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審決分類 |
審判 査定不服 意7条一意匠一出願 取り消して登録 F4 審判 査定不服 工業上利用 取り消して登録 F4 |
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管理番号 | 1253430 |
審判番号 | 不服2011-11892 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-06-06 |
確定日 | 2012-02-17 |
意匠に係る物品 | 包装用容器 |
事件の表示 | 意願2010-15185「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,2009年12月22日の域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,意匠法第14条第1項の規定により本願に係る意匠を1年間秘密にすることを請求した,物品の部分について意匠登録を受けようとする,2010年(平成22年)6月21日付けの出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,出願当初の願書の記載によれば,意匠に係る物品を「医療用又は実験用ドロッパー」として,その形態は,願書の記載及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたもので,その記載内容によると,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である」としたものであり,その願書に添付した図面によれば,医療用又は実験用ドロッパーの「キャップ部と管上端の注出部まで」及び「管中央から貯蔵部上端まで」を実線で描き,その他の部分を破線で描いたものである。 2.原審における拒絶の理由 原査定における拒絶の理由は,本願が,経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとにされているものとは認められないので,意匠法第7条に規定する要件を満たしていないというもので,具体的には,本願意匠は,一つの意匠に係る物品の中に,物理的に分離した二つの「意匠登録を受けようとする部分」が含まれており,意匠ごとにした意匠登録出願と認められない,というものである。 3.請求人がした補正の内容及び請求人の主張 (1)補正の内容 審判請求人がした,審判請求と同日の平成23年6月6日付けの手続補正書による補正の内容は,願書に添付した図面を「管中央から貯蔵部上端まで」の部分を実線で描き,その他の部分を破線で描いた図面に変更する補正である(別紙第1参照)。 (2)請求人の主張 請求人は,請求の理由において,概略以下のように主張した。 拒絶査定不服審判を請求するとともに,手続補正書を提出し,二つの部分のうちの「管中央から貯蔵部上端まで」の部分を「意匠登録を受けようとする部分」として特定し,残りは「その他の部分」に訂正する補正を行ったことにより,拒絶理由は解消した。 4.当審の拒絶の理由 前記のとおり,原査定の拒絶の理由に対して,審判請求人は,審判の請求とともに,図面を変更する補正をした。よって,原査定の拒絶の理由は解消され,その理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 しかし,当審において更に審理した結果,本願は,意匠法施行規則様式第2〔備考〕39に「別表第1の下欄に掲げる物品の区分のいずれにも属さない物品について意匠登録出願をするときは,『【意匠に係る物品の説明】』の欄にその物品の使用の目的,使用の状態等物品の理解を助けることができるような説明を記載する」と定められているところ,この時点での願書及び願書に添付の図面の記載内容は,意匠に係る物品を,物品の区分のいずれにも属さない「医療用又は実験用ドロッパー」としているにもかかわらず,「意匠に係る物品の説明」の欄にその物品の理解を助けることができるような説明を記載していないものであって,この理由により,この時点での願書及び願書添付した図面の記載内容のすべてを参酌して合理的に解釈しても,本願意匠に係る物品について理解することができないもの,との判断に至った。 以上のことから,当審は本願に対して,下記のとおりの拒絶の理由を通知した。 「この意匠登録出願の意匠は,下記に示すように,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない。 記 この意匠登録出願の意匠は,願書及び添付図面の記載によっては,その使用目的や使用方法等が不明確であり,正確にその意匠を把握することができず,未だ具体的な意匠を表わしたものと認めることができない」。 5.請求人がした補正の内容及び請求人の主張 (1)補正の内容 平成24年1月20日付けの手続補正書による補正の内容は,願書の意匠に係る物品の欄の記載を,「包装用容器」に変更するものである。 (2)請求人の主張 請求人は,手続補正書と同時に提出した意見書において,概略以下のように主張した。 手続補正書を提出して,意匠に係る物品を「医療用又は実験用ドロッパー」から「包装用容器」に補正する。 意匠に係る物品の補正は,要旨変更には該当せず,かつ,補正後の意匠に係る物品により本願の意匠の使用目的や使用方法等が明確になり,拒絶理由は解消したものと思料する。 6.当審の判断 当審からの拒絶の理由に対して,平成24年1月20日付けの手続補正書による補正により,意匠に係る物品を,物品の区分の欄に掲げられている「包装用容器」と変更したため,その結果,願書及び願書に添付の図面の記載内容から,正確に本願意匠の理解をすることができるようになった。 よって,当審の拒絶の理由は解消され,その理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 そうして,上記4.のとおり,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2012-02-07 |
出願番号 | 意願2010-15185(D2010-15185) |
審決分類 |
D
1
8・
52-
WY
(F4)
D 1 8・ 14- WY (F4) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小林 裕和 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
下村 圭子 橘 崇生 |
登録日 | 2012-03-09 |
登録番号 | 意匠登録第1437732号(D1437732) |
代理人 | 川崎 実夫 |
代理人 | 稲岡 耕作 |