の凸部(C-C拡大端面図参照)が設けられているのに対して,引用意匠は,外周面に凹部を設けたものであり,その凹部の形状が断面視略「コ」の字状であり,凹部のピッチが本願意匠のそれに比べて粗く,凹部が10数個程度(第2図参照)しかない点,


第4 類否判断
以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

まず,両意匠の形態については,両意匠の前記共通点に係る構成態様は,両意匠の形態を包括的に捉えた大掴みなものであることから,格別高く評価することができるものではなく,類否判断に及ぼす影響は限定的である。

これに対して,前記相違点は,この種物品において,打球部のわずかな形状の相違が打球の方向や飛距離等に影響を与えることから,打球面の凹凸の具体的な態様は需要者の注意を惹くところ,両意匠の打球部の筋模様の具体的な形状について,本願意匠が凸部の断面視略球面状となるもので,引用意匠の凹部として,その凹部を断面視略「コ」の字状とするものとでは,造形的構成が全く異なるというべきであり,さらに,本願意匠の態様は,この物品分野の先行意匠を参酌するところ,本願意匠に特徴的なものであるから,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものというべきである。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,いずれも野球用バットの打球部外周面部分の用途・機能について,両意匠ともに飛距離の増大や装飾的効果を狙ったものである点に共通性が認められ,また,大きさ及び範囲も一致するものであるが,位置について,本願意匠は正面側と背面側の対称形に設けられたものの正面側の一部分であるのに対して,引用意匠は該外周面のほぼ前面の一部分に関するものであり,相違し,形態においては,共通点としてあげた構成態様が,両意匠の類否判断に及ぼす影響が限定的であるのに対して,相違点が両意匠の類否判断に与える影響が大きいものといえるので,相違点が共通点を圧しているというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできないものである。


第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定における引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2011-05-23 
出願番号 意願2008-27522(D2008-27522) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (E3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 前畑 さおり 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 太田 茂雄
杉山 太一
登録日 2011-06-17 
登録番号 意匠登録第1418789号(D1418789) 
代理人 北村 修一郎 
復代理人 宮地 正浩 
復代理人 東 邦彦 

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