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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2
管理番号 1243114 
審判番号 不服2011-237
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-01-06 
確定日 2011-09-09 
意匠に係る物品 分岐管継手 
事件の表示 意願2010- 5914「分岐管継手」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2010年(平成22年)3月11日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「分岐管継手」であり,その「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)」は,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりのものである。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとするものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,特許庁発行の意匠公報記載,意匠登録第0791728号(意匠に係る物品,配線用保護管分岐継手)の当該部分の意匠であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)


第3 請求人の主張の要点
本願意匠の創作における最も特徴的な部分は,サドル部と分岐管部との接続部の部分の具体的構成態様にある。すなわち,本願意匠は,サドル部の内面から突出する環状突起を有することに特徴があり,引用意匠には見られないこのような環状突起を形成することによって,従来にない独自の美感を表現している。
環状突起は,サドル部開口に沿う単なる楕円形状に形成されるものではない。A‐A断面図からよく分かるように,環状突起は,長手方向における一方側(分岐管部の分岐方向と逆側)において幅広に形成され,長手方向における他方側(分岐管部の分岐方向)において幅狭に形成されている。また,底面図からよく分かるように,環状突起は,長手方向に非対称となる略角丸長方形状という特徴的な形状を有している。
本願意匠と引用意匠は分岐管継手であるが,需要者(作業者)が分岐管継手を実際に手に取って使用する際に,最も注目する部分は,ケーブルが挿通する接続部分である。本願意匠と引用意匠とでは,ケーブル保護管および分岐管との接続部分,すなわちサドル部の内面側および分岐管部の端部のその両方において具体的構成態様が異なると言え,これらの両意匠間の差異点は,需要者の類否判断に大きな影響を与えると考える。


第4 当審の判断

(対比のため,引用意匠の図面について図の表示と図中の向きを本願意匠の図面に合わせることとし,引用意匠の「右側面図」を「正面図」とし,引用意匠の「正面図」を「左側面図」とし,引用意匠の「平面図」を右に90°回転させ,引用意匠の「底面図」を左に90°回転させ,その他は,これらに準じて表されているものとする。)

本願意匠の意匠に係る物品は,「分岐管継手」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「配管用保護管分岐継手」であるが,本願意匠の願書の意匠に係る物品の説明に「本意匠に係る分岐管継手は,ケーブル保護管から通信電線等を取り出す際に使用される継手」であると記載されているので,両意匠の意匠に係る物品は,一致し,形態についても,全体が,半円筒状のサドル部と,サドル部上面部に鋭角に傾けられて滑らかに突設された短い円柱状の分岐枝管(なお,拒絶理由通知の記載によれば,公知意匠である引用意匠について,「当該部分の意匠」とされていることから,引用意匠としては,分岐枝管に嵌合された短い円柱状の管は,除かれているものと認められる。)によりなる点が主として共通するが,相違点として,(a)サドル部の底面の具体的構成態様について,本願意匠は,サドル部底面における分子枝管の接合孔部の周縁に,底面視外形状が縦長な略「陸上競技のトラック」状で環状の突起部が接合部として形成されているのに対して,引用意匠は,それがないものである点,(b)本願意匠は,サドル部の正面・背面の底面側輪周縁部のそれぞれにサドル部の下辺と平行に設けられた細幅な突条線部が形成されているのに対して,引用意匠にはそれがない点が主としてある。

検討するに,共通点が両意匠のみに特徴的なものといえないものであり,この点が両意匠に及ぼす影響は限定的なものであるのに対して,相違点(a)については,サドル部下面部に,接合部を突設状に設けたものが,例えば,意匠登録第791728号の類似第3号の「ケーブル保護管用分岐継手」の意匠に示されるように,本願出願前にないわけではないが,それは,サドル上面部において,分岐枝管の根元をサドル部に陥没させて,それがサドル下面部に突設されたようになったものであって,サドル部上面部の態様が異なるものであり,本願意匠のように,接合部自体が厚みをもって成形されたものは,他には見られない特徴的なものであり,かつ,物品の性格上,この点は,施工性など,物品としての利便性をよく表すものとして需要者が着目するところであるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものであり,また,この点が相違点(b)と関連して生じさせている視覚的効果は,共通点のそれを凌駕しており,両意匠に別異の印象を与えているという他なく,意匠全体として見た場合,両意匠は,類似するということはできない。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品は,一致するが,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響が限定的なものであるのに対して,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,意匠全体として見た場合,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠は,意匠全体として視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。


第5 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2011-08-25 
出願番号 意願2010-5914(D2010-5914) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M2)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山永 滋 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 太田 茂雄
杉山 太一
登録日 2011-09-22 
登録番号 意匠登録第1425718号(D1425718) 
代理人 山田 義人 
代理人 山田 義人 

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